「前田健太選手とか…」ベリーグッドマンが野球選手に支持される理由

音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。新連載【音楽通信】では、音楽を発信するアーティストたちの新作のお話からライブレポートまで、楽しい音楽情報をお届けしていきます。第1回目に登場するのは、とくに関西で大人気のベリーグッドマン!

写真・黒川ひろみ

中学校の同級生、そしてクラブでの出会い


写真左からRover、MOCA

【音楽通信】vol. 1 2013年に結成されたRoverさん、MOCAさん、HiDEXさんからなる大阪出身の3人組ボーカルユニット・ベリーグッドマン。今年、念願の大阪城ホールでのライブを1万人即日ソールドアウトさせた彼らが7月31日にニュー・アルバム『SING SING SING 7』をリリースしました。結成のいきさつから新作まで、RoverさんとMOCAさんにお話をうかがいました。

ーーベリーグッドマンさんは「音楽通信」第1回目の登場となります。

Rover おお! それ、あれですよ。あとでいっぱいインタビューしても、ぼくらのこと思い出して「一番楽しかったな〜!」ってなりますよ。2回目からは格下げられないですね。(笑)

ーー(笑)。そうかもしれませんね。『ananweb』としても初登場なので、結成のいきさつから教えてほしいのですが、もともとお友達から始められたんですよね。

Rover そうですね。僕とHiDEXが中学校の同級生で、高校卒業くらいのタイミングで最初はふたりで組んで、音楽をやりだしたんです。4年くらいふたりで音楽をやって、けんか別れしたときにクラブで出会ったのが、MOCAですね。それでアコースティックイベントにMOCAを誘って、路上ライブをやるようになってという感じで、いまに至ります。

ーーまだ大阪に住んでいるのですか。

RoverMOCA 住んでいます。

「大阪のでっかいとこでワンマンライブをやる」目標


ーーもともと、デビューしようと考えて活動されていたのですか。

Rover もともと「大阪のでっかいとこでワンマンライブやろう!」という目標があったんです。MOCAのソロのときに、大阪のアメリカ村という場所にある『BIGCAT』というライブハウスでライブをすることを目標にしていて。全国というより、「大阪で有名になってやろう!」っていうのはありましたね。

MOCA 大阪城ホールみたいなでかいとこでライブをやりたいと思ったのは、結成して2年目ぐらいのときやったと思っているんですけど、でかいところでやりたいというのは、事務所の社長とも話してて、“3か年計画”というか。

3年後の自分たちがどこにおりたいかを想像していないと、夢なんて実現できへんということで、そこから「でかいところでなんかできるんちゃうか」というマインドにシフトしていったというのはありますね。ただやみくもに何かをやりたいという感覚ではなくて……。そこはもう、『anan』さんとともに成長していきたいなっていうのはあります!

ーーありがとうございます(笑)。大阪城ホールでのライブは大成功でしたが、ライブをしていても関西地方とほかの場所では温度感が違うことはあるのでしょうか。

Rover それはありますね。

MOCA 九州のほうは、関西の波動を持っている感じがあって。関東のかたも、みんなが関東で生まれているわけではないと思うんですが、ちょっとおとなしいかなという感じはあるんですけど、でも楽しんでくれている感覚はあまり変わらないかなと思います。

新作は「自伝」のようなもの


ーー地域が違っても、あまり意識せずライブをされているのですか。

Rover めちゃめちゃ意識していますよ(笑)。「これやったらスベるやろな」というところで、狙っていって、「あ、今日はこっちやったな」とか。

MOCA 顔色めっちゃうかがいます。(笑)

Rover MCもトークも、これでいいのだろうかと思いながら。曲振りのときだって、ちょっといきってかっこつけたほうが「おお!」ってなるときもあるし、照れ隠しで冗談っぽくやったほうがいいときもあるし。

ーーそしてアルバム『SING SING SING 7』が完成しましたが、どのような思いで作られたのでしょうか。

Rover そうですね、「作れ」と言われたから作ったアルバムです。

MOCA そういうこというな!

Rover (笑)。内から出てくるものですよね。僕らのアルバムに『SING SING SING』っていうシリーズっていうのがあって。僕ら「ベリーグッドマン」っていう名前ですけど、もとは(スウィング・ジャズの代表的存在の)「ベニー・グッドマン」というジャズクラリネッターの人をリスペクトして、名前をつけてるんです。

そのベニー・グッドマンの名盤「SING SING SING」から、僕らのシリーズでも名前をつけさせてもらって。もとのほうはスウィング・ジャズの王道なんで、たぶん“スウィング“と“SING”をかけてるんだと思うんですけど。

僕らの「SING SING SING」は“3人でSINGしてる”っていう意味もあるんです。僕たちはいい歌をみっつもよっつも入れていこうというテーマなんで、今回7枚目ですごいハイペースではあるんですけど、僕たちとしては当然のように作っていくという、「自伝」みたいな感じですね。

『SING SING SING 7』は「幸せ」のアルバム


ーートラックメーカーはHiDEXさんですが、基本はメンバー3人で作詞作曲をされているのですか。

Rover そうです。それぞれ「こんな曲が作りたい」って自発的に思ったものを尊重するという感じですかね。たとえば、いろいろな音楽を作るって、ひとつの発明じゃないですか。難しいときもあれば簡単にできるときもあるんですけど。

MOCAが「こういう曲をやりたい」ってサビを書いてきたとしたら、「それいいやん」ってHiDEXがピアノ弾いたりして、トラックっていうものができて。そこに自分たちが歌うAメロとかBメロとかのバースを自分たちで、家とかどこかで作って持ってくるんです。ほとんどセッションみたいな作り方で作りました。

