木村達成&小野賢章 韓国でヒットの“切り裂きジャック”モチーフの舞台に挑む

19世紀末のロンドンで実際に起きた、娼婦たちを標的にした連続猟奇殺人事件。いわゆる“切り裂きジャック”をモチーフに、韓国で大ヒットしたミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』。事件を追う刑事のアンダーソン(加藤和樹・松下優也/Wキャスト)の元に、犯人の情報を提供してくるアメリカ人外科医のダニエル。物語の軸を担うダニエルを演じるのが、近年ミュージカルを中心に活躍する木村達成さんと、ハリー・ポッターの吹き替えなど声優としても人気の小野賢章さん。

小野賢章:これまでミュージカル歴はそんなにないんですけれど、お話をいただいて、ダニエルという役にすごくやり甲斐を感じたんですよね。

木村達成:僕も同じです。ダニエルに限らず、アンダーソンやモンロー…魅力的な登場人物が多くて、面白い作品だなと思いました。

小野:ただダニエルは、些細なことで気持ちが大きく動く役なので、そこについていけるような気持ちの持ち方が難しくて、稽古しながら苦労しているところ。でも、歌詞ではとんでもないことを言っていながらも、メロディと言葉の運びで歌っていて気持ちいい瞬間はあって。すごく辛い場面でも…いや、辛いか(笑)。

木村:(笑)。あとこの作品は、すごく時間の変化が多いんだよね。7年前に遡ったと思ったら1か月前に飛んだり、いろんな時間を行き来しながら話が展開していくので、そこを演じ分けていくのが難しい。

小野:ただでさえ複雑な役だから、一瞬も気を抜けないというか。ただ、彼の行動ってすべて真面目さとまっすぐな愛ゆえのものではあって…。

木村:ダニエルを演じる上での課題は“ピュア”だと思う。まさに賢章くんがすっごい素直なお芝居をするから、見てて正直、羨ましいよ。

小野:僕は、稽古場で達成が先に演じてくれていて、そこに助けられているなって思ってるよ。そこまで舞台経験が多くない自分としては、それを見て、じゃあこうしてみようって考えられるからありがたくて。

木村:じつは、今回みたいに日本初演で、作品にまだ色付けもされていないっていう状況が楽しくて仕方ないんだよね。これまで出演したミュージカルはすでに立ち位置や動きが決まっているものが多かったから、どう動いてもいいよって言われるのがモチベーションにもなってて。

小野:まだそこを楽しめるまでには至ってないな…。

木村:僕はミュージカルに挑戦させていただくようになって、以前より自分を解放できるようになった気がしていて…。だからどんなにキツくても、なにクソって頑張れるし。

小野:もともとお芝居がすごく好きで、声優に限らずいろいろ経験したくて、今こうして舞台をやらせていただいているんだけど、役を演じるという意味では同じなんだなと思ってる。ただ、見せ方が違うから…。

木村:悩んだり迷ったりしたら、演出の白井(晃)さんに聞けばいいよ。

小野:白井さんとは今回が初だけど、本当に稽古が好きな方なんだろうなって感じだよね。あと、ここは魅せる場面、ここは芝居をきちんと見せる場面っていうバランス感覚が、とても優れた方なんだろうなと思う。

木村:あと奥行きや立体感を見せたりする空間の使い方も素晴らしいんだよね。この芝居がこういう捉え方だから、こう空間を使ったほうが面白くなるよって具体的に演出してくださる。さらに稽古が進めばもっと面白くなるはずだし、僕も白井さんの想像の上を行くお芝居をして「それいいですね」と言われたいなと。

小野:この作品は、些細な引き金が大きな悲劇を生む物語。もしかしたら自分も…って思ってもらえるようなリアルを追求していけたら。

木村:探偵になった気持ちで、事件の行方に集中してほしいよね。

きむら・たつなり(写真右) 1993年12月8日生まれ、東京都出身。’12年にデビュー。近年は『プロデューサーズ』などの大作ミュージカルにも出演しているほか、大河ドラマ『青天を衝け』など映像作品でも活躍している。ニット¥135,300 トラウザーズ¥78,100 シューズ¥89,100(以上Ermenegildo Zegna/ゼニア カスタマーサービス TEL:03・5114・5300)

おの・けんしょう(写真左) 1989年10月5日生まれ、福岡県出身。子役を経て、映画『ハリー・ポッター』シリーズでハリー・ポッターの日本語吹き替えを担当。現在、声優のほか、歌手、舞台や映像で俳優としても活動。ニット¥49,500(COOHEM/YONETOMI SENI TEL:023・664・8166) シューズ¥78,100(JOSEPH CHEANEY/BRITISH MADE 銀座店 TEL:03・6263・9955)

ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』 “ジャック・ザ・リッパー”と呼ばれる殺人鬼を追う刑事のアンダーソン(加藤/松下)。彼の前に現れた外科医・ダニエル(木村/小野)が「犯人を知っている」と告発したことから、警察はおとり捜査を計画するが…。9月9日(木)〜29日(水) 日比谷・日生劇場 作曲/Vaso Patejdl 作詞/Eduard Krecmar 脚本/Ivan Hejna 演出/白井晃 出演/木村達成・小野賢章(Wキャスト)、加藤和樹・松下優也(Wキャスト)、加藤和樹・堂珍嘉邦(Wキャスト)、May’n、エリアンナ、田代万里生ほか S席1万3500円 A席9000円 B席4500円ほか ホリプロチケットセンター TEL:03・3490・4949  大阪公演あり

※『anan』2021年9月15日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・部坂尚吾(江東衣裳) ヘア&メイク・齊藤沙織(木村さん) 齋藤将志(小野さん) 取材、文・望月リサ 撮影協力・KITEN TOKYO

(by anan編集部)

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