山下真司、『スクール☆ウォーズ』熱血先生のイメージ守り…普段もスーツ姿!「遊びにも行けませんでした」

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人気ドラマ『太陽にほえろ!』(日本テレビ系)のスニーカー刑事として人気を博し、1984年にはドラマ『スクール☆ウォーズ〜泣き虫先生の7年戦争〜』(TBS系)に熱血教師の滝沢賢治役で主演。

35年経った今もなお熱い支持を集めるこのドラマは、校内暴力が吹き荒れる高校の弱小ラグビー部が、ある一人の教師が赴任して来てから数年で全国優勝を果たすまでの軌跡を描いたもの。京都市立伏見工業高等学校ラグビー部とその監督で元日本代表フランカーの山口良治先生をモデルにしたノンフィクション小説をもとにしたフィクションドラマである。

山下さんはモデルとなった実在の山口先生に迷惑をかけてはいけないと、当時はいつもジャケットにワイシャツ、ネクタイを着用し、先生の格好で外出していたという。

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◆撮影中は疲労困憊(ひろうこんぱい)で休日はグッタリ

『スクール☆ウォーズ〜泣き虫先生の7年戦争〜』は山下さんの初主演ドラマ。スポーツはもともと大好きだったというがラグビーは未経験。何よりも教師の役が来たということに驚いたという。

「ラグビーは全くやったことがなかったですからね。タイトルバックでいきなり楕円形のボールを蹴らされたんだけど、10数回蹴って成功したのは2、3回。

タックルもやりましたけど、相手はからだのデカい外国人だったから怖かったですよ。『ケガしそうだな』と思ったら、案の定、タイトルバックの撮影だけで首を痛めてしまいましたからね」

−体力的にも大変だったでしょうね−

「『スクール☆ウォーズ』はちょうど半年ぐらいで、夏に冬のシーンを撮影して冬に夏のシーンだったから、寒さと暑さとの戦いでもあったんですよ。真冬の川に飛び込んだりしていたからね。

あれもフィルム撮影だったんですよ。1日100カットとか撮影していました。スタジオが中河原(東京都府中市)で遠かったから俺は自分で車を運転して通っていたんだけど、家から1時間ぐらいかかったんですよ。

朝7時ぐらいに家を出て8時に入って、8時半か9時に撮影が始まる。それで終わるのが早くて5時か6時。ナイトシーンの撮影があると、夜中12時を超えちゃう。

それで毎日、走ったりしゃべったり泣いたりでしょう? 撮影が終わるとまた車を自分で運転して帰ってましたからね。若かったなぁと思って(笑)。今だったらとても考えられないですよ」

−ほぼ毎日撮影ですか?−

「毎日。最初の1カ月は日曜日が撮影休みだったんですよ。それでいつも弁当ばっかりだから、おいしい居酒屋さんとかに行っていたんだけど、1カ月ぐらいしたらもう疲れちゃって、休みの日は家のなかでぐったりしているという状態になっていましたね。

それでも撮影の合間には、生徒役のみんなと一緒に相撲とったりしていましたよ。あれは何なんだろうね(笑)。

勢いというか、コミュニケーションを取りたいっていうか、士気を上げるというのかな。最近よく使われる言葉だけど『ONE TEAM』だからね。

『スクール☆ウォーズ』の撮影は、芝生じゃなかったからみんな大変だったと思いますよ。グランドを結構転々として撮影していたんですけれども、土の上ですから。

俺なんかはちょこちょこっとしかラグビーのシーンはなかったけど、生徒役の役者たちは結構大変だったと思う。芝生だと転んでも痛くないけど、土ですから本当にハードな撮影でしたね」

−セリフも膨大でしたし、泣くシーンも多かったですね−

「すごかったですよ。あれこそ、ちゃんとセリフを入れておかないと芝居ができないじゃないですか。それプラス泣かなければいけないので、最初は苦労しました。

こんなに毎回泣くのかって思いましたけど、不思議なことに後半は、涙を抑えるのが大変で。これが本当に泣くということだなって、あのドラマを通じて教わりました」

−2年前、生徒役だった松村雄基さんに取材させていただいたのですが、その時『スクール☆ウォーズ』全26話を34年ぶりに見ました。今見ても胸が熱くなりますね−

「そうでしょう? 109対0で惨敗した後、賢治が泣きながら部員全員を殴るシーンがあったことは大きいですよね。山口先生は部員全員を殴ったみたいだけど、そのあと全員のタックルを受けたそうです。魂と魂、人間と人間が真正面から向き合っている。

これを一概に体罰だ、暴力だとは言えないと思うんですよね。多少批判されたとしてもからだを張って、生徒と一緒に汗をかいたり、一緒に泣いたりする教師が必要なんじゃないかと思いますけど、今の時代は難しいのでしょうね」