ーー今までの作品と今回で、作り方に違いはあるのですか。

Rover 今までは狙い打ちというか、タイアップとかだと縛りもありますし。でも僕たちやっぱり、ワントラックでずっと同じコード進行がずっと鳴っているところに、違う歌をのせていく作り方というか。

自分たちが、ソロでやってたころ、ディレイしてのせていくっていう「ラバタブ」という、レゲエの文化があるんですけど。実はそれに近いようなことを基本でやっていて、あとはそこにドラマとか色をつけていくっていうことですね。

ーー『SING SING SING 7』をひとことで表現すると、何になりますか。

Rover 「幸せ」じゃないですか。(シリーズの)“7”というのはそういうことかなと思うし、「Happy 7」という曲も入れたりとか、「幸せになるためにがんばろうぜ」「幸せじゃなくても大丈夫」という曲も入っていたり。失恋したけど相手の「幸せ」を願っているような曲も入っています。

ーー野球選手の登場曲として使用されている楽曲もたくさんありますが、そのきっかけは何でしょうか。

MOCA やっぱり「才能」じゃないですかね。

Rover おい! 違うやろ(笑)。(取材日の前日に)メットライフドームで行われた「西武ライオンズ対日本ハム戦」の試合後に、ライブやったんですよ。

いま、西武ライオンズ選手会長の増田達至っていう投手がいて、同い年なんですけど、僕らが知ってる限りでは、初めて僕らの曲を使ってくれたのはその増田投手。

それで元広島東洋カープ(現在MLB・ロサンゼルス・ドジャース)の前田健太投手が『SING SING SING 2』のときに僕らのことをブログに書いてくださって、連絡を取って始球式に行って、オリジナルバージョンを作るっていうことがあったんです。

アッパーチューンを使ってくれる方もいたり、落ち着いた曲や鼓舞される曲を使ってくれる方もいたり。ぼくらは曲を出したらもう、その人のものになっちゃうんで、野球選手に使用される理由は正直、わからないです。

ーーでは、音楽活動以外のこととして、おふたりが好きな女性のタイプを教えてください。

MOCA 昔はギャルが好きやったんですけど、“昇天ペガサスMIX盛り”みたいな。年取ってからはNikiさんみたいなハーフ顔が好きだけど、川栄李奈さんも佐々木希さんも、デーモン小暮さんもかわいいと思いますし!  でも、嫁が一番です! 絶対それ書いといてください。小遣い制でやらせてもらっています。(笑)

ーー(笑)。わかりました、Roverさんは。

Rover 吉田羊さんみたいな人がいいですね。年上も、見た目も、容姿も、性格的なところも。安藤サクラさんも好きです。ああいうちょっとこう、天才がかった人がめっちゃ好きですね。あとはムッシュかまやつさん。あ、男か!

目指すは甲子園球場と京セラドームでのライブ


ーー今後はどのようなベリーグッドマンを目指していますか。

MOCA 規模的にでかいとこでライブやりたいっていうのがあって。希望をどんどん口に出して、夢を実現することで、お客さんが勇気をもらうところもあると思うんです。甲子園球場でライブをやりたいっていうのと、人間的にどんだけ成長できるかっていうのが、自分たちの音楽人生の息の長さでもあるかなあと思っています。

Rover ぼくたち「ベリーグッドマン」と言っているんで、ベリーグッドなおにいちゃんたちからおやじになっても、ぼくたち「ベリーグッドなおやじになろうぜ」って。京セラドームでもライブをやりたいし、甲子園球場もやりたいし、「大阪、関西に恩返しする」という気持ちでやっているのが勝手に全国に飛び出ていってるんです。

(元高校球児のMOCAさんが)野球で叶わなかった夢を、音楽でメジャーデビューしてがんばりますと言ったのも、ひとつの着地点は甲子園球場。甲子園球場、京セラドームでのライブを目指したいです。

ーーやっぱり“ライブ”に一番の目標を置くというのは、お客さんに歌をしっかり届けたいという思いが強いのでしょうか。

MOCA そうですね、ライブはやっぱり嘘をつけないですから。CDってある種ちょっとごまかせたりとかするんですけれど、自分たちも一番うれしいのは、ライブを観て「めっちゃ良かった」と言われること。「ほんまのパッションがちゃんと伝わってんねや」というのが再確認できる瞬間なので、ライブのほうがいいと言われるのがいちばんうれしいです。

Rover うれしいですね。

取材後記


時にお笑い芸人のように笑いをちりばめながらも、しっかりと音楽へ向き合う熱い気持ちを語ってくれたRoverさんとMOCAさん。ベリーグッドマンが三者三様のハーモニーを響かせる楽曲は、アスリートを含む多くの人たちのもとへと届いています。まずはニュー・アルバムをチェックしてみてくださいね。

ベリーグッドマン PROFILE


2013年11月に結成された、Rover(Vo・G・Trumpet)、MOCA(Vo・MC)、HiDEX(Vo・TrackMaker・Pianoforte・G・Percussion)からなる大阪出身の3人組ボーカルユニット。2016年3月「ありがとう〜旅立ちの声〜」でメジャーデビュー。2019年1月には大阪城ホールでのライブが即日ソールドアウト。5月から7月に開催した全国ホールツアーもソールドアウト会場が続出。現在、Osaka Metroとコラボした5駅10箇所で9月30日まで期間限定のキャンペーンを展開中。9月は大阪・ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでの初野外ワンマンライブも開催する。

Information


New Release

『SING SING SING 7』1.イントロ 72.スタートライン3.夢のまた夢4.My Line5.大丈夫6.Good Day7.Happy 78.とにかくこの瞬間だけはぐっすり眠るために爪弾きたくて9.線香花火10.Secret Drive

発売中(通常盤)UPCH-2187? 2,700

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