志尊淳が、りりあ。から「本当にお上手で感動しました」と称賛されたこと

『DEATH NOTE』や『進撃の巨人』でその名を轟かせ、日本のアニメ界でも一目置かれる存在となった荒木哲郎監督。壮大なスケールで描かれた最新作の『バブル』は、『SPY×FAMILIY』のWIT STUDIO最新作でもあり、すでに国内外から高い注目を集めています。そこで、声優を務めたこちらの方々にお話をうかがってきました。

志尊淳さん & りりあ。さん


【映画、ときどき私】 vol. 481

世界に降り注いだ原因不明の“泡”で重力が壊れた東京を舞台に、パルクールのチームバトルに明け暮れる少年少女たちの姿が描かれている本作。他人とのコミュニケーションを好まない主人公のヒビキを志尊さんが演じ、りりあ。さんは物語の重要なカギを握る言葉を知らない謎の少女ウタに扮しています。

今回は、幅広いジャンルで活躍する若手実力派俳優の志尊さんと、Z世代から圧倒的な人気を誇りながらも顔を出さずに活動するシンガーソングライターのりりあ。さんのおふたりに、本作の舞台裏やお互いの印象、そして知られざる素顔などについて、教えていただきました。

―当初、りりあ。さんはエンディングテーマのみを担当する予定でしたが、制作陣の熱望によってヒロインに抜擢され、声優初挑戦となりました。実際に演じてみていかがでしたか?

りりあ。さん お芝居はしたことがなかったですし、声優には歌手とはまったく違うスキルが必要なので、とにかく難しかったです。ただ、荒木監督からは「普段のままでいいよ」と。演じなくてもいいという意味では、やりやすかったです。

―声優としては先輩となる志尊さんから見て、りりあ。さんの声はいかがでしたか?

志尊さん いや、先輩だなんて(笑)。声優のお仕事では、現場によって求められることが違うので、僕自身は毎回初めての感じがしています。たとえば、ピクサーの作品とこういったアニメーションとでは、口の動きひとつとっても違いますし、実写の吹き替えでも求められるテクニックはまた別ですから。僕はそれぞれの現場に合わせて調整することにいつも必死なので、初めてのお芝居でウタのような役どころに挑戦するのはすごいなと思います。

りりあ。さんは、掴めなくてミステリアスな人


―おふたりは一緒にお仕事されるのは本作が初めてとなりますが、お互いの印象や会われたときのエピソードについて教えてください。

りりあ。さん 別の取材日のときに、たくさんの方に囲まれて緊張している私を見て、「こんなに囲まれたら緊張するよね。俺だって嫌だよ」みたいな感じで声をかけてくださったことがありました。そのおかげで緊張がほぐれたので、ありがたかったです。

志尊さん 僕の場合、りりあ。さんの容姿がわからなかったので、そういう意味では事前の印象はなかったですが、歌う声と普段の声が全然違うのには驚きました。どうやって曲を作っているのかも、どんな生活をしているかも、謎に包まれている感じですよね。それでいて、等身大の女性というイメージもあるので、その掴みにくさがますますミステリアスだなと思いました。

―確かにそうですね。ちなみに、謎が多いりりあ。さんに聞いてみたいことはありますか?

志尊さん 普段は、何して遊んでいるの?

りりあ。さん 友達とカラオケに行ったり、渋谷で遊んだりしています。

志尊さん そうなんだぁ……。いまのところ私生活がまったく見えないですね(笑)。

―少しずつおうかがいしていきたいと思います。今回、役を演じるうえで苦労したのはどのあたりですか?

