外出自粛で児童虐待リスク増加…今、私たちにできること

認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワークは、、全国の男女500名を対象に「子ども虐待防止とオレンジリボン運動」に関する認知調査、さらには全国の子どもをもつ男女210名に「子育てにおける公共施設の利用」に関する調査を実施。このたび、その結果が発表されました。

新型コロナウイルス感染症拡大を防止するため外出の自粛や休校処置の継続などの対策が、自身や周囲の人の命を守り、医療崩壊を防ぐ目的で実施されています。一方で、巣ごもりによるストレスの増大、感染への不安や終わりの見えないことへの精神的な負担、経済的にひっ迫する家庭が出て来ているなどの理由から、子どもへの虐待の増加が懸念されています。このような状況を受けて、今回の調査結果から、今、一人ひとりができることを分析しました。

まず子ども虐待問題に関する関心度を探ってみると、6割以上の人が「関心がある」(65.5%)と回答しました。多くの人が、子ども虐待の問題について何らかの関心を持っていることが伺えます。

さらに「オレンジリボン運動」の活動について、「重要である」(73.4%)と回答した人は7割以上に上りました。その理由としては、「子ども虐待を放っておけないため」(74.4%)という回答が最も多く、自分に子どもがいる・いないに関わらず、「子ども虐待を放っておけない」と考える人が多いことが分かりました。

また、「オレンジリボン運動」に求める取り組みについて調査すると、「一人ひとりにできる具体的な取り組みについての情報発信」(48.6%)が最も多い結果となりました。子ども虐待を防ぐために、具体的に自分たちに何ができるのかを知りたがっている人が多いようです。

また、子どもを育てる人に「子どもと一緒に公共施設を訪れた際に困った経験」について調査を実施しました。

まず、困った経験については、8割以上の人が「ある」(81.0%)と回答。具体的に困ったこととしては、「子どもが泣いたり、ぐずったりした」(54.7%)、「荷物が多くて大変だった」(42.8%)という回答に票が集まりました。

公共施設で子どもが泣いたりぐずったりしたとき、ネガティブな気持ちになると回答した人は9割以上という結果に(94.2%)。ほとんどの人が公共の場で自分の子どもが迷惑をかけてしまうことに、不安な気持ちやイライラした感情を持ってしまうようです。

そのようなときに周囲の人が助けてくれたり話しかけてくれたりしたことで、救われた人がそれなりに多くいることも明らかになりました。子どもと一緒に公共施設を訪れた際に困ったとき、助けてくれた・話しかけてくれた人が「いた」という回答は、「いつもいた」「ごく稀にいた」「たまにいた」を合わせると約7割に。また、周囲の人に助けられたり話しかけられたりして、「嬉しかった」と回答した人は半数以上に上りました。

周りに困っている様子の親子を見かけても、どうしていいかわからない、話しかけるべきかどうか迷ってしまう人も多いと思われますが、実はほんの小さな行動が子育てをする人たちの安心や支えにつながっていると考えられます。

今回の調査結果では、世の中では多くの人が子ども虐待問題に関心を持っており、一人ひとりにできる具体的な取り組みに関する情報を求めていることが分かりました。一方で、子育て中の人々からは、公共の場で子どもが泣いたりぐずったりしたときに周囲の人に助けられると「嬉しい」という声が見られました。子育て中は誰にも頼れないと感じたり、自分一人が子どもと向き合っているという閉塞感を感じたりしやすいですが、身近に困っている親子を見かけたときに、気に掛ける、そして声を掛けたり手助けしたりする、という周囲の人のほんの小さな行動によって、子育て中の人々を支えることができます。このような行動を多くの人が実践する社会になれば、結果的に子ども虐待を防止する環境を作ることができると考えられます。子ども虐待の発生リスクが高いといえる現在の社会においても、皆で親子を守ることが大切であると言えます。

また、“子どもと子育てにやさしい社会が子ども虐待のない社会につながる”というオレンジリボン運動のコンセプトを表現したWeb動画「君がずっと笑顔でいられるように」が5月25日より公開となっていますので、ぜひこちらもご覧ください。

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