−2019年はラグビー人気がすごかったですね−

「そうですね。日本代表の田中史朗選手も『スクール☆ウォーズ』のモデルとなった京都市立伏見工業高等学校出身なんですよ。

だから僕の役のモデルとなった山口先生ともつながっているんです。田中さんは全然僕にそんなことを話してくれなかったから知らなかったんだけどね。『スクール☆ウォーズ』の次の世代だけど、今につながっているなあって思いました」

−ラグビーが広く認知されて盛り上がりました−

「そうですね。ベスト8に入ったというのは大きい。やっぱりスコットランドとかに勝ったのが大きかったですよ。南アフリカには残念ながら負けたけど、その南アフリカが優勝しましたから。でも、4年前は南アフリカに勝ったんだからね。

そんなドラマチックな展開が今回もあって、それでリーチ・マイケルが、みんなをひとつにまとめあげてね。なんか結構熱くなりました。本当にタフな連中です。あんなにハードなスポーツはないですよ」

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◆夜遊びしたら「夜のくいしん坊」になるなと怒られて…

2018年には山下さんをはじめ、松村雄基さん、小沢仁志さん、四方堂亘さん、三浦浩一さんなど『スクール☆ウォーズ』のキャストが集結したノンストップアクションドラマ『聖域 組長の最も長い一日』も製作された。山下さんは命を狙われる暴力団組長役。松村さんは組長を支える若頭を演じている。

−『スクール☆ウォーズ』を見ていた世代にはたまらないキャスティングでした−

「撮影は大変だったけど、松村君や小沢君も出ていてね。監督も『スクール☆ウォーズ』世代なんだね。ヤクザだからラグビーは関係ないんだけど、ラグビーボールを使うことにして松村から俺にパスさせたり、そういうちょっとした遊び心がありましたね。

あれは御殿場で別荘を借りて撮影していたんですよ。毎日深夜の2時か3時ぐらいまでかかって。ある日、雨が降るなか、スタッフは外で撮影をしていたんだけど、午前1時頃まだ撮影が残っていたから2階の部屋で横になっていたんですよ。

そうしたらドアをノックして雄基が入ってきて、『何やってるんですか。スタッフは表で雨のなか撮影をしているのに、横になっていていいんですか?』って言うから、『すみません』って謝ったの。

年齢は一回り向こうが下なんだけど、同期みたいなものだからね。同じB型でウサギ年なのに、向こうはものすごくきっちりしているから。必ず朝は5時ぐらいに起きてジョギングしてそこから撮影に来ていましたよ」

−松村さんとは『スクール☆ウォーズ』が初めてですか?−

「そう。初めてのシーンは、彼が校長室に入ってきてお母さんのことを心配して暴れるんだけど、僕にいさめられて涙するところだったの。それできれいな涙を流したから、『これはちょっと、こいつにはかなわないなあ』って思った。

大映のスターだったし、スタッフにもものすごい信頼されていたから、これはちょっとやばいやつが入ってきたなみたいな感じで。それでかっこいい役でしたしね。

本当は全然不良じゃないのに、不良でおいしい役って言えばおいしい役ですよ。人望も厚くてしっかりしているんだよね。俺みたいないい加減な感じがなくてさ(笑)。

松村とは『スクール☆ウォーズ』のイベントやロケなどでよく一緒になるんだけど、しょっちゅう怒られていますよ。今はもう向こうのほうが先生みたいだからね(笑)」

−山下さんは『スクール☆ウォーズ』のときには普段もネクタイを締めてジャケットを着てらしたそうですね−

「滝沢賢治という役のイメージを大事にしないといけないし、モデルになった山口先生に迷惑をかけられないですからね。いつもワイシャツにネクタイ、ジャケット。おかげで遊びにも行けませんでしたね。4年もやったけど『くいしん坊!万才』のときも遊べなかった。モデルのときは遊び回っていましたからね(笑)」

−『くいしん坊!万才』のときに怒られたことがあったとか−

「初めてロケに行ったとき、ちょっと外に飲みに行って、隣に座った女の子に話しかけたんですよ。そのことがすぐにスタッフにバレてしまって、『お前、夜の食いしん坊になったらダメだぞ!』って言われて、次の週から助監督がホテルの部屋に入るまでずっと付いていて離れないんですよ。だから全く遊べなかった。変な意味も含めてね(笑)」

−『くいしん坊!万才』の撮影はいかがでした?−

「食べてそれをコメントしなければいけないわけだから、大変な仕事を受けちゃったなぁって思いましたよ。でも地方に行くと、田舎の人と一緒に撮影できるから、それがすごい楽しいというか。

本当においしいときはコメントがバーッと出てくるんだけど、おいしくないときはあまり出てこない。だから恋愛と一緒だなぁと思って。気の合う人とだと会話が続くけど、ダメだなぁと思うと黙っちゃうじゃないですか。そんな感じ(笑)」

−『くいしん坊!万才』には昨年亡くなられた梅宮辰夫さんも出演されていましたね。梅宮さんとは『スクール☆ウォーズ』で共演されていましたが−

「『スクール☆ウォーズ』のときに1、2回食事に連れて行ってもらったことがありましたけど、面倒見が良くて豪快な方でしたね。

梅宮さんは『くいしん坊!万才』のロケには漬物とか包丁を必ず携帯して、朝の4時か5時に起きて皆さんの朝食を作っていたみたいですよ。本当に料理がお好きだったんでしょうね」

