【外国人が見るニッポン】川崎20人殺傷事件は… 日本人が「テロ」に備えて意識すべきこと

【外国人が見るニッポン】川崎20人殺傷事件は… 日本人が「テロ」に備えて意識すべきこと

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 皆さん、ズドラーストヴィチェ!(ロシア語でこんにちは!)生まれはロシア、育ちは関西、舞台は東京!ロシア系関西人の小原ブラスです。

 いよいよ時代も令和に変わり、様々なところで新時代を感じさせるニュースが飛び交っていますが、ここ最近では川崎20人殺傷事件など、子ども達が犠牲になる痛ましい事件が発生していて本当に心が痛いです。

 川崎の20人殺傷事件に関して、日本では「通り魔」という単語で表現されていましたが、世の中への不満を抱え無差別に人を殺害する行為、これは外国人から見ると紛れもなく「テロ」であり、今回の事件は僕の出身国であるロシアでも「あの安全な日本でテロか?」と大きく報道をされていたのが印象的でした。

 日本のイメージを外国人に聞くと「未来的」や「清潔」「親切な国民」等と答える外国人も多いのですが、とくに「安全な国」と言われることが多いのは、他国には簡単に真似ができない誇るべき点です。

 そんな安全な国、日本でもこのような事件が発生するのだから、この世界で生きるというのは、どんな場所、どんな時でも危険と隣り合わせなのだと痛感します。

 日本とロシアの治安や生活する上での安全面を比べると雲泥の差があります。僕は日本に20年住んでいますが1度もスリや窃盗にあったことはありません。その一方で1年で僅か1ヶ月程度しか滞在しないロシアでは恐喝、スリにあった経験があります。(日本では100円を落としただけでも拾って追いかけて来てくれるのに!)

 日本では平気で後ろポケットに財布を入れて出歩くこともできますし、外食で荷物を置いたまま席を立つこともできます。電車で居眠りだって出来ますし、酔っ払って一人で家に帰ることも不安はありません。おかしな話ですが、日本の駅前で泥酔して倒れて寝てしまっているサラリーマンを見かけると「本当に平和な国だな」と思います。

 ロシアでそんなことをすると犯罪に巻き込まれる可能性が高いだけではなく、最悪の場合凍死をするリスクもありますからね。外で酔っ払うロシア人が居ないと言えば嘘になってしまいますが、日本ほど頻繁には見かけないですし、酔っ払っていてもある程度警戒心はあるのです。少なくとも駅前で倒れて寝てしまうなんて光景をロシアで見ることは滅多にないですね。

 日本の国の安全性は世界に自慢できる強みであるのは確かですが、それがゆえに日本人の警戒心は薄く、いざ何かが発生した時に適切に動けないのではないかと心配になることもあります。

 先日電車に乗っていた時のことですが、たまたま同じ車両に乗り合わせていた女性の顔の血の気が引き、意識を失って倒れてしまった場面に遭遇しました。乗り合わせた乗客は、「大丈夫ですか?」「だれか駅員さんを呼んで下さい。」と連携をして助けを呼び、意識を失った人に声をかけ続け、駅員さんが担架を持ってきた時も多くの乗客が運び出す手伝いをしていました。

 多くの乗客の協力があったのは素晴らしいことで、思いやりを感じる場面ではあったのですが、後になって考えると万が一にも心臓が止まっていたのだとしたら、駅員さんが到着するのを待つ暇なんて1秒もありません。すぐにでも心臓マッサージ等をしなければいけない状況だったのかもしれないのです。

 たまたま医療の知識のある人が乗っていればすぐにでも脈を測って、どうすればいいか指示を出すこともできたかもしれませんが、もしもその偶然がないと周りの無知が原因で彼女は命を失っていたのかもしれないのだと思うとぞっとしました。もちろん僕もその無知の1人で、日本の小学校か中学校の保険の授業でこういった場合の対処方法を習ったような、習ってないようなという曖昧な記憶しかありませんでした。

 人が急病で倒れることと、事件に巻き込まれることは状況が少し違いますが、何かあった時に急病人や怪我人の手当てが出来るかどうかという点は共通するでしょう。人が倒れてしまった時ですらこうなのですから、通り魔で人が刺された場合やテロが発生した場面に遭遇した自分を想像すると恥ずかしい気持ちにすらなります。突然緊急事態に遭遇した場合に適切な動きができるかどうかは、普段から何かが発生するんじゃないかと不安を抱き、想定をしていないといけないのです。

 ロシアや海外でも同じように無知な人が多くいる状況は同じですが、普段から警戒をして自らすすんで緊急事態の対処法を学ぶ人の割合は多いと感じます。ロシアの場合は男性は兵役がありますので、その期間に何度も何度もそのような訓練を受けますし、僕のロシアの従姉妹は学校で核兵器が使われた場合の対処方法まで訓練があったようです。

 日本人は土地柄「地震が発生した場合」「津波が発生多場合」に備えて訓練は沢山受けていても、テロが発生した場合や爆弾が仕掛けられた場合にどうするかという訓練を受けたことがある人は殆どいないのではないでしょうか。

 地震に慣れていない国で地震が発生すると小さな地震でも被害が大きくなるように、テロに慣れていない国でテロが発生するとその被害も一段と大きくなるものです。日本も絶対に安全だと言えない時代になっていますので、地震や津波などの気象災害に関する知識だけではなく、そろそろテロが発生した場合や、人が刺されて倒れている現場に遭遇した場合の対処法や応急処置の方法に一般人が興味を持ち、積極的に勉強をする必要がある時期に差し掛かっているのではないかと思います。

 テロや事件が発生しないように対策をするのは難しいことかもしれませんが、いざ発生した時にその場にいる人が適切な対応を速やかにできれば少しでも助かる命があるはずです。その時に動けるように、まずは自分から勉強を始めたいと思います。

■ブラス 1992年4月20日生まれ。ロシアで生まれ、5歳の時から日本に移住。かつては某動画配信サービスで有名配信者であった。現在はサラリーマンとして働きながら、YouTuber「ピロシキーズ」としても活動。

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