音楽界はボーイズグループが百花繚乱!? 2022年、要注目のアーティストたち

3人の音楽賢者が大予測。2022年の音楽シーンは、このアーティストに注目!

ツールやメッセージなど発信力が台頭のカギに。


時代のアイコンとなりうる新しい才能が次々登場する音楽シーン。

「近年では、2020年に史上最年少でグラミー賞主要4部門を制覇したビリー・アイリッシュが象徴的ですが、彼女の成功により、自宅で録音した自作曲をネットで発表し、注目されるというスタイルが、ポップマーケットで幅広く支持を得るうえでの道筋として確立されたように思います。今、20歳前後の宅録系アーティストが世界的に増えていて、なかでも女性の台頭が目覚ましい」(音楽ジャーナリスト・高橋芳朗さん)

また、音楽市場世界1位のアメリカで、最も売れているジャンルとしてトレンドを牽引しているヒップホップは、“多様性”を一つのキーワードにネクストレベルへ。

「ヒップホップは常に形を変えることで進化してきましたが、かつてはマッチョだったカルチャーも、今は多様性が意識されるように。とくにカーディ・B、メーガン・ジー・スタリオンといった女性ラッパーの発信力が強く、彼女たちに次ぐ勢いある若手もたくさん出てきています」(ヒップホップDJ・DJ YANATAKEさん)

一方、J‐POPはオーディション番組の盛況などもあり、ボーイズグループが百花繚乱。

「今どきはSNSでのファンダムの盛り上がりが、テレビなど大手メディアを動かすような状況に。実力+彼らの背後にあるストーリー性がブレイクの指標です」(音楽ライター・坂井彩花さん)

卓越したセルフプロデュース。才能溢れる宅録系シンガー。


実力ある宅録系女性シンガーソングライターのうねりは、アメリカをはじめ、欧州やオセアニア、アジアなど世界各地に広がっているという。

「楽曲の傾向としては、’90年代オルタナティブロックからの影響が感じられます。ポップミュージックのメインストリームはヒップホップやR&Bという時代が長らく続いていますが、オリヴィア・ロドリゴら若いミュージシャンたちの再評価により、そろそろロックの復権もあるかもしれません」(高橋さん)

Beabadoobee(ビーバドゥービー)

フィリピン生まれ、イギリス育ちの21歳。The Smashing Pumpkins、Sonic Youthなどから影響を受けているという。近作は6月に発表したEP『Our Extended Play』。「イギリスのロックバンド・The 1975が所属しているレーベルに見出されてデビュー。’90年代オルタナティブロックの再評価という流れにおいて、先陣を切っているアーティストといえるのでは」Gus Stewart

girl in red(ガール・イン・レッド)

ノルウェー出身の22歳。’21年4月にデビューアルバムを発表し、Billie Eilishの兄・Finneasと共同プロデュースした楽曲「Serotonin」も話題に。「暗いニューウェーブ風のサウンドが印象的なアーティストですが、アルバムではヒップホップっぽいビートにもトライしていて、それがまたかっこいい。メジャーフィールドでの活躍が期待できます」Gareth Cattermole‐MTV

Clairo(クレイロ)

アメリカ・アトランタ出身の23歳。2017年にYouTubeに上げた楽曲「Pretty Girl」が注目を集める。’21年7月、セカンドアルバム『Sling』をリリース。「宅録然としたクリエイションが魅力のシンガーソングライター。最近はハウスやディスコ系のサウンドにも対応するなどフレキシブルな才能を発揮していて、より幅広い層から支持されるように」Daniel Knighton

ヒップホップの価値観が多様化。女性ラッパーもよりパワフルに。


価値観のアップデートが加速する中、そこにいち早く反応して音楽に昇華させるのがヒップホップ。

「男性ラッパーと同じように性的な歌詞をあえて歌い、自らのセクシュアリティを誇ったカーディ・Bとメーガン・ジー・スタリオンの『WAP』が米ビルボードで1位を獲得し、支持されています。女性のあり方についてラップする流れは日本にもあり、なかでもAwichは歌詞の内容、アティテュードなどすべて素晴らしい」(YANATAKEさん)

City Girls(シティガールズ)

Yung MiamiとJTによるユニット。「自分はセクシーで、お金を持っているし、男も寄ってくる、みたいなことをラップしている二人です。Yung Miamiは最近ソロで『Rap Freaks』という曲を出しましたが、それが亡くなったレジェンドラッパー・The Notorious B.I.G.の『Just Playing(Dreams)』の女性版。いろんな男性ラッパーの名前を出して卑猥なことを歌っています」Prince Williams

Latto(ラトー)

アトランタ出身。新進の女性スターたちが登場する「WAP」のMVにも出演している。「今のヒップホップはアメリカ南部のサウンドが主流ですが、そこの大ボスといわれるラッパー・Gucci Maneにも可愛がられている逸材。9月にリリースした『Big Energy』は、Mariah Careyも使用したTom Tom Clubの『おしゃべり魔女』をサンプリングして流行っています」Prince Williams

リアルな魅力とスキルの高さでボーイズグループはネクストレベルへ。


次世代のボーイズグループは、スキルが高いのは大前提。

「とくにオーディション出身のグループは、審査段階でパフォーマンス力に加えて、振り付けや曲作りの課題に取り組むなど、クリエイティブ力も問われるケースがあります。たとえ自作ではなくとも、YouTubeなど彼らが発信するメディアからメンバーの人柄が伝わる今の時代。日頃の姿とパフォーマンスにつながりが感じられるグループが、共感を生みやすい」(坂井さん)

BE:FIRST(ビーファースト)

SKY-HI主催のオーディション番組『THE FIRST』から誕生し、11月にデビューした7人グループ。「唯一無二という以上に、彼らは“この7人だからこそできる音楽”を追求しようとしている。デビュー曲がさまざまなヒットチャートで1位になるなど早くも人気ですが、今後彼らのバックグラウンドをすべて盛り込んだ音楽を、クリエイティブしていく期待もあります」Photography Satoshi Hata

INI(アイエヌアイ)

オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』で誕生し、11月にデビュー。JO1の兄弟グループで、メンバーは11人。「彼らもオーディション中に振り付けやラップなどでクリエイティブ力を見せていたグループ。メンバー同士の仲がよく普段はやわらかい雰囲気なのに、パフォーマンスはバキバキ。そのギャップも魅力で、これからますます人気になりそうです」?LAPONE ENTERTAINMENT

高橋芳朗さん 音楽ジャーナリスト、ラジオパーソナリティ、選曲家。コラムニストのジェーン・スーさんとの共著『新しい出会いなんて期待できないんだから、誰かの恋観てリハビリするしかない〜愛と教養のラブコメ映画講座』(ポプラ社)が発売中。

DJ YANATAKEさん ヒップホップDJ。レコードショップのチーフバイヤーとして活躍後、現在はディレクターや音楽ライターなど多彩な顔を持つ。近年はインターネットラジオ局block.fmやWREPのディレクションも手掛ける。Instagramは@yanatake

坂井彩花さん 音楽ライター、プレイリスター。1991年生まれ。ライブハウス、楽器屋販売員を経験した後、2017年にフリーランスとして独立。音楽メディアを中心に、Web・紙問わず執筆。最新情報は、Twitter(@ayach___)をチェック。

※『anan』2021年12月29日‐2022年1月5日合併号より。取材、文・保手濱奈美

(by anan編集部)

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