りりあ。さん 一番難しかったのは、息遣いですね。セリフではないだけに、大変でした。でも、志尊さんはお芝居も息遣いも本当にお上手なので、すごく感動しました。

志尊さん 僕は、全部が大変でした。最初は、絵コンテも出来上がっていない状態だったこともあり、見えない部分を自分で膨らませて全体像を掴まないといけなかったので、考えることが多すぎて本当に余裕がなかったです。休憩時間も頭のなかがグルグルしていたので、必死すぎてアフレコ中の記憶がほとんどないです。でも、僕としてはすごくうれしい現場でした。

すべての感情が同時にわき上がるのを感じた現場


―どのあたりに、うれしさを感じられたのでしょうか。

志尊さん 普段、役者の現場では時間との戦いでもあるので、意外と何回もトライさせていただける機会が少ないんですよ。でも、今回は細かく指摘していただいて、何度もやらせていただいたので、妥協していない感じがしてうれしかったです。それって愛がないとできないことでもあると思うので、そういうこだわりを持ってできたのは幸せなことだなと。ちなみに、最初のアフレコから3〜4か月後に気になる箇所を録り直したりと、そのあとにもまた変更点を録ってみたいな感じで、長期間にわたって携わらせていただきました。

―りりあ。さんは、この作品に関わることに対してはどんな感情がわき上がりましたか?

りりあ。さん 最初にお話をいただいたときは、正直言ってここまで大作だと知らなかったので、あとから不安と緊張と興奮と喜びのすべてが同時にバーッときましたが、最終的には私もうれしかったです。

―ご自身が演じたキャラクターと共通点などを感じた部分があれば、教えてください。

りりあ。さん ウタは何もわからない状態で出てきて、だんだんみんなが知っていくというキャラクターなので、そういう部分は似ているのかなと。あとは、ご飯が好きなところが共通点ですね(笑)。

志尊さん あはは! 僕もヒビキみたいに意外と閉ざしているタイプだなと思います。

―ちなみに、ヒビキといえば特殊な聴覚の持ち主ですが、そういったほかの人にはない感覚を持っていたりはしないですか?

志尊さん 残念ながら、何もないですね(笑)。でも、危機察知能力はものすごく高いほうだと思います。たとえば、一人でお茶しているときにおかしな携帯の持ち方している人がいたらすぐに店を出ます(笑)。

いつも周りにアンテナを張って生活している


―それは、このお仕事だからこそ鋭くなってしまった感覚ですね。

志尊さん でも、嫌ですよね。いつも周りを見て、アンテナを張っていないといけないのは……。あとは、人の変化とかにも気がつきやすいので、相手が動揺していたり、嘘をついていたりするときもわかります。

りりあ。さん ちょっと、緊張してきました。

志尊さん いやいや、そんなふうに見てないですよ(笑)。

―確かに、見抜かれてしまいそうな気がしますね。りりあ。さんは、今後顔を出してアーティスト活動をすることは考えていらっしゃいますか?

りりあ。さん これからも変わらず、顔を出す気はまったくありません。

志尊さん たとえば、映画の出演だったらどう?

りりあ。さん 顔を出すならしないですね。

志尊さん じゃあ、「顔がわからないように撮るから、映画で芝居してほしい」と言われたら?

りりあ。さん うわぁ……。でも、顔を出さないなら、やるかもしれないです。

志尊さん それもおもしろそうだね。それにしても、歌だけで届けることができるなんて、すごい時代だと思います。

ファンの方々とのやりとりに勇気をもらっている


―りりあ。さんにとって、創作活動の源になっているものは何ですか?

りりあ。さん 私の場合は、SNSから始まったので、ファンの方々との関わりから勇気をもらっています。ファンのみなさんとのやりとりはすごく近いので、直接送っていただいたDMから曲を作ることが多いです。

志尊さん DMは全部チェックして、返事もするの?

りりあ。さん はい、しています。友達みたいな感覚なので、恋愛相談に乗ることもあります。

志尊さん すごいね。じゃあ、携帯なくなったら大変じゃない?

