梅宮辰夫さん、急逝 81歳、がん6度経験から慢性腎不全 年賀状準備「元気な姿を見せるから」

梅宮辰夫さん、急逝 81歳、がん6度経験から慢性腎不全 年賀状準備「元気な姿を見せるから」

記者会見で笑顔を見せる梅宮辰夫さん(2017年1月撮影)

 映画「不良番長シリーズ」「仁義なき戦い」などに出演した俳優の梅宮辰夫(うめみや・たつお、本名・辰雄)さんが12日午前7時40分、慢性腎不全のため神奈川県内の病院で死去した。81歳だった。1958年に芸能界入りして映画、ドラマなどで活躍。料理好きとしても知られた。90年代は長女のタレント・梅宮アンナ(47)の交際に反対するなどして注目された。がんを6度経験。闘病しながら生涯現役を貫いた。葬儀は近親者のみで行い、後日、お別れの会を行う。

 昭和の映画スターとして一時代を築き、多くの名作に出演した梅宮さんが突然逝った。所属事務所によると妻のクラウディアさん(75)が午前3時頃、様子がおかしいことに気づき、神奈川県内の病院に救急搬送。集中治療室に入り、妻と都内から駆けつけたアンナ、孫の百々果さん(17)に見守られて息を引き取った。家族は号泣しながら見送ったという。

 アンナはその後、気丈に仕事をこなし、夜に梅宮さんの遺体がある都内の葬儀会社に駆けつけた。水曜日コメンテーターとして出演するTOKYO MXの情報バラエティー番組「バラいろダンディ」にコメントを寄せ「梅宮辰夫を最期まで愛してくれてありがとうございます」とつづった。深夜にはブログを更新し「この数年は、病との闘いでした。家族みんなで、日々最善を尽くす毎日でした」と回顧。「気持ちに整理が出来ましたら、この壮絶だった日々について(マスコミの)インタビューを受けようと思います」とつづった。

 梅宮さんは今年1月から腎臓の働きが弱ったため、自宅近くの医療機関で1日おきに4時間の人工透析を受ける生活を送っていた。前日(11日)も朝9時から普段通り透析を受けた。ここ最近も受け答えなどに変わった様子はなく、「久米島に行きたいな」と大好きな沖縄旅行を楽しみにしていたという。俳優として最後の仕事は10月17日、テレ朝系ドラマ「やすらぎの刻(とき)〜道」(月〜金曜・後0時30分)の収録だった。

 梅宮さんは日大在学中に銀座でスカウトされ、58年に東映ニューフェイス5期生に合格。73年にスタートした映画「仁義なき戦い」シリーズで人気を獲得。甘いマスクに鋭い眼光、迫力あるアクションで魅了した。転機は倉本聰氏(84)が企画して脚本も手掛けた日テレ系ドラマ「前略おふくろ様」(75年)。それまでヤクザ役が多かったが、熟練の板前役を好演したことで役柄の幅を広げた。今年3月に亡くなった萩原健一さん(享年68)とは名コンビで人気を博した。

 高校ラグビーを描いた84年スタートのTBS系ドラマ「スクール☆ウォーズ〜泣き虫先生の7年戦争〜」では中華料理店の店主を好演。和田アキ子(69)と夫婦役を演じ、ラグビー部員から兄貴分として慕われる役どころだった。今年、ラグビーW杯日本大会が行われ、かつての名作は再び脚光を浴びたばかりだった。

 マルチタレントとしても活躍。料理番組「くいしん坊!万才」で各地を巡って舌鼓を打ち、松方弘樹さん(享年74)と豪快な釣りを楽しむ姿はおおらかで「辰っちゃん」「辰兄(たつにい)」と呼ばれ親しまれた。

 私生活では6度のがんなど病気と闘いながら、何度も復活を遂げた。74年に睾丸がんとなり、それが肺に転移して肺がんに。それから2か月に1度の健康診断を継続的に受診して体調管理を徹底した。30年ほど大病がなかったが、12年に胃がんと診断され、内視鏡手術で処置。19年には尿管がんで左腎臓とともに摘出した。

 最後まで生涯現役にこだわった。20日には俳優人生を振り返る著書「不良役者」(双葉社)を発売予定だった。自宅では来年正月に送る年賀状の準備を進め、友人や関係者向けに「元気な姿を見せるから」と書き込んでいた。

 ◆梅宮 辰夫(うめみや・たつお)1938年3月11日、旧満州(現中国東北部)生まれ。59年に「少年探偵団 敵は原子力潜航艇」で映画主演デビュー。62年に「母恋やくざ」で歌手ビュー。東映ヤクザ映画のエースとして期待され、68年からスタートした「不良番長シリーズ」「仁義なき戦い」(73年)などに出演。75年の日テレ系ドラマ「前略おふくろ様」でテレビに本格進出。家族は妻・クラウディアさん、長女・アンナ。身長174センチ。

 ◆慢性腎不全 腎臓機能が低下し、腎臓のろ過能力が正常時の30%以下となった状態を指す。腎機能の回復は見込めず、一生付き合っていかなければならない病気。多くは腎臓のろ過能力が15%未満の末期腎不全へと進行し、生命に危機をもたらす。最終的には透析や腎移植する必要が出てくる。

 ◆梅宮さんの6度のがん闘病

 ▼74年

 睾丸がん 初期に発見。摘出手術も肺に転移

 肺がん 初期。抗がん剤などの化学療法

 ▼12年

 胃がん 初期。内視鏡手術

 ▼16年

 十二指腸乳頭部がん 初期。胆のうとともに全摘出手術、すい臓や胃の一部も摘出

 ▼18年

 前立腺がん 初期。手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」による摘出手術

 ▼19年

 尿管がん 初期。左腎臓とともに摘出手術