−色々なお仕事をされてらっしゃいますね。『男女7人秋物語』(TBS系)もありました−

「どちらかというと、それまで2の線の役だったのに、あれは初めて3の線だったんですよね。俺がやった高木という役は、ちょっと『スクール☆ウォーズ』の滝沢賢治のパロディーみたいな雰囲気で、パンツ一枚で体操をしたりしてね。

だから結構楽しいのは楽しかったんだけど、地方ロケに行ったときに田舎の高校生が俺を見つけて『高木はポイント低いっペ』てバカにされてね。その時点でもう辞めたかったんだけど、テレビを見ていると、みんなそう思っちゃうんだね、子どもは特に」

−色々な役を演じていらっしゃいますが、俳優としてはどんなふうに?−

「あまりこだわりはないですね。やっぱり2の線をやっていると3の線がやりたくなるし、3をやってると2がやりたくなるっていう、ないものねだりっていうかね。両方が加味されている役が1番やりたいですよね」

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◆難読漢字で驚異の解答率だが、いじられまくり?

−2019年は、山下さんはラグビー関連のイベントなどでも引っ張りだこでしたが、クイズバラエティー番組『東大王』(TBS系)の難読漢字でも大活躍でした−

「2019年は本当に良い年でした。『東大王』とともに、ちょっと漢字も読めるようになって、ジムなんかに行っても、同年代の人とかに『すごい頑張っている姿を見ると勇気がもらえる』みたいな話を結構聞くんですよ。

だから認知されたってことと、逃げないで努力をすれば必ず世の中って認めてくれるんだということを、身を持って体験させてもらいました。

それでやっぱり良い方向に転がると、全てが周りもいい形になっていく。毎日勉強するのは大変ですけど、セリフ覚えるのと一緒だから、そういう感覚で。カミさんは『かわいそう』とか言いますけどね」

−猛勉強されているからですか?−

「そう。それで僕はリビングで漢字の勉強をするんですよ。マッサージチェアとかで。そうするとテレビとか大きい音で見られないじゃないですか。

だからカミさんは二階に行ってひとりで見たりしていて、一緒に遊ぶ時間が少なくなっちゃったので、カミさんはちょっと寂しいかもしれないけど喜んでいますよ。

それでよくテストするんだけど、結構難読漢字を読むんだよね。『わかる?』とかって聞くと、『ちょっと今忙しいから後にして』っとかって言われるんですけど(笑)」

−どのようにして勉強されているのですか?−

「検定の本が2冊と、あと単行本のような本が5冊くらい。昨日も2本撮りだったから、朝4時に起きて2時間くらい勉強して行ったの。

そうしたらそれが全然出なくて、昔勉強したやつが出てね。それを覚えていたから答えられたんだけど、俺も自分で『すげえな』って思った(笑)」

−正解率がすごい高いですよね−

「70何%だって。俺は漢字だけだけどね。この1月は大活躍していますよ。それでちょっと自慢したらヒロミさんに、『自慢しちゃだめですよ』って怒られちゃった(笑)。

ヒロミさんもそうだけど、すごいいじられるんですよね、俺。プロデューサーまでいじってくるから。

昨日も収録が終わって飲んでいたらヒロミさんが来て、『山下さんはきょうで東大王終わりだね』って言うんですよ。

『本当なの?』って聞くと、『プロデューサーに聞いてよ』って。それでプロデューサーに聞くと、『それもう言ってました?じゃあもう終わりですね』って、そんなことを言うんですよ。

なんかそういうのを気にしているところがあるんですよ。そこをいじるんですよ。ヒロミさんもよくからかってくる。気がちっちゃいというのが読まれているから、からかいやすいんじゃないですか」

『東大王』の収録は2本撮り。最初は1本だけの出演という感じだったのが、難読漢字が読めるようになるに従ってレギュラーのようになったという。『東大王』に出るようになって小学生ぐらいの子どもたちに声をかけられることも多くなったと話す。

「この間も小学6年生に『山下さん』って声をかけられて、『何で俺のことを知ってるの?』って聞いたら、『東大王を見ています』って言ってました。子どもが話しかけてくるんですよ。すごいうれしくてね。

『俺の名前知ってるの?』って聞いたら、『友だちがこの近くで山下がよく歩いているって言ってた』って。

だから『お前ダメだ、何呼び捨てにしてるんだ。ダメ、じいちゃん呼び捨てにしちゃいけない』って言ったら笑ってましたけどね(笑)」

−2020年はどんな年に?−

「2019年は挑戦して、それが形になって認められて忙しくなったし、2020年もこんな感じで真面目にやっていこうと思います」

一番ホッとするのは奥様や友人と食事に出かけているときで、一週間に一回は行くと話す。2020年も仕事と難読漢字の勉強で忙しい毎日になりそう。(津島令子)

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