篠田麻里子「怖かった」AKB卒業から6年「もう怖くない」…主演舞台「アンフェアな月」21日開幕

篠田麻里子「怖かった」AKB卒業から6年「もう怖くない」…主演舞台「アンフェアな月」21日開幕

結婚後の芸能活動について語った篠田麻里子(カメラ・頓所 美代子)

 女優の篠田麻里子(33)が主演する「舞台『アンフェアな月』第2弾〜刑事 雪平夏見シリーズ〜『殺してもいい命』」(サンシャイン劇場)が21日から幕を開ける(30日まで)。昨年上演された舞台の続編で「またやらせていただけるのは役者冥利だし、いい作品を目指す気持ちがあればチームもまとまる」と、座長への気負いもない。2013年にAKB48を卒業して約6年。すっかり女優業が板についてきたが「グループをやめた時が一番苦しかった」とも。今年2月に一般人と結婚して「役者として、考え方にも変化が出てきた」という。仕事からプライベートまで聞いた。(国分 敦)

 「アンフェアな月」は篠原涼子主演でヒットしたドラマ「アンフェア」の原作となった秦建日子(はた・たけひこ)さんの「推理小説」の続編となる作品だ。昨年、篠田が刑事・雪平夏見を演じ舞台化され、今回が第2弾となる。

 「去年やってみて、刑事ものを舞台でやる難しさを感じました。スピード感やスケール感だったり、映像ではズームでできる部分を舞台では動きでしか見せられないですから。苦労しましたが『もし続編があれば、その経験を生かしてやりたい』と話していました。まあ、反省することは数々ありましたが、生の演技で失敗できない緊張感を乗り越えた達成感もありました。『これを見たい』と思ってくれる人がいて第2弾ができるのは正直うれしいです」

 昨年、初めて座長を務めてチームをまとめることにも腐心したようだ。

 「座長のプレッシャー、ありました。みんなにご飯おごらなきゃというね。それは冗談ですけど『まとめていかなきゃ』とは思っていて、そのためには私ができていないと何も進まないので、本読みまでに自分の台詞(せりふ)は全部覚えて臨みました。今年は半分くらい覚えて稽古をやりつつ変えていこうかなと。その意味では心に余裕ができたかもしれません。座長といってもみんなに支えてもらった感じで、今年もみんな作品をより良くしようという気持ちが強いので心配してません。今年も全力で甘えます(笑い)。照明や映像、セットもバージョンアップしているので、そこも楽しみにしてください」

 ―今回、お笑い芸人の小島よしおが出演する。

 「小島さん初舞台ですよね。まだ稽古を一緒にやっていないんですが、本読みではものすごく役に入っていて、みなさんが知っている、あの小島さんではなかったですよ(笑い)。ご本人も『服着ているから分かんないでしょ』って言っていましたが、もしかしたら舞台では小島さんと気づかないかもしれないですよ」

 AKB48を卒業して6年弱。ドラマや舞台、映画で活躍しているが、卒業時は不安に襲われたそうだ。

 「精神的にきつかったのはAKBをやめたぐらいの時かな。グループにいればスケジュール決まって、毎日やることもあったんですが、卒業して休みが増えるとやることがなくなって『日常やることがないってことが一番つらい』って初めて気づきました。その中で何かをしなくちゃいけないけど、ゼロから何かつくるゼロイチの作業が一番難しいじゃないですか。私デビューから全力で走ってきたから立ち止まるのが怖かったし『第二の人生で何をしよう』って考える時間が一番つらかったですね」

 今年はドラマ「後妻業」でキャバ嬢を、「ミストレス〜女たちの秘密〜」ではレズビアンを演じるなど役柄にも幅が出てきた。

 「いろんな役やってますね。キャバ嬢では最大限に女性という“モノ”を使ったりしてね。レズビアンの役は何かをやるというより、そぎ落とす作業の方が大きかったかもしれないです。レズに見せようとするんじゃなくて『割と自然にいることで、そう見えるという方がリアルだよね』って監督と話をしました。役者って自分の人生で嫌なことがあっても、これをバネに使える良さがあると思います。たとえば人にふられたら、その悔しさだったり悲しさを思い出して『こういう時に使えるな』とか。日常感じたことを生かせるのは女優をやっていて楽しいです」

