彼らの会話や息づかいまでも聞こえてきそう〜平井“ファラオ”光のザ・ローリング・ストーンズ展レポート〜

ローリング・ストーンズ=ロックンロールなのである

おはようございます。

連載『音楽“ジャケット”美術館』担当のおもしろヒゲメガネ、平井“ファラオ”光です。

というわけで今回、僕がやってきたのは今都内で最も熱いイベント『Exhibitionism−ザ・ローリング・ストーンズ展』。しかも今回は2018年のサマソニやサンリオの『KAWAII KABUKI』のときのようにリットー(ミュージック)大王様からの指令ではなく、どうしても行きたくて自ら直々にリットー大王様に脅しをかけて潜入させてもらっている。

というのも僕は普段1960年代〜1970年代あたりのクラシックロックが大好きでよく聴いているのだが、そのなかでもローリング・ストーンズはズバ抜けて好きなバンドだからだ。

ではそのローリング・ストーンズの魅力とは一体何なのか。それを理屈で説明するのは非常に難しいのだが、クセの強いミック(・ジャガー)のボーカルに、ギタリストのなかでも決して上手いほうとは言えない(むしろ下手)のに誰よりも味わい深い音を出すキース(・リチャーズ)、それに絶妙に絡み合うロン(・ウッド)のギター、そして核となるチャーリー(・ワッツ)のドラム。これらが同時に混ざり合ったとき、この世にふたつと存在しないストーンズならではの“魔法”のようなグルーヴが生まれるのである。

それはある種の麻薬のように依存すらしかねないほどの強力な魅力があり、その魔法のようなグルーヴに名前をつけるとしたらそれは“ロックンロール”となる。

つまりローリング・ストーンズ=ロックンロールなのである。

そんなキャリアも50年を越える大ベテランでありながら、現在もロックンロールの王者として君臨し続けているストーンズの貴重なグッズを集めた今回の展覧会は、間違いなく今最も熱いイベントなのだ。

そんな熱いイベントに改めて今回やってきたのは、

おもしろヒゲメガネです。

イベントの全貌をできるだけ魅力的にお伝えできるようにぼくがんばっちゃうんだから。

おい、ブラウザを閉じるな。待て! 落ち着け!

というわけで早速会場に入り受付を済ませると、今回のストーンズ展を大々的に取り上げた朝日新聞の広告特集が無料で配布されているので手にとって見てみる。そこにはストーンズファンのさまざまな著名人からのメッセージが。Charさんや鮎川誠さん、先日亡くなられた内田裕也さんにガチャピンまで、そうそうたる顔ぶれである。さすがはストーンズ、業界にも多くのファンが存在している。そのなかで日本ローリング・ストーンズ・ファン・クラブ代表の池田祐司さんという方がいたのだが、この方が後輩芸人のランジャタイというコンビの国崎君にあまりにも似ていて驚いた。

本人に確認したところ、

国崎君だったようだ。

わざわざ名前変えてそんな活動せんでも。

ワクワクが止まらない!!!

さて後輩の顔も見れて少し和んだところでいよいよストーンズ展メイン会場へ。まずお出迎えしてくれるのは巨大な「LADIES AND GENTLEMEN」の文字。

ほとばしるワクワク。

さらに一歩踏み込むと現れるのは、本展覧会のタイトルにもなっている“エキシビジョニズム”。多数のモニターに走馬灯のように映し出されるストーンズの歴史。

迫り来る迫力。

しかし改めて見るとみな面影はあるものの若いときとはずいぶん顔が変わっている。一番変わったのはキースだろうか。いや、しかしこの人もよくぞここまで生きていたものである。かつては酒、タバコ、ドラッグにより体はボロボロ。「次に死にそうなロックスター」として常に真っ先に名前があがるほどだったというのに。それが今じゃ「世界滅亡の日、最後まで生き残っているのはゴキブリかキース・リチャーズ」とまで言われるようになっている。ロックスターは早死にすることが一種の美学のようにすら思われているなか、しぶとく生きてロックと向き合い続けるキースのような人間のほうが僕はかっこいいと思う。

さらに先に進むと待ち受けているのは何とストーンズのメンバーが初期の頃に実際に生活していた部屋を再現した空間。これは気になる!

