各テレビ局トップが次々と「遺憾の意」…闇営業問題、吉本興業の会見は一体いつ?

【吉本芸人らの闇営業問題】大崎洋会長はインタビューで謝罪 吉本興業の会見はいつ?

記事まとめ

  • 吉本興業所属の芸人らの闇営業問題を受けて、各TV局トップは定例会見で対応に言及
  • 日本テレビを除き、各局のトップと編成責任者は揃って「遺憾の意」を口にした
  • 吉本興業ホールディングスの大崎洋会長は共同通信社の単独インタビューで謝罪した

各テレビ局トップが次々と「遺憾の意」…闇営業問題、吉本興業の会見は一体いつ?

各テレビ局トップが次々と「遺憾の意」…闇営業問題、吉本興業の会見は一体いつ?

闇営業問題で吉本興業から謹慎処分を受けた宮迫博之(左)と田村亮

 7月第1週はNHKと民放各局のトップが5日間連続で定例会見を行う放送担当記者にとって多忙な1週間となった。

 忙しかったのには理由がある。6月上旬、写真誌「フライデー」の報道により、振り込め詐欺グループの忘年会に出席していたお笑いコンビ・雨上がり決死隊の宮迫博之(49)やロンドンブーツ1号2号の田村亮(47)ら吉本興業所属の芸人らが謹慎処分になった闇営業問題が勃発。各局トップのこの問題への思い、当該タレントの出演番組への緊急対応が会見で問われることになったのだ。

 まずは2日のテレビ朝日・亀山慶二新社長(60)の定例会見。6月の株主総会で社長・COO(最高執行責任者)就任が決定したばかりで今回が同局トップとしての初会見となった亀山氏。宮迫がMCを務める同局系「アメトーーク!」(木曜・後11時20分)と田村がMCの「ロンドンハーツ」(火曜・後11時20分)という人気番組2つを抱えるだけに今回、最も激震に見舞われたのが同局。この1週間、両者の出演シーンのカット、再編集など、緊急対応に追われ続けた。CMスポンサーも次々と放送を自粛。広告収入面でも打撃を受けた。

 35分間の会見の後半はこの問題一色。亀山社長はまず「視聴者の方々、番組を応援して下さっている皆様に大変、ご心配をかけることになりまして、誠に申し訳なく思っております」と頭を下げた。

 「当該出演者に関しましては今後の出演を見合わせることに致しました。収録済みの番組については当該出演者の出演部分をカットするなど、再編集して放送しております」と喫緊の対応を明かした上で「反社会的勢力との接触はあってはならないことであり、所属事務所には、改めてコンプライアンス(法令遵守)の徹底を求めているところでございます」と、タレント及び吉本への静かな怒りを表明した。

 「今後の番組について現状では打ち切り等は考えておりません。今後の状況を見ながら慎重に判断をしていきたいと思います」と淡々と答えた新社長。総合編成担当の西新取締役も「アメトーーク!」について「番組タイトルの変更は考えていません。MCはあくまで蛍原(徹)さん。企画によってはゲストの方の中から蛍原さんの隣に座っていただいて番組を進めていくことも考えています」とした。

 3日に定例会見を開いたTBS・佐々木卓社長(59)は「日頃から反社会的勢力に介入のスキを与えないよう気を付けることが大事」とまず発言。その上で「反社会的勢力の活動を助けることになってしまう出演者に関して、我が社ではそうした出演者の出演はあってはならないと思っています」と断言した。

 合田隆信編成局長は「吉本興業が詳細な調査を行った上での謹慎処分だと思っています。さらに我が社としての独自の調査、考えもあるので、それを加味して判断したいと思います。コンプライアンスは言わずもがなの了解事項。それを踏まえた上での判断となると思います」と答えた。宮迫が出演中の同局系「炎の体育会TV」(土曜・後7時)の今後について、合田氏は「番組は続行して参ります。宮迫さんの出演シーンはカットです」とした。

 4日に会見したテレビ東京・小孫茂社長(67)は「大変残念なこと。所属事務所の方で謹慎などの処分が下されています。反社会的勢力との接触については、2011年の民放連で指針を出している。我が社でも社内規定で厳しく禁じております」とした上で今回の問題について、「極めて遺憾に思っています。タレントさんの事務所の方には担当からコンプライアンスを徹底して欲しい旨、口頭ですが申し上げています。私ども自体もコンプライアンスの徹底が必要と思っていますし、グループ内でも徹底するよう伝えてあります。今回の闇営業騒動について、時間はかかると思いますが、終息していくよう願っています」と続けた。