 ―「水戸黄門」へのレギュラー出演も決まった。

 「誰もが知っている国民的なドラマに出られるのはうれしいです。お風呂のシーンですか? 毎回入ってます(笑い)。ドライアイスのモクモクがふっと抜ける瞬間をずっと待って撮るんで、けっこう大変です。あと手拭いの所作でどう色気を出すかが難しいかな。でも時代劇はとても勉強になります。今、当たり前にあるモノがなかった時代の工夫とか考え方だったり、女性の生きづらさだったり。今がどれだけありがたいことかを日々感じます。これからも時代劇はなくなってほしくないですね」

 今年2月に結婚したが、演技や考え方に変化が出てきたのだろうか。

 「結婚するまでは自分のことしか考えてなかったので、家族ができて相手に対する思いやりとか、こういう人間もいるっていう理解度が上がってきたとは思います。AKB48時代も思いやりは持ってはいましたよ、でも周りは赤の他人じゃないですか。もし嫌な人がいたら『関わらなきゃいい』ってシャットダウンできますが、家族はそういうわけにはいかない。理解できない部分があったら、どう理解していこうかに変わっていく。人間として懐が深くなった感じがします」

 ―玄米婚、交際0日婚と報じられたが。

 「会って2週間でプロポーズされました。それこそ玄米は初対面の時に『僕、白いご飯食べないんです』って。『何食べてるの?』『玄米です』『珍しいですね』というやり取りがありましたが、その時(感情は)ピクリともきてないです。2回目にご飯食べた時も玄米の話で盛り上がって『今度2人でご飯行きましょう』と。それから毎日連絡が来て『話が合うね』みたいな…。で、2人だけでご飯行った帰りに向こうが『逃したくない』と言ってくれて。私も『確かに結婚の方が早くていいね』って思ったりしたので、そんな流れで結婚しようとなりました」

 今年は自身の結婚に加えてAKB48で仲の良かった高橋みなみが結婚、前田敦子が第1子を出産と、おめでたが続いている。

 「みんなそんな年頃ですね。あっちゃんでいうと14歳から一緒にいるんで、まだ中学生くらいかなの気持ちなんですが『もう母か』って…。家族のような仲間が母親になっていく過程を見られるのはすごく面白いですね。今度の舞台では母親役なので、その気持ちを知りたくてあっちゃんの子供を抱いたら『あー、母性本能出てくる』って感じしました。家族ができることも子供ができることも、守るモノができるだけで、今までは自分だけだったというベクトルは確実に変わりますね。私もいつかは人間を育ててみたいです」

 人気絶頂のアイドルグループを卒業し、もがきながら自らの道を拓(ひら)いてきた。苦労が血肉となり、さらに覚悟も強まってきたようだ。

 ◆“たかみな流”完璧主義に学んだ

 ―姉妹グループ・NGT48がトラブル続きだが。

 「イマイチ内容が分からないですけどね。大勢いると、どうしても仲がいいとか悪いとかはできますよ。でも、一つ言えるのは『東京ドームに行くぞ』とかの目標を持つのが大事かな。それに私って昔の考え方かもしれないけど、嫌われる先生がいた方がいいと思う。私たちのころは怖いマネジャーがいて『あの人嫌だよね』と言ったりしてメンバーがまとまったりしました。それか高橋みなみのように絶対的な人がいるとか。あの人は周りに何も言わせないために自分を完璧にしていました。その意味では私も舞台をやる時に台詞をすべて覚えていった。私が覚えていないと『やっていないじゃん』となって、チームもまとめられないでしょ。あれ、それって“たかみな”みたいですね。私、集団で生きるすべとかAKBで学んでいましたね(笑い)」

 ◆篠田 麻里子(しのだ・まりこ)1986年3月11日、福岡県生まれ。33歳。2005年にAKB48の劇場内カフェで勤務中に秋元康氏に見いだされ、06年チームAに抜てきされる。11年の選抜じゃんけん大会で優勝し、初のセンターポジションを獲得。13年7月にAKB48を卒業。「家族狩り」「脳にスマホが埋められた!」などドラマに加え、舞台「真田十勇士」や映画「リアル鬼ごっこ」「テラフォーマーズ」など多数に出演。現在「ミストレス〜女たちの秘密〜」(NHK)、「水戸黄門」(BS―TBS)に出演中。今年2月に一般人と結婚。身長168センチ、血液型A。