地下芸人のルームシェアのクオリティ。

そう、今や世界的スターのストーンズにもこんな時代があったのである。乱雑にとっちらかった部屋。洗ってない食器類などがやたらとリアルである。ギターを弾きながらああでもないこうでもないと曲を練り上げていくミックたちの姿が浮かびあがってくるようだ。

さらにその先には1963年のファンクラブ用の各メンバーのアンケート用紙が。これまた気になる!

多分本人はけっこう恥ずかしいやつ。けど僕らは見たくてしょうがないやつ。

これの日本語訳は無料配布の朝日新聞に載っているのでそちらを参考にしつつ内容を一部抜粋すると、それぞれ「好きなもの」の項目に「女の子」とあげている。まったくしょうがねえ奴らだ(笑)。そんななかブライアン(・ジョーンズ/元メンバーでリーダー)のみ「好きなもの」は「睡眠」。まったくしょうがねえ奴だ(笑)。

さらにキースとチャーリーの「好きな歌手」にあげているのが「ミック・ジャガー」、メンバーそれぞれの「キャリア最高の出来事」が「ローリング・ストーンズ結成」という……まったく、しょうがねえ奴らだ(涙)。

個人的にひとつ気になったのがビル・ワイマン(1993年までベーシストとして在籍)の「以前の職業」が「代表」。

何のだ。

さらにそのアンケートと同じ空間にはキース、ブライアンのギターその他やチャーリーのドラムセットも展示されている。

湧き上がる興奮。

『ギター・マガジン』や『ドラム・マガジン』も発行しているリットーさん的にもこれは生唾もののアイテムなのではないだろうか。というかハーモニーのギターかっこいいー。単純に見た目が。何かいろいろまかり間違って2,000円くらいでくれたりしないものだろうか。まあ仮に同じギター使ったところでキースと同じ音は出せないんだろうけど。

音源のミックスが体験できる!?

そこからさらに進んでいくと、おそらく今回のイベントのなかでも多くの人にとってハイライトとなるであろうコーナーが。

それは「ミックス体験のコーナー」!!

まあこんなバラエティの企画みたいなタイトルがつけられているわけではないが、要はストーンズの曲をいろいろいじくりまわして、ボーカルやギターなど個々のパートの音量を調節しながら聴けるという画期的なコーナーである。つまり自らがプロデューサーになったような気分に浸れるわけだ。

ストーンズのプロデューサーの平井“ファラオ”光です。

ね。

しかしこれは本当に面白い。つまりいろいろな曲のキースのギターのみを聴くことだってできるのである。曲は『悪魔を憐れむ歌』や『悲しみのアンジー』、『スタート・ミー・アップ』などの名曲が選択できる。ともすれば数十分でもやっていたくなってしまう魅力的なコーナーである。

ちなみにここにも壁にキースとロンの使用ギターが展示されている。

『ギター・マガジン』は毎月13日発売です。

あのロゴマークのコーナーも

さあそしてどんどん進んでいくと今度はあの世界一有名かも知れないロゴマークについてのコーナー。あまりにも有名すぎてマークだけひとり歩きし、ストーンズは普段一切聴かないのにあのマークの入ったTシャツなどはよく着ているという若者も多いほどキャッチーで印象的なマーク。

ベロ。

ベロベロベロベロベロベロ。

世界一有名なベロ。

もはや『サティスファクション』より有名なベロ。

鼻でもなければ口でもない、

ベロ。

さらに奥へ行くとメンバーが過去にライブなどで着用していた衣装を展示しているコーナーが。

かっこいいのもあれば変なのもあるし変なのもあるし変なのもあるし。

ミックはかなり特殊なセンスの衣装を着ていることが多いためこういった展示は一度見てみたかった。しかしどれも非常に貴重なものであることは間違いない。個人的に1969年ハイドパークコンサート(2日前にブライアンが亡くなっている)の天使のような衣装が映像で見て印象に残っていたので、今回本物を見られてよかった。また時代ごとにテーマ分けされていたのも見やすかった。

そして楽しかったストーンズ展もいよいよ次がラスト。ライブ前の楽屋を再現した部屋からさらに奥の部屋に入ると、最後はストーンズのライブ映像を3Dで楽しめる空間。締めにライブを見せてくれるとはファン心理をよく理解している粋な計らいだ。曲はロック史に残る名リフから始まる代表曲『サティスファクション』。

躍動するミック。いるだけでカリスマなキース。楽しそうなロン。クールなチャーリー。

これが世界一のロックンロールバンド、ザ・ローリング・ストーンズだ!

