OKAMOTO’S「この10年いろんなところに立ってきたことが僕らの自慢」

骨太なロックを奏でるOKAMOTO’S。オリジナルアルバムとしては2年8か月ぶりに、ニューアルバム『KNO WHERE』を発表する。フジロックのトップバッターを務めたことも記憶に新しい。

――このインタビューの1週間前のフジロックはいかがでしたか?

オカモトショウ(以下、ショウ・Vo.):フジロックのグリーンステージのトップバッターって、一生に一度のこと。それだけの大舞台を、俺たちに依頼してくれたことが、純粋に光栄でしたね。

オカモトコウキ(以下、コウキ・Gt.):昔のイメージで止まっている人が結構いるから、会場や中継でOKAMOTO’Sを見た人の記憶を更新できたらいいなと。自分たち的にも、いつも今が一番いいと思ってるんで。

ハマ・オカモト(以下、ハマ・Ba.):「グリーンステージは信じられないほどデカい」と刷り込まれてきたけど、いざ立ってみてビビっちゃうということは全然なくて。それは、武道館を含めて、この10年いろんなところに立ってきたことが僕らの自慢でもあり、その月日があったからこそ、初グリーンも気負わず、楽しくできましたね。

オカモトレイジ(以下、レイジ・Dr.):すげえいい意味で、フジロックに対して、深い思い入れがないことがよかったんだと思う。

――わりと淡々と受け止めていらっしゃるんですね。

ハマ:もちろん、今年のトップバッターは、この状況からすれば意味のあることなんですけど、「こう思ったのでこうしました」と想いを明言しても、誰も平和になれない世の中なので、自然と言葉にすることを避けているのかもしれませんね。うちは民主主義だから、一人でも「NO」なら出なかったけど、「出るっしょ」で4人が一致したから出ることを選び、演奏した。それがすべての答えです。

――フジロックでも収録曲を披露したニューアルバム『KNO WHERE』は、バンドにとってどんな意味を持っていますか?

ショウ:大事な10周年後の最初の一歩をついに、このアルバムで踏み出せますね。’19年のデビュー10周年で、初武道館とかモニュメンタルなことがあったんですけど、あれよあれよとコロナになって。その間も、連続配信リリースをしたり、ベスト盤を出したりはしてたんですけど、『KNO WHERE』は過去最大のボリュームだし、いろいろ挑戦もしています。

コウキ:アルバムの話が具体的になる前から作っていた曲も入っていて。締め切りのこととか全部取っ払って作ったのは、デビューしてからほぼ初めてなんですよ。バンドを始めたての頃のような無邪気な動機で作れたんで、すごく楽しかったですね。

――ほとんどの曲で、編曲のクレジットがバンド名の中、ハマさんとレイジさんのお名前が1曲ずつ入っていますね。

ハマ:「For You」については、ショウから客観的な意見が欲しいと言われて、骨組みを作る段階から、意見を言わせてもらいました。一番は、ショウの歌をワンコーラス聴かせた後にバンドインにとか、コーラスはここでとか、どこで何を入れるかですね。

レイジ:俺は、「You Don’t Want It」は、編曲次第でさらによくなると思ったんで、「いじらせてくれないか」と立候補して、’00年代っぽい感じだった原曲を’80年代っぽくしました。

コウキ:2曲とも、僕とショウの二人だけだったら思いつかないアレンジになって、よかったですね。

――アルバム制作中の思い出は?

コウキ:…あっ、おいしいそば屋さんを発見したんですよ!

ハマ:そこのかつ丼が旨くて、出前で流行ったよね。何日も籠もるから、手を替え品を替えって感じだけど、あのかつ丼の登場は新鮮で、連続して頼んだ。

コウキ:かつ重とかつ丼はどう違うのかなと思ったら、お重か丼かだけの差だったという(笑)。

ハマ:スタジオ自体が、デビューの頃からコンスタントに使ってきた思い入れの深い場所でもあって。

コウキ:レコーディングスタジオが減っている中、俺らみたいなバンドにとって一つの部屋で「せ〜の!」で録れる環境は、すごく貴重だし、大事にしていきたい。

レイジ:スタジオには初代プレステがあって、近所のブックオフで大量のソフトを買い込んでみんなでやったな〜。珍しく今回はやらなかったけどね。

ハマ:いや、俺はサスペンスゲームやってた。

ショウ:ハマは、一番ゲームが上手い。初めてでもすぐ習得する。

ハマ:コウキさんは、幼少期家庭用ゲーム機で遊ばないスタイルで生きてらっしゃって、人生初の桃鉄はあのスタジオですよね。

コウキ:そう。子どもの頃の反動で、今、マリオカートや桃鉄へののめり込み方が、ハンパない。

ハマ:30過ぎて、ある程度お金を持っていて、ゲームが楽しくて仕方がないって、一番ヤバいよね。

――(笑)。行き詰まったり悩んだ時に向かう場所はありますか?

ショウ:俺はないですね。欲しいですけど。

ハマ:俺もないかな。思い悩むということが感覚的にない。でも、コロナになってから台所に立つ時間は増えましたね。皿を洗ったり、ネギをいっぱい切ったり。もしストレスがあるんだとしたら、そういう無心になれることで、ナシにしているのかもしれない。

レイジ:俺は友達と会って、銭湯とかに行く。部屋でひとり、う〜んとなってる空気を変えたいから。

コウキ:俺は楽器屋さんに行く。

ハマ:それで100万円のギターを試奏しないで買っちゃうんでしょ。「コレとコレ、そっちのもよろしく〜」って。ananなんだし、そのくらいカッコいいこと言っておいたほうがいいよ。

コウキ:…散財してます!

オカモトズ 2010年、アルバム『10’S』でメジャーデビュー。メンバーは、1枚目写真右から、オカモトレイジ(Dr.)、オカモトショウ(Vo.)、オカモトコウキ(Gt.)、ハマ・オカモト(Ba.)。全員、東京都出身で中学からの同級生。バンド名や名字は岡本太郎に由来。’19年、初の日本武道館公演を成功させる。

今年1月より、「Young Japanese」「Complication」「M」「Band Music」「Picasso」と連続して新曲を発表。9月29日、それらを含む9枚目のオリジナルアルバム『KNO WHERE』をリリース。10月からは、アルバム名を冠したツアーがスタートし、全国16か所を回る。

※『anan』2021年9月29日号より。写真・五十嵐一晴 ヘア&メイク・吉田太郎(W) インタビュー、文・小泉咲子

(by anan編集部)

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