ザ・コレクターズ古市コータロー「情けない男のアルバムです」 温かさと懐かしさに満ちた『東京』発売中

 強烈に中年男の心をくすぐるアルバムだ。ザ・コレクターズのギタリスト、古市コータロー(55)のアルバム『東京』(日本コロムビア)は、どこか温かく、どこか懐かしく、郷愁に満ちている。

 「僕にとっての東京は都会でも何でもなくて、ただの生まれ故郷。それを伝えたかったんです」

 アルバムは、オリジナル曲や提供曲など11曲。ロックやブルース、シティポップなどバラエティーに富んでいるが、その世界観は70年代の東京のにおいに満ちている。

 そんな「東京」のイメージを自身がスマホで撮った1枚の写真で説明する。コンクリートの割れ目で、タンポポが花を咲かせている写真だ。

 「これが僕の東京。前に東京五輪が開催された1964年生まれの僕が見てきた東京がこれ。2020年の東京五輪もあと1年だけど、自分が見てきた東京、生まれ故郷が消えてしまうんじゃないという思いがあるんだよね。何も変えなくていいと思うんだけど」

 街は時代とともに変わっていく。それはそれで仕方がないとは思う。だけど、どこか切ない気持ちもある。

 「僕にとって東京の象徴って、新宿のスバルビルにあった『新宿の目』だったの。あれもなくなるんだから…。なんか故郷がなくなっていく思いを、一杯飲みながらグジグジ言っている、情けない男のアルバムですよ」

 だからアルバムには、自身のギターヒーローに出演をオファーした。それが元キャロルの内海利勝であり、RCサクセションの“チャボ”こと仲井戸麗市であった。

 「僕がこの世界を目指したきっかけはこの2人。何だろうね、心弾むフレーズを弾くのに、オラオラしていない。一歩引いたギタリストってカッコイイでしょ。そこに憧れたんだろうな」

 ギターを始めた理由もそのへんにあるのか。

 「若いころはインタビューで女にもてるからって言ってたけど、本当はギター弾かなくてももてたからね」とニヤリ。

 「それは冗談として、純粋にギターが好きなんだよ」

 6月8、9日には東京・鶯谷の東京キネマ倶楽部でライブを開催。6月16日には福島から弾き語りツアーをスタートさせる。

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