“天然系”芸術家とヌードモデルの恋の行方にヤキモキ! 漫画『金曜日はアトリエで』

シュルレアリスム界の新星と呼ばれるほど人気の画家・石原春水(しゅんすい)。ある晩、ふらふらと歩いていた環(たまき)恵美子を、ヌードモデルとして見初める。かくて平凡な会社員の〈環さん〉は、毎週金曜日に〈先生〉のアトリエを訪ねる二重生活を始めることに。

浜田咲良さんの『金曜日はアトリエで』は、そんな胸騒ぎのシチュエーションで巻き起こるラブコメディ。

芸術家とアートモデル、天然系のふたりが出会って何が起きる?


「私自身は『人間はずっとシリアスに生きていくことはできんよな』と思っているんですね。重要な会議の場でプレゼンしてる人のシャツのしみを見つけてしまうとか、シリアスな場面ほど笑ってしまう瞬間ってある。そういう人間的で面白いディテールを突き詰めていくと、リアリティと笑いが両立する作品になるのではないかと思っています」

ナルシストな先生だが、環さんのちょっとした言動にも振り回される。どちらも天然キャラゆえに、じれったいほど初々しい展開が魅力だ。

「主役のふたりがどちらも天然系というのは言われるまで気づきませんでした(笑)。先生の環さんへのアプローチは遠回しすぎるし、環さんはちょっと自己肯定力が低い人。先生は先生で、環さんを『自分が一生をかける作品のモデル』と考えているため、絶対に失いたくない。双方が、現状維持がいちばんいいという思惑になっていますね」

ちなみに、先生は、女体と魚を絡ませる絵を得意としていて、描いた後は魚料理を環さんに振る舞う。

「絵のモチーフを魚にしたときに、『大量の魚を最後はどうするんだろう。やっぱり食べるだろうな。なら料理をして、たくさん食べて…』という連想から、人物のキャラや設定が決まっていきました。私がもともとシュールな絵が好きで、魚をモチーフに使うダリやマグリットがヒントになりました。2巻以降、春水のメンタルが変わるにつれ、作風も変化していくのですが、心と絵とがどう連動していくのか想像し、作中作として描くのはとても楽しいです」

実際、環さんの裸体は官能的で、女性でも見惚れてしまうほど。

「彼女はプロのアートモデルでもないし、身体をすごく絞ったりしてないと思うんです。マンガ的に美しいと思える範疇に収めつつ、肉のシワも少しはあった方がセクシー。省略しすぎないように描いています」

アトリエから飛び出し、人間関係が広がるらしい3巻が待ち遠しい。

S気質なのに、環さんにはちょい気弱な先生。セクシーなのに、大食いな環さん。ギャップも魅力的なふたりのロマンスの行方は? 現在『ハルタ』で連載中。KADOKAWA 680円 ?浜田咲良/KADOKAWA

はまだ・さくら 東京都生まれ。2013年、『ハルタ』vol.1にて「よい子わるい子ふあんな子」でデビュー。『マシュマロメリケンサック』(全1巻)など。

※『anan』2020年10月28日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子

(by anan編集部)

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