シュワちゃんよりも強いのは? 過酷すぎる『ターミネーター』の現場を語る

世界中で愛される人気シリーズのなかでも、革命的な衝撃を人々に与えたSFアクション映画といえば、1985年に公開された『ターミネーター』。その後、『ターミネーター2』も大きな話題となりましたが、「I'll be back」の言葉通り、『ターミネーター:ニュー・フェイト』として再び帰ってきました。そこで、シリーズ初参戦を果たした注目のキャストにお話をうかがってきました。

写真・黒川ひろみ(ナタリア、ガブリエル、マッケンジー)

ナタリア&ガブリエル&マッケンジー!


【映画、ときどき私】 vol. 276

劇中で人類の命運を握る女性ダニーを演じたのは、コロンビア人女優のナタリア・レイエスさん(写真・左)。そして、ダニーの命を執拗に狙う最新型ターミネーター“REV-9”には、アメリカ人俳優のガブリエル・ルナさん(写真・中央)。さらに、ダニーを守るために未来から送り込まれた強化型兵士のグレースをカナダ人女優のマッケンジー・デイヴィスさん(写真・右)が演じています。

国際色豊かな実力派俳優が揃った本作の撮影秘話やアーノルド・シュワルツェネッガーさんとのエピソードなどについて、語っていただきました。

―今回は撮影のためにかなり過酷なトレーニングを積んで挑んだそうですが、「もうやめたい」と思うことはなかったのでしょうか?

マッケンジー きつかったことはたくさんあったし、正直言って毎日やめたいと思ってたくらいですよ(笑)。

―(笑)。マッケンジーさんはもともと運動が得意ではなかったと聞いているので、余計にそう感じたのかもしれませんね……。では、特に大変だったシーンを教えてください。

ナタリア 私にとってはすべてが挑戦だったけど、なかでもダムでのシーンが一番大変でした。夜間のシーンを撮らなければいけなかったので、約1か月半もの間、夜の6時から朝の6時まで水に濡れながら撮影していたんです。後半はそれでも間に合わなかったので、撮影時間はどんどん長くなるし、とにかく疲れ切っていました。

そんなときは、「家で気持ちよく過ごすこともできるのに、私はここで何をしているんだろう?」とふと思った瞬間もありましたよ(笑)。でも、それ以上にやる価値があることだというのも感じていました。

―確かに、あのシーンは見ているこちらも思わず力が入りました。マッケンジーさんはいかがですか?

マッケンジー 私もナタリアと同じシーンですね。夜間撮影では、大半が水中のシーンでしたが、一番大変だったのは、滝のようなところで車から出たり入ったり、綱をよじ登ったり、というのを朝の4時半に撮影していたとき。体が濡れて冷える、そしてひとつのシーンが終わったら乾かしてまた濡れる、みたいなことを繰り返していたんです。

さすがにその途中で、「私はなぜこんな大変なことをする決意をしてしまったんだろう」と考えていましたが、と同時に「人生のなかでこんな素晴らしいことができるなんて!」とも思っていました。だから、この撮影は私にとっては、諸刃の剣みたいな感じでしたね。

痛みは一瞬だけど、映画は永遠のもの


―おふたりとも、そこまで追い込まれていたんですね。ガブリエルさんは撮影中にトラブルなどはなかったですか?

ガブリエル 実は、撮影の後半であばら骨2本にヒビが入ってしまったことがありました。最初は、痛いけど筋肉を傷めただけだと思っていたので、僕自身もケガには気が付いてなかったんです。そんななかでも、なんとか最後の1週間を演じ切ることができたのはよかったと思っています。

ちなみに、僕がそのときに思い出していたのは、1985年にアーノルドが主演した『コマンドー』でのエピソード。有刺鉄線の柵の下をくぐり、泥のなかでひざやひじを傷つけながら撮影をしたのに、「カメラのフォーカスが合ってなかったので、もう1テイクお願いします!」と言われたことがあったそうなんです。

それでも、「痛みは一瞬だけど、映画は永遠のものだ」と思ったというアーノルドの話を聞いていたので、僕もその言葉を肝に銘じながらがんばりました。

―『ターミネーター』といえば、やはり裸で登場するシーンが話題ですが、撮影時で印象に残っていることはありますか?

ガブリエル もちろん、思い入れはありますよ(笑)。というのも、僕にとっては、なんと初日の一番初めに撮ったのがあのシーンだったんです。普段は、現場に入ったらスタッフやキャストのみんなに自己紹介してから仕事を始めたいタイプなんだけど、今回はまだ全員に挨拶もできていないなか、いきなり服を脱いで撮影に入らなければいけなくて……。

『ターミネーター2』のアーノルドとロバート・パトリックは地面にポージングした状態で登場しますが、僕らの場合は空から飛んでくるという設定。そのために、僕は空中で足を上にしたままワイヤーに吊られ、そこから1回転して地面でポーズを決めなければなりませんでした。もちろん裸でね(笑)。ターザンにでもなったような気分でしたよ。

―それは、いろいろな意味でつらかったですね(笑)。マッケンジーさんも同じような状況でしたか?

マッケンジー 私の場合は、逆に撮影の終わりのほうにそのシーンを撮りました。だから、ずっと一緒に過ごしてきたよく知っているスタッフのなかで撮影ができたので、本当によかったです。しかも、この作品ではものすごく厳しい食事制限をしていたこともあり、裸のシーンを撮り終えたら、好きなものが食べられるとわかっていたので、終わったときは「やったー! やっと食べられる!」という感じで喜びのほうが大きかったですね(笑)。

3人が見たレジェンドの素顔とは?


