松本人志も憂いた…契約書ナシの吉本興業に毎年1000人の芸人が集まる理由

松本人志も憂いた…契約書ナシの吉本興業に毎年1000人の芸人が集まる理由

松本人志も憂いた…契約書ナシの吉本興業に毎年1000人の芸人が集まる理由

 お笑いコンビ・カラテカの入江慎也による闇営業仲介騒動が連日のように世間を騒がせているが、今回の不祥事発覚で吉本興業とその所属タレントの関係性や然るべき契約環境へと話題が飛び火する事態となっている。

 関係を持った相手が悪すぎたか。吉本興業の芸人に限らず、生活費に困窮したタレントが所属事務所の中抜きを通さない直の闇営業に手を染めることはもはや“大スクープ”とは呼べないほどに一部で蔓延してしまっているのが現状かもしれないが、写真週刊誌「フライデー」が暴きたかったのは、やはりその営業相手が反社会的組織であったという一点だろう。

 もちろん仲介人を担った“友達5000人”を誇る入江を始め、吉本の先輩である雨上がり決死隊の宮迫博之やロンドンブーツ1号2号の田村亮らは一様にその組織が“反社会的”であることなど知らなかったと口を揃えているものの、世論は参加芸人らの釈明を怪しみ、“素性も知らないグループの宴会にノーギャラで出演するのは不自然”といった見解が多く散見される。

 加えて、こうした吉本芸人による不祥事を巻き起こした元凶が、吉本興業の契約状況にあるのではないか…という見方も出ており、ハリセンボンの近藤春菜や極楽とんぼの加藤浩次がレギュラー番組内で指摘したように、所属タレントと法的な契約を交わしていないという吉本興業の“グレーゾーン”にも話題が集中。また、日頃から同社への不満を溜め込んできたお笑いタレントのキートンはツイッター上で「ちゃんと仕事、営業を入れて、ちゃんとしたギャラが振り込まれてたら、闇営業なんて行かねーよな」とつぶやき、吉本への不信感を露わにしている。

 では、所属タレントと契約も交わさず、様々な方面から不平不満を集める吉本興業に、なぜ毎年1000人以上の芸人の卵がこぞって養成所に入学申請書を送付するのだろうか。

「キートンだけでなく、最近ではブラックマヨネーズの吉田敬も書籍の印税報酬をめぐり、吉本への不満を爆発させていましたが、彼らはそもそも吉本興業というお笑い界最大の巨大プロダクションに身を置くことでどれだけの好都合な影響力を得ているか、ということに無頓着なのかもしれません。吉本は『ルミネthe吉本』や『なんばグランド花月』など、お笑いの世界では極稀な自社保有の大規模劇場を持つプロダクションであり、テレビや営業の仕事を持てない若手を自由にステージに立たせることができます。これは新人芸人にとっては非常に大きなアドバンテージであり、同劇場での手伝いや告知作業など、様々な雇用を創出することにも繋がっています。かつてダウンタウンの松本人志はラジオ番組内で『吉本の若手は劇場の仕事があるから無理してテレビに出なくてもそこそこ食っていけるようになってる』と話し、若手のハングリーさが減退していることを憂いていたほどです。そういった環境は吉本所属タレントにしか享受できない特権であり、他の事務所に属する新人芸人からすれば憧れの的ともいえるでしょう」(テレビ誌ライター)

 また、テレビ番組のオーディションにおいても「吉本興業の芸人か、それ以外か」といった分別がされてしまうほど、“吉本芸人”という属性は大きなブランドとなっており、それはひとえに、同社が誇る圧倒的な人気や歴史、そしてやすしきよしや桂三枝、明石家さんま、島田紳助氏、ダウンタウンといった華やかなレジェンドたちによる業績の賜物である。

 前述した通り、同社の芸人養成所には東京・大阪校を含め毎年1000人規模の新人が集まる“超人気”状態となっており、他のプロダクションのように1人のタレントにつき1人のマネージャーをあてがうことはほぼ不可能な環境だ。そのことが、ずさんなタレントの管理や法的関係の不行き届き、さらには適正量の仕事の割り振りを困難にしているにせよ、会社側からすれば“文句があるならいつでも出て行ってもらって構わない”といったところだろう。

 事実、ブレイクまでに相当の時間と労力を必要とし、弱小事務所から成り上がったサンドウィッチマンやくりぃむしちゅーといったお笑い芸人らは口を揃えて吉本興業が誇る強い影響力への羨望を口にしており、肝心の吉本所属タレントの口から出るのは“カネの話”や恨みつらみばかりだ。

 キートンしかり、吉田しかり、天下の吉本興業に在籍していることのアドバンテージや、“吉本芸人”を名乗ることを許される特権的立場を今一度認識し直す必要があるといえるかもしれない。

(木村慎吾)

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