元宝塚・愛加あゆ「在団中に身につけた歌唱法では対応できないものも多い」

人間と吸血種が共存する世界を舞台に、第1作から12年続いている「TRUMP」シリーズ。描かれる時代や場所、登場人物は違えど、緻密に構築された独自の世界観にハマる人が続出。その最新作となるミュージカル『ヴェラキッカ』は、ヴェラキッカという一族により紡がれるロマンティックコメディ。この一族のひとりとして出演する愛加あゆさんは、シリーズ出演3作目。声の出演なども含め携わった回数でいえば今回が5作目となる常連(!?)。

耽美な世界観で描かれるコメディ!? 「どう役を深めるかが課題です」


「このシリーズ…というか末満健一さんが作・演出する世界が好きだなと思えるのは、美しいファンタジーの世界でありながら、生と死の両面を描き出すところなんです。世界にはいろんな人が生きていて、いろんな愛があって、それぞれの抱える想いがあって、それが複雑に絡み合っている。陰も描きながら、どこか幸せを探っていく視点が入っていて、響く部分がたくさんあるんです。私は普段から楽しいモードの人ですが、それでも苦しい瞬間もあります。自分自身を深掘りして奥底に本来持っている部分を引き出す作業が、この作品の場合は多いかもしれない」

これまでゴシックな世界を描いてきたが、気になるのは今作に“コメディ”が謳われているところ。「末満さん自身も新たな挑戦だとおっしゃっている」と言うが、愛加さんの役はそこを担う役割なのだとか。

「いま稽古場で、頭で考えるんじゃなくて思い切りやるように言われています。これまであまり役をキャラ付けしたりせず、気持ちを大事に演じてきたのですが、今回はそれだけではダメな気がするんです。ヴェラキッカ一族の中での自分の見え方のバランスも考えつつ、どう役を深めていったらいいかが課題ですね」

見どころを伺うと、「末満さんの歌詞と和田俊輔さんの曲との相性が本当に素敵なんです」と笑顔で即答。

「毎回、曲が届くたびにワクワクしたり、ゾッとしたり、本当に多彩なので楽しみにしてほしいです」

宝塚在団中から情感溢れる演技に定評のあった愛加さん。退団後は、新たな役柄やジャンルに次々と挑戦し、奥行きを感じさせる俳優に。

「ミュージカルが大好きなので、そこを軸にしていきたい気持ちはずっと変わらず持っています。ただ、宝塚時代とは全然違う役柄や、タイプの違う作品も多く、在団中に身につけた歌唱法では対応できないものも多い。日々鍛錬しつつ、新しいお客様との出会いをこれからも求めていけたらいいなと思っています」

ミュージカル『ヴェラキッカ』 ノラ(美弥)を当主に、彼女の遠い親戚であるシオン(松下)やその妹のジョー(愛加)らが共に暮らすヴェラキッカ一族の養子としてキャンディ(平野)がやってきて…。1月15日(土)〜23日(日)東京・東京建物 Brillia HALL、2月2日(水)〜6日(日)大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール 作・演出/末満健一 音楽/和田俊輔 出演/美弥るりか、松下優也、古屋敬多(Lead)、愛加あゆ、大久保祥太郎、斎藤瑠希、西野誠、宮川浩、平野綾ほか S席1万1000円ほか ワタナベエンターテインメント TEL:03・5410・1885(平日11:00〜18:00)

まなか・あゆ 1987年10月18日生まれ、富山県出身。2012年より宝塚歌劇団雪組トップ娘役として活躍。’14年の退団後は、舞台のほかドラマ『中学聖日記』など映像作品にも出演。

※『anan』2022年1月19日号より。写真・小笠原真紀 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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