SNS総再生2億回超のwacci・橋口洋平、松下洸平とは「近況を言い合う仲です」

【音楽通信】第114回目に登場するのは、「別の人の彼女になったよ」がSNS総再生回数2億回を突破し、ドラマ挿入歌も話題のメジャーデビュー10周年を迎えるバンド、wacci(ワッチ)!

励まし合いながら少しずつ前に進んできたバンド


【音楽通信】vol.114

橋口洋平さん、小野裕基さん、因幡始さん、村中慧慈さん、横山祐介さんによる5人組バンド、wacci。2009年12月、橋口さんを中心に結成後、2012年11月、ミニアルバム『ウィークリー・ウィークデイ』でメジャーデビューしました。

2018年8月に配信リリースしたシングル「別の人の彼女になったよ」は現在、YouTube総再生回数8,000万回以上、SNS総再生回数が2億回を突破し、日本レコード協会でプラチナ認定されるほど話題に。

そんなwacciが、2022年6月15日に両A面シングル「恋だろ/僕らの一歩」をリリースされたということで、ボーカル&ギターの橋口さんにお話をうかがいました。

――まずは小さい頃に音楽に触れたきっかけと、影響を受けたアーティストなどから教えてください。

幼少時から小学2年生頃までは、習い事としてピアノを習っていました。でも、それほどちゃんとやっていなくて、しっかりと音楽をやり始めたのは高校生からです。友達になった子がアコースティックギターを持って歌を歌っていて、その友達と一緒に路上に出るようになって。だから、歌い始めたのは、高校1年生の時でした。ゆずが流行っていて、路上ライブでは、みんなゆずを演奏していて、僕も歌っていましたね。

大学に入ってからは、軽音楽部でいろいろな音楽をやっていて。ジャズ、ファンク、ソウルなどを、管楽器を入れた大所帯で演奏する部活で、1年に4回ぐらいライブがあって、その都度、編成を変えてライブをやっていました。そこからさらにさまざまな音楽を聴いて、ひとりでも演奏してという感じ。そのうち、この先にもしもプロにつながる道があるといいなと思っていました。

――今年の11月にデビュー10周年を迎えますね。

デビューしてからもなかなか思うように結果が出ないなか、お互いに励まし合いながら、スタッフのみなさんにも支えてもらって、ちょっとずつ前に進んできたバンドです。気がついたら10年経って、早くみなさんに恩返ししたいですね。

――そんななかで2018年8月配信の「別の人の彼女になったよ」は、いまは最も反響が大きい楽曲だったと思いますが、バンドにとってもターニングポイントになった楽曲でもありましたか。

そうですね、この10年の中ではかなり大きな出来事のひとつだと思います。曲が出て、一人歩きしていって、いろいろな方に聴いていただけたのはすごくうれしかったですし、さらに大きな会場でライブができるようになりたいなと思います。

ドラマと映画の主題歌を収録した両A面シングル


――2022年6月15日に、両A面シングル「恋だろ/僕らの一歩」をリリースされました。「恋だろ」は、土屋太鳳さん主演、松下洸平さん共演のドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系 毎週木曜 午後10:00)の挿入歌としてお茶の間で親しまれていますね。

うれしいことです。オファーをいただいてから、台本も読ませていただいて、ドラマのために書き下ろしました。何曲か提出した中で、この曲が選ばれて。

――候補曲の中で「恋だろ」が選ばれたということは、結果的にドラマに一番この曲がフィットしていたということだったのでしょうか。

どの曲もストーリーにはフィットさせていたのですが、一番得意分野な曲、wacciらしい1曲だったと思います。実は一番依頼にそっていない曲だったのですが(笑)、当初「場面転換のときに流れる派手な1曲を」と依頼されて、派手な曲を何曲も書いて出した中にそっとしのばせていた曲。でも、僕ららしい、物事の真の部分と向き合っている曲です。

ドラマは格差のある恋人同士の話で、お金持ちの彼の家に入って奮闘する彼女に対して、「分不相応」「身の程違い」とかいったような言葉が飛び交うお話だったので、釣り合わない恋というところに何か投げかけられる言葉がないかな、と思ったときにできた曲ですね。

――実際にドラマのオンエアを観て、wacciの曲が流れてくるとどのような印象をお持ちになりましたか。

ドラマでほっこりしたり、物事の大事な部分とちゃんと向き合わなきゃいけない時間のときに流れてくる感じがあるので、結果的に曲はすごく愛のある使い方をしていただいているなと。いつもドラマを観るのがすごく楽しみです。

現場の出演者の方々やスタッフの方々も、はちゃめちゃな展開の中でも、ちょっとゆっくり観ることができる展開のときに「恋だろ」が流れる時間を「wacciタイム」と呼んでくださっていて。ドラマのTwitterでもつぶやいてくださっていたりするので、そういうかたちでもちゃんと届けてくださることがすごくありがたいです。

