『ドクター・ストレンジ』で吹替の松下奈緒「瞬間移動で行きたいのは…」

アベンジャーズの中心人物としてさらなる活躍が期待され、注目度が高まっている“最強の魔術師”ドクター・ストレンジ。2017年には、ヒーロー誕生の瞬間を描いた映画『ドクター・ストレンジ』が大ヒットとなりましたが、続編『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』がついに日本でも幕を開けます。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。

松下奈緒さん


【映画、ときどき私】 vol. 479

前作に引き続き、日本版声優陣のひとりとして本シリーズに参加しているのは、女優でミュージシャンの松下さん。劇中では、ストレンジが唯一心を許せる元恋人・クリスティーンの声を担当しています。今回は、声優としての苦労や使えるようになりたい魔術、そして気持ちの切り替え方法などについて、語っていただきました。

―クリスティーンを演じるのは、久しぶりだったと思いますが、感覚はどのようにして取り戻しましたか?

松下さん まずは、前作を日本語吹替版で何度か観ました。5年前の自分がどういうふうに演じていたのかを確認したかったので。ただ、やっぱりおもしろい作品なので、つい声のことを忘れて没頭してしまいました(笑)。

―演じるうえで、前回との違いなども意識されていたのでしょうか。

松下さん アフレコのときに、いまの私のトーンがベストと言っていただいたので、心がけたのは、ナチュラルなクリスティーンを表現することでした。時間は経過していますが、キャラクターとして大きく変化しているわけではないので、何かをプラスアルファすることもなく、いまの私を活かしました。

クリスティーンは、女性が憧れるような存在


―ご自身にとっては、前作が声優初挑戦作品でしたが、声優ならではの難しさもあったのでは?

松下さん 普段とは、別の筋肉を使っているような感覚で、まったく違いましたね。特に、どうやって声だけで感情移入したらいいのかが難しかったです。自分が思っている120%を出してちょうど良いときもあったくらいなので。ほかの声優さんの声も聞かせていただきましたが、決してオーバーではない抑揚の付け方が素晴らしくて、これは“魔法”だなと感じました。

ただ、今回は前作があったおかげで、すんなりとクリスティーンに戻れたのはよかったかなと。ストレンジと向き合うシーンもたくさんあったので、前回よりも気持ちが高ぶるところは多かったと思います。

―そのなかでも、印象に残っている場面を教えてください。

松下さん ストレンジがクリスティーンと2人っきりになるシーンは好きでしたね。葛藤する2人の距離感や間など、揺れ動く感じがとてもよくて、泣きそうになりました。マーベル作品なのでヒーローものではありますが、そこだけはラブストーリーみたいで、2人にはふさわしいシーンだったと思います。

―とても楽しみです。ちなみに、ご自身とクリスティーンに共通点や似ているところはありますか?

松下さん 声のトーンが似ているのかな?と感じますが、あとはどうでしょうか?(笑)。クリスティーンは、かわいいし、聡明だし、ユーモアのセンスもあって、ウィットに富んだことも言える。優しさと守るべきものを守れる強さも兼ね備えているので、女性が憧れるような存在。そういう意味でも、こういう人になりたいなと思う部分はたくさんありました。

ストレンジがついに“真のヒーロー”になったと感じた


―本当に、魅力的ですよね。ほかにも、お好きなキャラクターはいますか?

松下さん 今回は、ウォンが意外とチャーミングでよかったですね。前作では、図書館の守護者として、近寄りがたい雰囲気がありましたが、最新作ではかわいいなと思えるところもあったので、見方がかなり変わりました。

―強面とのギャップがいいのかもしれないですね。今回のストレンジで注目すべきポイントといえば、どんなところでしょうか。

松下さん クリスティーン目線で言うと、精神的にすごく大人になったなと思いました。もともとヒーローになるべくしてなったというよりも、事故に遭ったが故にそうならざるを得なかったのほうが大きかったですが、5年を経てまったく別人格に。頭がよくてクールなところはそのままですが、本当にかっこよかったです。ついに“真のヒーロー”になったんだなと感じました。

―そのストレンジといえば、さまざまな魔術を駆使して活躍していますが、もし松下さんが魔術を持てるとしたら?

松下さん もし魔術が使えるなら私は瞬間移動がしてみたいですね(笑)。あの技術を習得するまでにはいろんな修行をしないといけないですが、どこにでも行けるのはいいなと思いながらいつも見ています。

―もし使えたら行きたいところは?

松下さん アフリカです。というのも、コロナ禍になる前、最後に行った海外がケニアで、大自然のなかで堂々と生きる動物たちの姿が素晴らしくて感動したので、もう一度あの光景を見られたらいいなと。勿論、飛行機に乗って行くのも楽しいのですが、魔術が使えたら使ってみたいですよね(笑)。

年齢は意識せず、自然のバランスに委ねている


―誰もがほしい魔術ですね。前作から5年ということで、ご自身の5年を振り返ってみていかがですか?

