渡辺王将 藤井七段の挑戦にはならず「心の準備は出来ていました」

渡辺王将 藤井七段の挑戦にはならず「心の準備は出来ていました」

渡辺明王将

 将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(17)が19日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第69期王将戦挑決リーグ最終戦で広瀬章人竜王(32)に敗れ、史上最年少タイトル挑戦はならなかった。

 挑戦が実現していれば、来年1月からの7番勝負で迎え撃つ立場だった渡辺明王将(35)=棋王、棋聖=は藤井七段の対局当時、別の対局室で第5期叡王戦本戦の野月浩貴八段(46)戦を戦っていたため、結果は知らず。同局に勝利した後、午後11時近くになってから伝え聞いた。

 報道陣の取材に対し「藤井君が来るかどうかは…皆さんもそうでしょうけど、自分も注目していたので。あと1勝でしたし、心の準備は出来ていました。ちょっと先に伸びたかなという感じです」と心境を語った。「やりがいのある勝負になると思っていたので、自分が良いコンディションの時に迎え撃つことの出来る巡り合わせに感謝しようとは思っていたけど、先に伸びたので、今の良い状態を長く維持して来たる時を待ちたい」

 激闘の末の決着だったと知ると「結果だけ聞くのはもったいない将棋だったんでしょうね」。ただ、リーグ全体を通しての印象として「圧巻の内容でしたね。勝った将棋はほとんど圧勝でしたし、あのメンバーで4勝1敗で最終局を迎えられること自体がなかなか出来ないことなので」と力を認めた。

 自らは2003年、19歳の時に王座戦でタイトル初挑戦。羽生善治王座(当時)を2勝3敗と追い詰めて話題になった。「あの時、羽生さんは33歳だったので、今度は完全に逆の立場になるなと感じていました。いずれにせよ、初めてのタイトル戦になれば注目される舞台になります。良いコンディションで迎え撃ちたいですね」

 今後、藤井七段が最短で初の大舞台に登場する可能性があるのは、自らがタイトルを持つ来春の棋聖戦。渡辺らしく「半年以上先ですから、自分がどこまで今の状態を維持できるか分かりませんからね」と冷静に見据えていた。