―『ターミネーター』シリーズは世界的な人気を誇っていますが、日本でもアーノルドさんのファンは多いので、共演された印象や忘れられないやりとりなどを教えてください。

ナタリア 「レジェンド」と呼ばれている俳優と共演するのは、非現実のような気分でもあったので、どういう方なんだろうと最初は緊張していたんです。もちろんこれまで抱いていたイメージそのままのところもありましたが、ひとりの人間として自分の存在感や影響力の大きさをすごく理解されている方だと感じました。

人柄も素晴らしいですが、気候変動に対して関心を持っていたり、移動手段をなるべく自転車にしたりと、世界のことをいつも気にかけている姿もリスペクトしています。

ガブリエル エピソードはたくさんあるんですけど、今回はプロモーションで一緒にいたときの話をみなさんに教えますね。まず、僕はアーノルドほど負けず嫌いの人を見たことがありませんが、彼にとって重要なのは、つねに勝者でいること、そしてナンバーワンであること。それはちょっとしたくだらないゲームのときでさえも発揮されてしまうんですよ。

みんなで韓国に行ったとき、指の力を測る機械のようなゲームがあって、彼のスタッフも「アーノルドはこういうタイプのゲームはやりませんから」と最初は言っていたんですが、僕が試してみたら、「スコアはいくつだった?」と彼が聞いてきたんです。

「6.5でした」と答えたら、「ちょっと貸してみて」と言って機械を手に取りました。本当は指でピンと弾いて測定するものなんですが、彼はいきなり手でバーンと叩いたんです! 当然、スコアはマックスの9.99。そして、それを見たアーノルドは、満足そうに「ほらね」と言っていましたよ(笑)。

それ以外にも、チェスをしたときは相手に考える時間を与えずに進行してみたり、本来は駒から一度指を離したら動かしてはいけないのに「俺が意図していたのはやっぱりそうじゃないから」といって勝手にやり直したりしちゃうんです。たとえズルをしてでも、つねに自分が勝たないと嫌な人なんですよね(笑)。

―子どもみたいで、お茶目なところがある方なんですね(笑)。

マッケンジー 私はガブリエルみたいなおもしろいエピソードではないんだけど、アーノルドは本当にいつも私たちをサポートし、とにかく励ましてくれました。まるで、よきチアリーダーのような存在だったと思います。実は今朝もみんなを集めて話をしてくれましたが、「この映画も、みんなのことも信じているよ」と言ってくれたんです。

もちろん負けん気が強いところはありますけど、自分がしていることに対しては誠心誠意向き合い、献身的に力を注いでくれるのは素晴らしいことなので、そういう姿に感動しました。

キャストのなかで最強なのはリンダ・ハミルトン


―さすがですね。また、今回は28年ぶりに出演したリンダ・ハミルトンさんも抜群の存在感を見せていましたが、みなさんとアーノルドさん、リンダさんの5人のなかで、肉体的、精神的、知的を含めた総合的な観点から見て、誰が最強だと思うかを教えてください。

ナタリア 今回は私とマッケンジーとリンダという女性3人でのシーンが多かったですが、そのなかでリンダのすごさを目の当たりにすることがたくさんあったので、私はリンダですね。私たちができないと思うようなことでも彼女はこなしてしまうし、自分を律する強さも持っているんです。あとは、疲れることを知らないので、本当に尊敬しています!

ガブリエル 僕もリンダの資質については、その通りだと思うよ。でも、マッケンジーが本気になった姿を近くで見ていたから、僕はマッケンジーが一番かな。彼女は知的な意味でも、とても強い女性だと思います。

マッケンジー ありがとう。でも、私もリンダかな。というのも、体格はそこまで大きくないし、身長も私の胸くらいまでしかないのに、彼女と腕相撲をしたらまったくかなわなかったの! なんか、「骨が太くて強い!」って感じなんですよね(笑)。

ガブリエル (笑)。さっきはマッケンジーと言ったけど、じゃあ腕相撲のときはリンダに賭けようかな。

インタビューを終えてみて……。


毎日やめたくなるほどつらいトレーニングと撮影を一緒に乗り越えてきただけに、絆の強さを感じさせる3人。とにかく仲良しでもあるので、和気あいあいとした雰囲気のなか、笑顔に包まれた楽しい取材となりました。とはいえ、劇中では容赦ない激しいバトルを繰り広げているので、お見逃しなく!

世界の運命が変わる瞬間を目撃せよ!


新たな衝撃にアドレナリン全開間違いなしの『ターミネーター』シリーズ最新作。史上最強にして最凶の新型ターミネーターと人類による圧倒的なアクションはもちろん、そのなかで生まれるドラマにも心を揺さぶられるはず。この興奮と感動は、ぜひスクリーンで体感してみては?

ストーリー


メキシコシティの自動車工場に弟と働いていたダニー。平穏な生活を送っていたが、ある日突然ターミネーター“REV-9”に襲われてしまう。そんな危機的状況から彼らを救ったのは、同じく未来から送り込まれてきた強化型兵士のグレース。

かろうじて工場から脱出するものに、REV-9は執拗に追いかけてくることに。そして、ハイウェイで追い込まれたとき、サラ・コナーが現れ、行動をともにすることとなる。その後、メキシコから国境越えたサラ、ダニー、グレースを待っていたのは、あの男だった……。

鼓動が高鳴る予告編はこちら!


作品情報


『ターミネーター:ニュー・フェイト』11月8日(金)全国ロードショー配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン? 2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

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