そういった意味ではSNSなどでみなさんのもとへ少しずつ届いている様子がわかったり、僕らのYouTubeでも最近の曲の中では「恋だろ」の再生回数が一番増えているので、ドラマの影響を感じますね。すごく励みになりますし、うれしいです。

――先日トーク番組に、橋口さん、松下洸平さん、内田瑛治監督の3人でご出演されていました。松下さんは同じ事務所で10年ほど親交があるそうですね。

そうなんです。同じ事務所なのですが、所属したタイミングも一緒で、事務所で顔を合わせることも多くて。その度にお互いの近況だったり、仕事の感想なども言い合ったり、仕事仲間ですね。洸平くんはもともとミュージシャンですし、そこから役者もやっていて。9年前に洸平くんのライブに僕がゲスト参加させてもらったことがあったので、そういう意味では彼のミュージシャンとしての素晴らしさも知っているので、音楽仲間でもあり、役者としても尊敬する人です。

――現在、全国ライブハウスツアーの真っ最中ですが、東京公演に松下さんがゲスト出演されましたね。

以前ライブに参加させてもらったのですが、僕らはなかなか呼ぶ機会がなく、今回あらためてwacciとして洸平くんを呼ばせていただいて。ふたりでドラマ主題歌の「恋だろ」を歌う、スペシャル・コラボレーションを披露させていただきました。

――もうひとつのシングル曲「僕らの一歩」は、7月2日から公開される『映画 バクテン!!』の主題歌ですが、どのようなことをイメージして曲作りされましたか。

もともとテレビアニメシリーズのエンディングテーマを担当させていただいていた流れで、今回は映画の主題歌のお話をいただいて、台本を読ませていただいてから書きました。テレビアニメは宮城県の男子新体操部の話で、学生たちが切磋琢磨しながら、ひとつの目標に向かって頑張る姿が描かれています。

映画版では時が経って、主人公の1年生や部活のみんながこれからどうやっていくか、青春のその先が大事になってくるなと。テレビシリーズとはまたちょっと違った苦悩や努力が描かれています。青春はいつか終わるけれど、それぞれの道はその先もずっと続いていくので、卒業してサヨナラをしても、青春時代の絆はずっと続いていくということを書きました。

――カップリング曲の「あの子」は、「嫌われているあの子が今日もひとりでいる 嫌われたくない僕らは今日も誰かといる」という歌詞から始まりますが、どのようなテーマでできた曲ですか。

人間関係のひとコマが描けたらいいなと書いた曲です。僕自身、高校時代に人間関係で悩んだこともあって、そういうときにそれぞれの登場人物の主観ではなく、俯瞰して客観的に見た話が書きたかった。誰がいい、悪いではなく、人間関係で悩んだり苦しんだりしている人たちのことを俯瞰で見て事実だけを書いて。それぞれによって受け止め方や感じ方が違ってくる曲が書きたくて作りました。

――橋口さんはwacciのほぼすべての曲の作詞作曲を手掛けていらっしゃいますが、Hey!Say!JUMPやももいろクローバーZの高城れにさんなど、他の方にも楽曲提供されていますね。ご自身が歌うときと、他の方の楽曲提供とでは、やはり違うモードで曲作りをしているのですか。

作る段階のモードは変わらないのですが、自分が歌えるか、歌えないかは、曲作りに大いに関係ありますね。提供するのがジャニーズの方のようにイケメンだからこそ歌える歌や言葉もありますし、女性だからこそ伝えられる言葉もあると思っていて。wacciだと自分が歌うので、どうしても避ける言葉や使わない言葉もあります。楽曲提供だと、曲によってはそういう縛りがなく書けますよね。

――いつもどんなふうに歌詞を書いているのですか。

僕はけっこう机に向かってねばるタイプです。日常の中で女友達から聞いたひどい男の子との話や、逆に男友達から聞いたひどい女の子の話とか。そういうところにもヒントを探しているときがあります。

――ライブハウスツアーが終わると、秋からはホールツアーもありますが、構成も変わりますか。

前半がライブハウスツアーで、後半がホールツアーなんですが、ホールツアーではセットリストを変えようかなと。老若男女問わず、いろいろな世代の方に楽しんでいただける音楽をやってきたつもりなので、そういう意味ではホールは座席もありますし、ライブハウスよりも来やすいという方もたくさんいらっしゃると思うんです。

だから、ホールが似合うバンドといいますか、お茶の間感のあるバンドとしてやっていきたいと思っているので、全世代の方に楽しんでいただけるようにと。wacciを知っている方も知らない方も楽しめる、みんなが一緒にひとつになれるようなそんなライブをホールツアーではやりたいと思っています。

大事なときにwacciの曲を選んで聴いてもらいたい


――お話は変わりますが、橋口さんがいまハマっているものはありますか。

まさか自分がハマっているものとしてコレを言う日がくるなんて……という感じなんですが(笑)、韓国ドラマにハマっています。OLさんみたいで、自分でちょっと面白くなるんですが、韓国ドラマの面白さに最近気づきました。

