ANZEN漫才・あらぽんの『アダチニスト〜足立区ストーリーズ〜』第20回:足立区モンスターハンター(2)

足立区で生まれ育ったあらぽん(ANZEN漫才)が足立区のリアルをつづっていく新連載!


B中特戦隊との喧嘩の行方

(前回からの続き)1人目は筋肉質な坊主のパワー系、2人目は可愛い顔した細身でおそらくスピード系、3人目は眼鏡をかけているがピアスを開けている理系、4人目はすべてを兼ね備えてそうで冷静な交渉担当のまとめ系、そして最後の5人目は身長が180センチ越えの茶髪でロン毛、確実に番長であろう番長系だ。

そして全員が学ランに革靴。僕たちみんなは思った。

「かっこいい」

それに対して僕たちは、なに色とはっきり言えない青っぽい?ブレザーに白のスポーツシューズ。動きやすいように靴の紐をしめすぎて蝶々結びがアゲハ蝶くらいに広がった羽ばたけますスタイル。そんなアップ済な状態でB中特戦隊を待っていると、彼らが近づいてくるにつれて「カランカランカラン」というかん高い金属音が聞こえてきた。よく見てみるとパワー系が鉄パイプを引きずりながら歩いてくるではないか。

あら「武器もってるけど?」「たける、電話して!」

そう、僕たちはなにかがかあったときのため、たけるが率いる後輩たちを向かいの土手に待機させていたのだ。

たける「相手が武器を持ってきたからなんか持ってきて! ダッシュ!」

武器の連絡を終えた頃、特戦隊はすぐ目の前まできていた。近くでみる特戦隊はみんなが戦意喪失するくらい迫力があった。そしてまとめ系が話し出す。

まとめくん「鈴木ってどいつ?」
あら「いないけど」
まとめくん「は? 意味わかんないんだけど」
あら「ていうかなんで鉄パイプ持ってんの?」
まとめくん「別に」
あら「武器でやるならこっちも集めるけど」

そう、体が人一倍大きかった荒木青年は無条件で自軍のまとめ系になっていた。

まとめくん「とりあえず誰からやんの?」
あら「いやいや武器持ってるのおかしいでしょ」

武器待ちの時間を稼いでいると、「あらぽん持ってきた!」と土手の向こうからたけるの声がした。そしてたけるよりも先に棒が顔を出した。

たける「武器持ってきたよ!」

たけるが誇らしげにかざしたのは、体育倉庫から持ってきた白と赤のストライプにペイントされた走り高跳び用の棒だった。

あら「なげーよ」

さらにそのうしろから待機していた後輩たちと下校中に連れてきた同級生ら約10人の援軍がやってきた。5対15だが「勝てればいいや」と思った。これは大乱闘になる予感がした。乱闘がいつ始まってもおかしくない状況でピリついていると、四方八方からB中と自分の中学の先生たちが現れた。

ティーチャー「なにしてんだお前ら!」

のちに聞いた話によると、土手に中学生が棒を持って集まってると誰かがB中に通報し、B中が僕たちの学校に連絡してきたらしい。ティーチャー軍団が特攻してきてすぐに両軍はバラバラになり、捕まらないようにティーチャー軍団から逃げた。

なぜか逃げるときはすべてがスローに見えた。長い棒を投げ捨てるたける。足を滑らせて土手を転がり落ちる後輩。自転車で2人乗りをしていて引っ張り下ろされているうしろのやつ。きんぱっつぁんの土手は大混乱だ。コントで流れるさだまさしさんの曲が聴こえた気がした。

バラバラになりながらなんとか逃げきって気がつくと、僕はB中のまとめくんと可愛い系と一緒に逃げていた。そのときにはもう喧嘩な雰囲気はなくなって、まじセンコーうぜー!みたいな会話になって仲よくなっていた。そしてまとめくんが言った。

まとめくん「俺たちと同盟組まない?」
あら「同盟? なんで?」
まとめくん「潰したい中学がいる」
あら「いいよ。それなら俺らは倒したい絆創膏がいる」
まとめくん「じゃこれから同盟国ね」
あら「OK」

僕たちはB中と同盟を組むことになった。そしてキラキラ生活はさらに加速していくのであった。(次回へ続く)

北海道に仕事で行ったときの記念写真

あらぽん

1985年10月13日生まれ、東京都・足立区出身。幼馴染のみやぞんと2009年11月にANZEN漫才を結成。みやぞんの特技であるギター、そしてあらぽんのラップを組み合わせた音ネタで活動するようになり、『足立区の歌』などのネタで注目を集める。『とんねるずのみなさんのおかげでした』『世界の果てまでイッテQ!』などでみやぞんの激烈天然キャラが爆発して話題となり、今や大注目コンビのひとつとなっている。

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