そしてプロデューサーの平井“ファラオ”光です。






カフェも充実、メニューもストーンズ仕様

最高のライブの余韻に浸りながらそこを抜けるとその先はグッズ売り場にカフェ。ボーナストラック的空間。入場からここまですでに数時間、内容の充実っぷりにそこそこ長居してしまい疲れたので、カフェでひと休みして帰ることにしよう。ファラオさん35歳。ストーンズのメンバーの半分も生きていないのにストーンズのメンバーの半分も体力がないという情けなさ。ロックンロール!

ちなみにこちらのカフェ『RED SHOES』では今回のストーンズ展にちなんで、メニューにこのような遊び心が。

こういうの嫌いじゃない。

そして疲れた体にほっとひと息癒しを求める僕が頼んだのはアイスコーヒーとチーズ・リチャーズ。

多分この組み合わせは正しくない。

しかし目の前のモニターに映るストーンズ展の特別番組(Charさんや土屋アンナさんなどがトークしたりストーンズの曲をセッションしたり。いい番組!)を観ながら過ごすこの時間はとても癒された。

水タバコじゃねえよ。

そして飲みものを頼んだ人にはこちらのステキなコースターもついてくる。

ギター弾きはピックにしちゃえよ。

自分の目で見て楽しんでいただきたい

そんなわけで体力も回復しそろそろ帰ろうかと出口に向かったところ、来場者からミックへ向けたたくさんの励ましのメッセージが目に入ってきた。そう、実は最近ミックが心臓の手術のためにツアーを一部キャンセルしたというニュースが流れたのだ。

このレポートを書いている現在では手術は無事に成功し、ミックは回復へ向かっているとのことなのでとりあえずはひと安心。後は1日でも早い復帰を願うのみである。そんなミックの復帰を願うファンの人たちがここにメッセージを残しているというわけだ。

ストーンズのメンバーで、いや、同世代のミュージシャンのなかでもおそらくずば抜けて健康体のミックなのでそれほど心配はしていなかったが、僕もファンのひとりとして一応自分なりのメッセージを残してきた。まあ見たい人は会場に見に行ってね。目立とうとして思いっきり名前残してるから。まだあるかはわからないけど。

というわけでストーンズ展レポート、いかがだっただろうか。全体として言えることは、まるで時空を旅しているかのように各時代のストーンズを身近に感じられるということ。彼らの会話や息づかいまでも聞こえてきそうな空間につい時間が経つのを忘れてしまった。

この楽しさが少しでも伝わればいいなと思って今回がんばって書かせていただいたが、実際はもっとボリューミーで貴重な展示物もまだまだあるので、あとは自分の足で行って自分の目で見て楽しんでいただきたい。

ロックという20世紀が生んだ最大の文化の、その答えがここにある。

たかがロックンロール、けれどみんなそれが大好きだろう?

だろう?だろう?だろう?だろう?

Exhibitionism−ザ・ローリング・ストーンズ展

開催会場:TOC五反田メッセ(東京都品川区西五反田6-6-19)
開催日程:2019年3月15日(金)〜5月6日(月・振休)
開館時間:
・月〜金・土・祝前日/11:00〜20:00 ※最終入館 19:30まで
・日・祝日/11:00〜18:00 ※最終入館 17:30まで
入場料:
・一般/3,500円
・学生(中・高・大・専)/2,000円
※そのほか各種チケットはHPでチェック!
HP:https://stonesexhibitionism.jp/
Twitter/Facebook/Instagram:@trsejp #ストーンズ展で検索

平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)

ひらい“ふぁらお”ひかる●1984年3月21日生まれ、神奈川県出身。2008年に新道竜巳とのお笑いコンビ“馬鹿よ貴方は”を結成。数々のテレビ/ラジオ番組に出演するほか、『THEMANZAI2014』『M-1グランプリ2015』の決勝進出で大きな注目を集める。個人では俳優やナレーターとしても活躍。音楽・映画観賞や古代エジプト、恐竜やサンリオなど幅広い趣味を持つ。

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