「ルール?展」のユニークな試み 日常に潜む“ルール”の影響力を考える

朝起きてから夜眠るまで、私たちはさまざまなルールを守り、時にはみ出しながら暮らしている。法律からゴミの出し方、家族間の暗黙の了解まで、日常には目に見えないルールが張り巡らされているからだ。

日常を支配する!? 「ルール」とは何者なのか。


街中で個人はどこまで自由に振る舞える? ジェンダーの多様性が謳われる中、あらゆる形の“親密な関係”をフォローする婚姻制度とは? ルールは常に多数派のもの? 少数派の声はどこへ?

本展で紹介されるパフォーマンスやドキュメンタリーの視点はどれもユニーク。そこで問いかけられる「?」は、日常に潜むルールの存在をくっきりと浮かび上がらせる。

会場では「鑑賞にあたってのルール」を来場者に課すという試みも。例えば「あらゆる線をふんではならない」の場合、鑑賞中も床の線や部屋の区切りが気になり、私たちの行動に強い影響を及ぼすルールの力を実感させられてしまう。

ディレクターを務めるのは水野祐(法律家)、菅俊一(コグニティブ・デザイナー)、田中みゆき(キュレーター)ら3氏。「ルールは創造力の踏み台」というのは菅氏の言葉。それを縛りとみなすか、その向こうに可能性を見出すかで、ルールが張り巡らされた日常も、別の顔を見せてくれるかもしれない。

NPO法人スウィング「京都人力交通案内『アナタの行き先、教えます。』」(撮影:成田 舞)


難解複雑な京都市バスの路線図を丸暗記しているQ氏とXL氏、そして仲介役の木ノ戸昌幸氏が加わって、どのバスに乗ればよいか悩む観光客を案内している。自発的にNon-Profitの立場で行う活動は、行政の管轄の狭間、グレーゾーンにこそ成立する。

ダニエル・ヴェッツェル(リミニ・プロトコル) 田中みゆき 小林恵吾(K2LAB)×植村 遥 萩原俊矢×N Sketch Inc.「あなたでなければ、誰が」(参考画像「100%トーキョー」/撮影:Yohta Kataoka)


ドキュメンタリー的な手法を舞台上で用い、世界的な評価を受けるダニエル・ヴェッツェルが参加する本作は、来場者が統計のサンプルになる体験型展示。何気ない選択が、社会のルール作りに関わる可能性に気づかされる作品に。

佐々木 隼(オインクゲームズ)「鑑賞のルール」(参考画像)


会場内での振る舞いを「ルール」として設定。守っても破っても、改変も自由。同じ空間で同じルールを共有するとき、そこには「社会」の片鱗が。

遠藤麻衣「アイ・アム・ノット・フェミニスト!2017/2021」(参考画像/撮影:藤川琢史、宮澤 響)


俳優、美術家の遠藤麻衣が写真家の森栄喜と「婚姻制度」を問う。ジェンダーのアイデンティティの自由と社会制度の両立を探る。

ルール?展 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2 東京都港区赤坂9−7−6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン内 7月2日(金)〜11月28日(日)11時〜17時(土・日・祝日は〜18時。入場は閉館の30分前まで) 火曜休(11月23日は開館) 一般1200円ほか TEL:03・3475・2121

※『anan』2021年7月7日号より。文・松本あかね

(by anan編集部)

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