りりあ。さん はい、おしまいですね(笑)。

―志尊さんは、昨年体調を崩されたこともあり、SNSなどでいろんな思いも綴られていますが、この1年で心境にも変化があったのではないでしょうか。

志尊さん いまは、「楽しく生きよう」というそれだけです。余計なことは考えずに、周りの人たちを大切にして楽しくいまを生きていけたらと。あとは、僕を肯定してくれたり、応援してくれたりする人がいるというのは、本当に力になっていますね。ひとりだったらできなかったこともたくさんあるので、そういう方々のためにもがんばりたいという気持ちが源にもなっています。

―最近は映画監督などにも挑戦されていますが、新たにやってみたいことはありますか?

志尊さん 僕はけっこう直感で動くほうなので、やりたいと思ったらすぐに形にしたいタイプ。いままでも妥協することなく、自分がやりたいと思うことをしてきました。いますぐに思いつくものはないですが、楽しいの延長線上にあるクリエイティブを追求していくことが、僕にとってはストレスなく生きられる道なんだなと。どうなるかわからないですが、楽しく過ごしていきたいですね。

どんな状況でも、友情や愛は諦めてはいけない


―では、お忙しいおふたりにとって日々のご褒美となっているものがあれば、教えてください。

りりあ。さん おいしいご飯を食べることです。

志尊さん 本当にご飯が大好きなんだね(笑)。

りりあ。さん はい、大好きです! 特に、お寿司とお肉が好きですね。

志尊さん 俺と一緒じゃん!

りりあ。さん どちらかというとお寿司が大好きです。

志尊さん 回転とカウンター、どっちに行くの?

りりあ。さん どっちにも行きますね。

志尊さん すごい、大人だね! 僕はこれをがんばったらご褒美というよりも、けっこう自分に甘いので、いつも好きなことをしちゃってます(笑)。

―それでは最後に、おふたりがこの作品で魅力を感じたポイントなどを教えてください。

りりあ。さん まずは、音楽がすごいなと思いました。もちろん映像も素晴らしかったので、目でも耳でも飽きさせない作品だなと。普段あまりアニメを観ないような人でも、楽しんでいただけると思います。

志尊さん お話をいただいたときは、まさか世界がパンデミックになるとは考えてもいなかったので、最初は非現実的な物語でファンタジーの作品だなと。ただ、いまはこういう世界が来ないとは言えない自分もいるので、そんななかでも友情や愛を諦めてはいけないんだという気持ちが芽生えました。切り口の斬新さに刺激をもらいつつ、生きる活力やエネルギーをもらえる作品だと思います。

インタビューを終えてみて……。


会われたのは今回の取材が2度目ということでしたが、役と同じく息がぴったりの志尊さんとりりあ。さん。その絶妙なやりとりは、劇中でも観ることができるので、見事なハマリ役を見せるおふたりの声に注目してください。

激しさと切なさが炸裂する!


日本のアニメーション界が誇るクリエイターたちによる、最強のコラボレーションが生み出した圧倒的な世界観が広がる本作。想像を超える疾走感と没入感を味わえる圧巻の映像は、スクリーンで体感すべき1本です。

写真・安田光優(志尊淳) 取材、文・志村昌美 

ストーリー


世界に降り注いだ泡〈バブル〉によって重力が壊れた東京は、家族を失った一部の若者たちの住処となり、パルクールのチームバトルの戦場にもなっていた。ある日、危険なプレイスタイルで注目を集めていたエースのヒビキは、重力が歪む海へ落下してしまう。

そこでヒビキの命を救ったのは、突如現れた不思議な力を持つ少女ウタ。驚異的な身体能力を持つウタは、ヒビキと彼のチームメンバーたちと共に暮らすことになる。そして、ヒビキとウタは、2人にだけ聴こえるハミングをきっかけに心を通わせていく。再び降泡現象が始まった東京で、2人の運命は世界を変える驚愕の真実へとつながっていた……。

釘付けになる予告編はこちら!


作品情報


『バブル』5月13日(金)より全国公開配給:ワーナー・ブラザース映画

?2022「バブル」製作委員会

写真・安田光優(志尊淳)

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