瀧内公美、初ミュージカルに挑む 「人前で歌うのはお酒を飲んでいるときくらいでした」

近年、映画やドラマなどで存在感を発揮している瀧内公美さん。画面を通していても、匂い立つような生々しさに思わず釘付けになってしまう。湿度を感じさせる女優だ。

「毎シーン毎シーン予想外のことが起こるミュージカルになっています」


「結構、私、飽き性なんです。人間を演じるという部分で飽きることはないんですが、表現方法の蓄積が足りなくて、前にもこんな役をやったと思ってしまったり。自分が停滞している気がして、自分を変えていきたい、これまでやったことのない表現に挑戦したいと思ったんです」

その挑戦がなんと初ミュージカル。ミュージカル『INTO THE WOODS』は、魔女の呪いを解こうと森に入ったパン屋の夫婦が、シンデレラや赤ずきんら童話の登場人物と出会っていくというもの。瀧内さんは渡辺大知さんと共に、物語の軸を担うパン屋の夫婦を演じる。

「旦那さんを振り回す役なんですけれど、大知さんが満面の笑みで受けてくださいます。楽しい舞台ではありますが、自分の中で初めてやることばかりで苦戦している状態です。その課題があるということを今は楽しめたらいいなって」

なにせ舞台で歌うのは初めて。

「歌は好きでしたけど、人前で歌うのはお酒を飲んでいるときくらい。スナックくらいでちょうどいいってずっと言われていたんですけど…」

ミュージカル俳優やオペラ歌手など多彩な出自のキャストが揃うなか、演出の熊林弘高さんが物語の軸を担うパン屋の妻の役を瀧内さんにと熱望したのは、出演していた映画『火口のふたり』を観てのことだとか。

「近いとしたら、本能のままに生きる部分なのかなと思います。もともと私、熊林さんが手がける女性の舞台がすごく好きなんです。内面に抱える溢れんばかりのパワー…おぞましさだったり、悲しみだったり、怒りだったり、そういう多面的な部分が表現されているんですよね。稽古では、説明的な芝居が嫌いだそうで、『音に呑まれないで、葛藤だったり心の機微を大切にしてください』と言われます。かと思うと、『ボディビルの大会だと思って』とか『ここはドラえもんでお願いします』と要求されたり。毎シーン毎シーン予想外のことが起こるので、普通のミュージカルではございませんということはお伝えしておきます(笑)」

ミュージカル『INTO THE WOODS‐イントゥ・ザ・ウッズ‐』 魔女(望海)の呪いを解くため森に入ったパン屋の夫婦(渡辺・瀧内)。そこで童話の登場人物たちと出会っていくなかで、ふたりは自らの心の内に抱えた不満や嫉妬などの感情と向き合うことになる。上演中〜1月31日(月) 日比谷・日生劇場 作詞・作曲/スティーヴン・ソンドハイム 脚本/ジェームズ・ラパイン 演出/熊林弘高 出演/望海風斗、古川琴音、瀧内公美、渡辺大知ほか S席1万3500円 A席9000円ほか 梅田芸術劇場(東京) TEL:0570・077・039 大阪公演あり。

たきうち・くみ 1989年10月21日生まれ、富山県出身。主な出演作に映画『由宇子の天秤』『火口のふたり』など。3月の舞台『奇蹟miracle one‐way ticket』も控える。ワンピース¥15,950(GENE HEAVENS/ROSE BUD ルミネエスト新宿店 TEL:03・5368・2767)

※『anan』2022年1月19日号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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