――最近ということは、自粛期間があって配信ドラマをたまたま観たのですか。

いえ、きっかけはトーク番組でご一緒した内田監督です。今回番組でお話しさせていただくということで、内田監督が何話か撮っているNetflixの『全裸監督』を事前に観ていて。観ていると、他のオススメ作品がトップに出てきたりするので、時間があるときにちょっと韓国ドラマも観てみようかと思って観たらハマってしまいました(笑)。『梨泰院クラス』も『ヴィンチェンツォ』も『愛の不時着』も、どれも面白かったです。いまもちょっと時間が空いたときには観ています。

――家でリラックスするときはどんなことをしていますか。

この間、長野県の白馬で開催された山頂で音楽を楽しめて、絶景も味わえるというフェスに参加させてもらったんです。屋上にテントサウナと水風呂のようなものがあって、そこに外で寝そべられる椅子もあって、要は外気浴ができるというようなものでやってみたら、すごく気持ちよかったんですよ。その流れがあって、家に戻ってきたときに、狭いベランダがあるのでそこに置けるキャンプ用の椅子を買いまして。お風呂上がりに、これからの季節、そこでぼーっとするのいいなと思って、これからそれでリラックスしようとしています(笑)。

――ちなみに、橋口さんは「ト?ラえもん」に造詣が深いそうですが、 いつからお好きなのですか。

小さいときからです。僕はひとりっ子で、よくドラえもんの漫画を買ってもらって、部屋で読む時間が長かったから好きになったんですよね。アニメもドラえもんばかり観ていた少年でした。漫画の世界の登場人物たちに共感していたのかもしれませんね。

そういえばトーク番組で「叶えたいことは口に出して言うことが大事だ」と洸平くんも言っていましたが、それこそ音楽を始めて、大好きな「ドラえもん」と音楽でつながれる日が来るといいなと。いつか「ドラえもん」の映画の主題歌をやれたらなと思います。

――叶えたいこともお聞かせいただきましたが、では最後に、今後の抱負も教えてください。

昨年、有観客で日本武道館公演を初めて開催したのですが、コロナ禍でキャパも半分でしたがソールドアウトできなかったので、次は満員の武道館でワンマンライブができるようにwacciのみんなで頑張っていきたいです。それが当面の目標なのかなと思っていますね。

あとは聴いていただくみなさんに、楽曲に共感してもらえることが一番幸せだなことだと感じているので、僕らの楽曲を聴いてちょっとでも自分と重なるところがあって、人生の大事なときにwacciの曲を選んで聴いてもらえるようになったらいいなと思っています。誰かにとっての大事な曲を1曲でも多く作っていきたいですね。

取材後記


wacciのフロントマンとして、さまざまなアーティストに楽曲提供する音楽家として、活躍されている橋口洋平さん。楽曲のことから普段のご様子まで、いろいろなお話をお聞かせいただきました。wacciのみなさんで演奏される楽曲が、ドラマや映画の世界と重なって、より一層これからも広がっていくに違いありません。そんなwacciのニューシングルをみなさんも、ぜひチェックしてみてくださいね。

取材、文・かわむらあみり

wacci PROFILE橋口洋平(Vo&G)、小野裕基(B)、因幡始(Key)、村中慧慈(G)、横山祐介(Dr)による5人組バンド。バンド名の由来は「わたしたち」を輪にして頭とお尻をくっつけてwacci(ワッチ)。

2009年12月、橋口を中心に結成。2012年11月、ミニアルバム『ウィークリー・ウィークデイ』でメジャーデビュー。2018年8月に配信リリースしたシングル「別の人の彼女になったよ」が異色の楽曲と話題になり、ミュージックビデオはYouTube総再生回数8,000万回以上、SNS総再生回数が2億回を突破し、日本レコード協会でプラチナ認定された。

2020年10月、東京・日本武道館にて無観客配信ライブ「wacci Streaming Live at 日本武道館」を実施。2021年11月、日本武道館にて初の有観客ワンマンライブ「wacci Live at 日本武道館 2021 〜YOUdience〜」を開催した。

2022年6月15日、ニューシングル「恋だろ/僕らの一歩」をリリース。

Information


New Release「恋だろ/僕らの一歩」

(収録曲)01. 恋だろ02. 僕らの一歩03. あの子

2022年6月15日発売*収録曲は全形態共通。

(通常盤)ESCL-5675(CD)¥1,300(税込)

(初回生産限定盤)ESCL-5673 〜 ESCL-5674(CD+Blu-ray)¥3,000 (税込)

【Blu-ray収録内容】「wacci Streaming Live at 日本武道館」 01.最上級 02.足りない 03.別の人の彼女になったよ 04.感情 05.フレンズ 06.僕らの日々 07.まばたき

取材、文・かわむらあみり

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