聴けば聴くほど味わえる! ズーカラデル、メジャー移籍後初のアルバム発売

染み入る日本語詞と豊かなアンサンブルを奏でる3ピース・バンド、ズーカラデルが、メジャー移籍してから初のアルバム『JUMP ROPE FREAKS』を完成させた。

「ここ1〜2年で、めちゃくちゃたくさん曲を作りました。7万曲ぐらいですか?(笑) 殴り合いの血みどろの戦いの末に(笑)、厳選して、この15曲にたどり着きました」(吉田崇展・Gt&Vo)

冗談交じりに吉田さんは語るが、勝ち残った猛者たちによって、極上のカラフルさを誇る一枚になった。

「新しいチャレンジもしたけれど、延長線上にあって。かつ、現状維持じゃない表現ができました」(山岸りょう・Dr)

そこに掲げた『JUMP ROPE FREAKS』というタイトルにも、深い意味が込められている。

「鷲見が一時期、縄跳びに凝っていて。それも影響を与えたのかもしれないですけど(笑)。縄跳びをしている人って、めちゃめちゃ動いているのに、その場所からは一歩も移動することはない。だけど体内では、大きな変化がある。その感じって、何か時代を言い表すニュアンスを持っているのかもしれない。自分たちの在り様を表現するにもいい言葉かもしれないと思ったんです」(吉田)

コロナ禍に制作されたことも関わっているのか、歌詞は内省的。しかし、とても鮮やかに響いてくる。

「家の中での生活が増えて、外にはみ出したい欲求があって。そういうところが表れた気がします」(吉田)

特に「まちのひ」の《まだ旅の途中 全然進んでないけど/今 部屋の鍵をやっと開けたところ/着いた先のことを考えている》という一節は、バンドの状況にも聞こえてくる。

「ひょっとすると個人的な、僕だけのものかもしれない。もっと言うと、世の中のことをイメージして歌ったものかもしれないなって」(吉田)

この曲に限らず、アルバムには、絶妙な比喩も含めて、様々に解釈できるフレーズがちりばめられている。

そして、こうして想像力を膨らませられるのは、3ピースを越えたアンサンブルも影響している。塩入冬湖のコーラスが効いている「どこでもいいから」など、数多くのゲストが参加し、楽曲を構築しているのだ。

「普段みんなが担当していない鍵盤やブラス、なんなら楽器じゃない音も試せたので、そのトライ&エラーの甲斐もあって、バラエティに富んだ音色になったと思います」(鷲見こうた・Ba)

ポップアルバムでありながら、聴けば聴くほど味わえる。そんな、長く愛されていきそうな傑作の誕生だ。

CMソングとなった「未来」などに加え、新曲も9曲収録。DVDは、ライブ映像初のパッケージとなる。アルバム『JUMP ROPE FREAKS』【初回限定盤(CD+DVD)】¥4,400 【通常盤(CD)】¥3,300(Colourful Records)

写真左から、山岸りょう(Dr)、吉田崇展(Gt&Vo)、鷲見こうた(Ba)。2018年3月に現体制になり、’19年1stアルバム『ズーカラデル』をリリース。2月からは、2年ぶりの全国ツアーを開催。

※『anan』2022年1月26日号より。写真・友野 雄 取材、文・高橋美穂

(by anan編集部)

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