 編成担当の井上康取締役は「吉本興業さんとも長くお付き合いさせていただいておりますが、今回、そうした信頼を損なうことがあったということで、コンプライアンスの徹底をお願いしたところです」と話した上で「いわゆる闇営業に携わった方に関しては未来永劫ということではないが、今のところ、放送に携わっていただく予定はありません」と言い切った。

 同日のNHK会長の定例会見で上田良一会長(70)は「NHKは公共放送として、とりわけ高い倫理性を求められています。犯罪行為を是認するような放送はしないということ」と、まず答えた。その上で「出演者を巡っては視聴者の不信、疑念を持たれることがあってはならない」と続けた。

 会見に同席した山内昌彦編成局計画管理部長も「NHKの番組作りの方針を所属事務所にも伝えました」とし、謹慎処分が明けた後の関連タレントの出演については「その段階で総合的に判断するとしか申し上げられないと思います」と答えた。

 田村がMCを務めるNHK―BS1「ラン×スマ」(水曜・後9時)の今後について、山内部長は「番組は継続します。出演者に関しては検討中です」とだけ答えた。放送継続の理由については「ランニングブームの走りの番組ですし、コアなファンがいらっしゃる。2020(東京五輪)に向けても健康作りの面からも、公共放送としてお伝えしていく必要があると考えました」と答えた。

 そして、しんがりは5日のフジテレビ。6月26日の株主総会及び取締役会でフジテレビの社長兼COOに就任したばかりの遠藤龍之介社長(63)にとって、初の定例会見だった。

 まず、「反社会的勢力との接触は極めて遺憾です。総合的に判断して放送の取りやめと該当タレントの出演を見合わせました」と遠藤社長は厳しい表情で返答。

 編成担当の石原隆取締役も「吉本興業からの報告を聞いて、当初は金銭の授受はなかったということでしたが、再度の調査で(授受が)あったということで謹慎処分となったということでした。すでに収録した番組については出演シーンのカット、これから収録の番組については(会合に)参加していたタレントさんの出演を見合わせています」と報告した。その上で吉本には「今後の再発防止をという要望を出しました。吉本からの説明、謝罪を受けた形です」と明かした。

 どうだろう。長時間に及んだ5局の闇営業問題に関するやり取りの全てを知って欲しくて、長々とリポートしてみた。

 今月、定例会見のなかった日本テレビを除き、各局のトップと編成責任者がそろって口にしたのが、今回の問題への「遺憾の意」。さらに当該タレントの映像カット、出演見合わせの動きを明かす口調には、この問題への怒り、反社会的勢力への嫌悪感があふれていたと、私は見てとった。

 一方で各局は吉本興業の大株主でもある。その数はフジ・メディア・ホールディングスが保有比率12・13%の6万株、日本テレビ、TBS、テレビ朝日が8・09%の4万株、テレビ東京が4・04%の2万株に上る。「フライデー」報道後の吉本の各局への説明はタレントの供給元としての説明、謝罪という意味だけではなく、大株主への説明責任を果たすものでもあったのだ。

 だが、待って欲しい。吉本が最初に懇切丁寧に経緯を説明し、謝罪すべき相手はテレビ局なのだろうか。各局が作る番組を通じて、吉本のタレントのファンになり、熱い声援を送る視聴者たちへの説明こそが、何よりも最初にされるべきではなかったのだろうか。

 確かに吉本興業ホールディングスの大崎洋会長(65)は6月28日、訪問先のタイ・バンコクで共同通信社の単独インタビューに答え、今回の問題について「本当に申し訳なく思うし、個人的にはじくじたる思いもある」と謝罪。再発防止に全力を尽くす思いを明かしている。

 同社の取材に大崎会長は「(会社を)非上場とし、反社会勢力の人たちには出て行ってもらった。関わった役員や先輩も追い出し、この10年やってきたつもり」と語ったとされる。その言葉の端々から6000人のタレントを抱える巨大アミューズメント企業のトップとしての悲しみ、痛み、そして謝罪の気持ちは確かに伝わってきた。

 しかし、共同通信がいかに広範な配信網を持つと言っても、あくまで一通信社。このコメントで説明責任を果たしたつもりになってもらっては困るのだ。

 この1週間、民放各局のトップは視聴者に謝罪し、当該タレントたちへの緊急対応を取り、吉本にコンプライアンスの徹底を求めた。さあ、次は吉本の番だ。

 1912年(明治45年)の創業以来、笑いを通して日本の国民にたくさんの幸せをもたらしてきた「世界のヨシモト」が、どうファンや視聴者のモヤモヤした気持ちをすっきりさせてくれるのか。私も、ずっと笑わせてもらってきた一ファンとして、会見の瞬間をじっと待ちたいと思う。そして、必ず取材に行く。(記者コラム・中村 健吾)