車の自動運転が過疎地を救う!? 社会の課題解決に期待大な「モビリティ社会」とは

意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「モビリティ社会」です。

移動手段が変わる。社会の課題解決が期待される新分野。


インターネットの発達により、車や公共交通などの移動手段のあり方が変わりつつあります。モビリティ(mobility)とは、もとは移動性、流動性という意味で、交通手段や移動手段をめぐるモノ・コト全般を指します。国土交通省は、Mobility as a Service(MaaS)(マース)という、住民や旅行者の個々のニーズに合わせて、複数の公共交通やカーシェアリング、自転車のシェアサービスなど新しい移動手段を最適に組み合わせて検索、予約、決済できるサービスの普及を推進。国は、AIやIoTを使い、モビリティを中心とした新しい技術変革のある街づくりを積極的に進めていこうとしています。その「モビリティ社会」の実現に大きく関与するのが自律型の自動運転の技術。自動運転は6段階にレベル分けされており、周囲の車との間隔や道路の混雑状況などをセンサーにより判断し、運転手がハンドルから手を離しても走れるのがレベル3。世界初、この技術を搭載した車を発売したのはHondaでした。

日本は少子高齢化、都市部の人口集中が進み、過疎地では鉄道やバスの維持が難しくなっています。孤立した地域の暮らしを支えるのが自動運転。この技術が進めばコストを圧縮し、人々の移動だけでなく、モノを運ぶサービスも付与できますし、CO2の削減にもなります。

TOYOTAは、自動車を中心にした実験都市の開発プロジェクトをスタート。自動運転車が街の交通を担うほか、燃料電池車が蓄電装置となり、地域に電力を供給することも計画中。モビリティ社会は製造業やサービス業、エネルギー産業など様々な業種にかかわりますし、高齢化や過疎化、技術立国など社会の課題解決も期待されます。

自動車メーカーはモビリティカンパニーに移行していますが、IT企業のほうが得意な分野。HondaはSONYと提携に向けて協議を始めました。EVはガソリン車に比べ部品が少ないので、切り替えれば多くの部品工場が潰れます。日本の自動車産業を世界に押し上げ、経済を支えてきたのも町工場です。その重みを認識しつつ、各社緩やかな産業転換を図っています。

堀 潤 ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bit News」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。

※『anan』2022年6月22日号より。写真・小笠原真紀 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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