松下さん やっぱり一番はコロナによって、どう生きていくのかというのは大きく変わったところだと思います。「自分がやるべきことは何なのか」や「こんなことをやってみたいな」とかいろんな意味で自分を見つめ直す時期になりました。人と会ってお話できることもありがたいですし、普通だと思っていたことが当たり前ではなかったんだと改めて感じています。

―30代でも前半から後半になったことで、心境の変化もあったのではないかと思いますが。

松下さん それが、まったくないんです(笑)。周りからは「35歳を過ぎるといろんなところが言うこと聞かなくなるよ」と言われてはいましたが、そんなことを感じていられないというか、感じないようにしています(笑)。

当然そういうこともあるとは思いますが、年を重ねただけいいこともあるはずなので、意識せずに過ごしていきたいなと。「40歳手前だから……」ではなく、「37歳も楽しいよ!」という感じで好きなことをしてきたいです。

―松下さんは女優やミュージシャンとして幅広くご活躍されていますが、お仕事のバランスはどうされているのでしょうか。

松下さん 私の場合、バランスを取ろうとするとバランスが崩れてしまうので、女優も音楽活動も線引きすることなく自然に委ねています。そんなふうに、自然に作ってきたバランスにこれからも乗り続けていきたいです。

今後は、自分に合う仕事の仕方をもっと増やしたい


―ということは、オンオフも意識せずに切り替わっていると。

松下さん そうですね。そもそも私はオンオフがあまりないほうなので、流れに逆らわないようにしています。あとは家に帰ってきて、愛犬に触ったらオフになりますね。本当に私の生きがいなので。あまり相手にしてもらえないときでも、勝手に話しかけています(笑)。心のよりどころでもあるので、いてくれるだけで助けられている感じです。

―癒されますね。そのほかに、スタイル維持のために欠かさずしていることがあれば、教えてください。

松下さん 規則正しい生活を続けるのはなかなか難しいですが、なるべく同じ時間にご飯を食べるようにしたり、夜8時以降は食べないようにしたりというのは心がけています。あとは、犬と散歩に行くくらいですね。

―今後挑戦してみたいことはありますか?

松下さん ここ10数年は、仕事の内容としては大きく変わってはいませんが、アプローチの仕方が少しずつ変化しているのは自分でも感じています。やることは変わらないけど、やり方が変わってきているとでも言いますか。自分に合うやり方や曲の作り方など、もっといい方法をこれからも新たに増やしていきたいと考えています。

意識しているのは、翌日までひきずらないこと


―今回、海外作品の吹き替えに携わることで、ご自身も海外作品に出演してみたいと思うことはなかったですか?

松下さん まずは、英語をがんばらないとですよね。洋画は好きなので、広い夢として頭の片隅にはありますが、その前にやるべきことがたくさんあるなと……。でも、もし機会があればチャレンジしたいと思います!

―それでは最後に、ananweb読者へメッセージをお願いします。

松下さん 私がいつも思っているのは、「今日あったことは翌日までひきずらない」ということ。もちろん、うまくいかなかったことや悪いことを1日で吹っ切れないときは私にもありますが、2〜3日くらいで忘れる意識は持っています。そうすると、楽しかったことは倍増されて、嫌なことはすっと消えていきますから。そんなふうに、1日を精査してから寝るというのはたまにしていますが、自分のなかでいいことを膨らませていく習慣は20代からしておけばよかったなと感じています。

そういう考え方ができるようになったのは、この仕事を始めてからですが、うまくいかないことや納得いかないことは、どんな仕事にもありますよね? ただ、そういう気持ちを切り替えて眠れば翌朝の気分も違う気がするので、良くも悪くも自分次第ですよね。いい意味で忘れて、ポジティブに考えることを意識するというのは、ひとつの方法だと私は思っています。

インタビューを終えてみて……。


凛とした佇まいと、知的なオーラを放っている松下さん。まさにクリスティーンのように女性が憧れる存在だと感じました。シリーズ最新作では、松下さんがオススメするシーンにも注目しながら、ストレンジとクリスティーンの恋の行方もぜひお楽しみに。

新たな次元の扉が開く!


ドクター・ストレンジと仲間たちによって繰り広げられるのは、マーベル史上最も予測不能と言われる壮絶な戦い。時間と空間を超越した圧倒的なスケール感と見たこともないような驚異の映像は、あなたを別世界へと連れて行ってくれるはず。

取材、文・志村昌美 

ストーリー


元天才外科医にして、アベンジャーズ最強の魔術師とされるドクター・ストレンジ。時間と空間を変幻自在に操る魔術を持っていたが、最も危険とされる禁断の呪文によって、“マルチバース”と呼ばれる謎に満ちたパラレルワールドの扉が開かれてしまう。

何もかもが変わりつつある世界を元に戻そうと試みるも、もはやどうすることもできないほどの恐るべき脅威が、人類と全宇宙に迫っていた。そんななか、ストレンジの前に立ちはだかる最凶の敵は、魔術を操る邪悪な“もう一人の自分”だった……。

目が離せない予告編はこちら!


作品情報


『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』5月4日(水・祝)より全国公開配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

?Marvel Studios 2022

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