坂本龍一、直腸がん公表「これからは『がんと生きる』。もう少しだけ音楽を作りたい」14年にも中咽頭がん

直腸がんであることを発表した坂本龍一

 音楽家の坂本龍一(69)が21日、直腸がんを患っていると発表した。ステージなどの詳細は明らかにしていないが、所属レコード会社によると昨年に自覚症状などの異変を訴え、検査の結果、がんが見つかった。今月中旬に都内の病院で手術を受け、現在は入院加療中。14年にも中咽頭がんを患い、15年に映画音楽で復帰するまで約1年の闘病生活を送っていた。

 “教授”は公式サイトに掲載した直筆サイン入りの文書で、無念の心境をにじませた。「2014年に罹患(りかん)した中咽頭がんは6年を経て寛解し安堵(あんど)していましたが、残念ながら、新たに直腸がんがみつかりました」と報告した。

 中咽頭がんが見つかる前から人一倍、健康には気を使っていた。肉食から菜食中心へ食生活の改善、免疫力アップを心がけた生活を送っていた。再び自身に降りかかった病魔に「大いに落胆しました」と吐露した一方、「すばらしい先生方との出会いもあり、無事手術を終えて現在は治療に励んでいます」と前を向いた。医療崩壊も叫ばれるコロナ禍において「医療機関、医療従事者、関係者のみなさまのご苦労が多いなか、真摯(しんし)に患者と向き合う姿勢にはただただ頭が下がるばかりです」と感謝の思いもつづった。

 今月17日には69歳の誕生日を迎えた。約1か月前の昨年12月12日には、配信で7年ぶりとなるピアノコンサートも開催していた。今後について「このような事情のうえコロナ禍もあり、長距離の移動がともなう仕事は困難になりますが、治療を受けながら出来る範囲で仕事を続けていくつもりです」と創作意欲をみなぎらせた。

 3月30日にはCDボックス「2020S」の発売、3月5日から8月8日まで中国・北京で展覧会が開催予定。「これからは『がんと生きる』ことになります。もう少しだけ音楽を作りたいと思っていますので、みなさまに見守っていただけたら」。音楽への情熱は絶やすことなく、病魔と向き合っていく。

 ◆坂本 龍一(さかもと・りゅういち)1952年1月17日、東京都生まれ。69歳。76年に東京芸大の大学院を修了。78年10月ソロデビュー。細野晴臣、高橋幸宏と3人組・YMOで同11月にデビュー。83年に映画「戦場のメリークリスマス」で俳優としても注目を集めたほかテーマ曲がヒット。88年に映画「ラストエンペラー」で米アカデミー作曲賞など受賞。99年発表のピアノ曲「Energy Flow」は100万枚を売り上げ、インストゥルメンタル曲(歌なし)として史上初オリコン1位に。

 ◆直腸がん 大腸の最も肛門に近い部位である直腸にできるがん。国立がんセンターのホームページによると、やや男性に多い傾向にあり、30代前半から増加して、高齢になるほど罹患率は高くなる。早期の段階では症状はないが、進行すると血便や下血、便通異常などがみられる。内視鏡手術のみで完治する場合もあるが、がんの進行度によって切除手術、薬物療法、放射線治療なども組み合わせた治療が行われる。手術で直腸と肛門を切除した場合には人工肛門(ストーマ)を作ることがある。

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