『有吉の壁』はベテラン勢も緊張!? とにかく明るい安村&タイムマシーン3号が激白

ベテラン勢の活躍も見逃せない、バラエティ番組『有吉の壁』。一芸で一世風靡した芸人も、「客ウケNo.1」の芸人も、MC有吉弘行さんの前では必死に笑いを模索し、応戦するように有吉さんは厳しく「」「×」 を出す。そんな泥くささで番組の魅力に奥行きを作っている、とにかく明るい安村さん、タイムマシーン3号さんに、その本音を聞きました。

とにかく明るい安村


特番1回目から、週1のレギュラーになって以降も出演を続けている、とにかく明るい安村さん。MCの有吉さんを笑わせるため、頭を刈ったりする体の張りっぷりなど、本気で体当たりするそのスタイルが、番組の人気や視聴者の好感度を押し上げた。そしてついたあだ名は「Mr.壁」。

――『有吉の壁』が始まって以来、注目され続けている心境は?

安村:(照れながら)いやぁ〜本当にありがたいですね。特番が始まった当時は3〜4か月に一回の収録だったんですが、スケジュールに『有吉の壁』って入ると、「来たか…」という感じで緊張がすごくて。やっぱりウケたいっているのが大前提にあるけど、有吉さんのジャッジはかなり厳しくて、生半可なネタではウケないですから。手を抜こうなんて気はまったくないけど、前にこれでウケたから…みたいな意識が自分でも気づかないぐらいの感覚で残っていたりすると、一瞬で見抜かれます。

――そこに挑戦し続ける安村さんの精神はすごいと思います。

安村:こんなにお笑いに徹した番組はないですから、もちろん全力です。ただ毎回、自分の実力のなさを痛感します。たとえば以前までは、いつか自分の番組を持ってMCをやりたいとか思っていたんですけど、勘違いしてるなって。

――「ブレイク芸人」にピンで出続けているのも、自分に課したハードルなのでしょうか。

安村:実はあのコーナーは、ウケたら自分の本ネタにしたいと思ってて(笑)。だから普通に、その後の営業や劇場でやってます。

――『壁』でウケたら安心ですね。

安村:それがなかなか難しい。有吉さんや(佐藤)栞里ちゃん、ガヤ芸人たちにウケるのってやっぱりサポートやアシストがあってこそだったりもするんです。でも劇場に来るお客さんは、当たり前だけど誰もサポートしてくれないですから。別の意味で厳しい。

――Hulu配信のエンディングネタはなぜ生まれたんですか?

安村:特番時代にスカイツリーでロケした時、最後にネタをやろうと思っていた場所が平野ノラちゃんとかぶって、お蔵入りになったんです。でもその格好のままいたら有吉さんが「そのネタ見てないけどなんなの?」って(笑)。それでエンディングに1ネタというのが今でも定番みたいになってます。これも有吉さんのおかげです。

――毎週ネタを準備するのは相当ハードなんじゃないですか。

安村:四六時中『壁』のこと考えています。ネタはトイレで大をする時かお風呂で考えるのがルーティンなのですが、スベり続けてた時に、有吉さんから「一回机に向かって考えてみろ」って言われました。やってみたんだけど、やっぱりダメでしたね。リラックス状態じゃないと思いつかない(笑)。

――出演で変わったことは?

安村:関係者から一般の方まで「『壁』見てます」と言ってくれます。子供からのファンレターには「有吉さん出して」って。俺宛てなんだけどね!(笑)

とにかく明るい安村 39歳、北海道出身。’15年『R‐1ぐらんぷり』決勝戦進出。「安心してください、穿いてますよ」のネタでブレイク。『有吉の壁』レギュラー。番組公式のYouTubeでもコーナーを持つ。

タイムマシーン3号


有吉さんに頼られるベテランにとっても、『壁』は新しいお笑いの扉を開かざるをえない場だという。

――番組出演の反響は?

山本浩司:僕らはCMが来たとかわかりやすい反応はないですけど(笑)、ネットを見ると知名度は上がってる実感がありますし、確実に芸人寿命を延命してもらってますね。

関太:この間、小学生に見つかって10人も引き連れて歩く事態に(笑)。

――新世代を含め、広い層に番組が人気なのはなぜでしょう?

山本:ネタがポンポン入れ替わるのがすごく今っぽいですよね。いい意味で、腹八分目で見られる。

関:とにかく芸人がみんな笑ってるのもいいのかも。

山本:スベっても悲壮感が出ない。それはもう、有吉さんの受け手としての懐の深さのおかげ。有吉さんの拾い方って一本槍じゃないんですよ。潰す笑いでもなく、あえて拾わず、合気道のように受け流すこともある。どんなネタも笑いに昇華してくれるんです。

――特にお二人は、「×」をもらう流れ込みで面白いです。

山本:全部「」をもらう前提でやってるんですけどね!(笑)

関:後輩がウケたらやっぱり悔しいし。芸人の中でネタをやるので小手先ではできない緊張感があって、ふんどしを締め直しています。

山本:今まではネタやってウケて、その一辺しか見えなくてお笑いサイボーグと言われてきた僕らが、「×」をもらうことで人間味が出てきたとよく言われるんですけど、根っこの部分や多面的な個性も見てもらえてるのかもしれないですね。実際は本当に落ち込むので…、(佐藤)栞里ちゃんに救われています(笑)。

――得意なコーナーは?

関:ないです!(笑) 特に、僕らは「ブレイク芸人」が苦手。作るキャラが全部おじさんくさくなっちゃって、リズムも盆踊りみたいに…。「カベデミー」は、体験したことのない笑いですね。息を止めて深海に潜っていくみたいに、どんどん苦しくなっていくんです。

山本:10分同じ絡みを続けた1分後に、いきなり面白くなったり。

関:ジャズの神プレイが生まれる瞬間ってあんな感じなのかも。

――有吉さんから掛けられた言葉で印象的だったのは?

山本:特番からレギュラーになる時に事務所のみんなでごはんに行って、「頼むな」「頑張らせてもらいます」と話したのを覚えてます。

関:シンプルだけど、普段そういうことを言わない方だからこそ、その一言が重たかったです。

――信頼関係がありますね。共演者に先輩として意識することは?

山本:上下という感覚はないんですよ。ネタだと完全にコンビだけの世界で、何なら他の人がスベるとラッキーとか思っちゃう。でも『壁』で、みんなで作る意識が強くなりました。誰かがウケたら全員で「やったー!」ってはしゃぐし、パスを回し合って番組全体を盛り上げようとするんです。

関:コラボすることでお笑いの形が変わっていくのも新鮮です。新しい芸人もどんどん番組に来ますし、必死に頑張らないと!

タイムマシーン3号 2000年結成。右・関太(42)と左・山本浩司(42)による同級生コンビ。『M‐1グランプリ』や『キングオブコント』で決勝に進出している実力派。テレビやラジオでのレギュラー多数。

『有吉の壁』 毎週水曜19時〜19時56分放送(日本テレビ系)

※『anan』2021年8月4日号より。写真・小笠原真紀 取材、文・若山あや 小泉咲子

(by anan編集部)

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