【大人のTV】フェイクだけど…いやに現実的な“宇宙移民”問題 TOKYOストーリーズ「宇宙移民の光と影」

★TOKYOストーリーズ「宇宙移民の光と影」(BSフジ、11日午後11時)

 “モキュメンタリー”という言葉がある。いわゆるフェイク・ドキュメンタリーのことで、“モック(擬似)”と“ドキュメンタリー”をつなげた造語だ。

 さまざまな角度から東京の“今”を映し出す番組だが、今月はこのモキュメンタリー2作を打ち出してきた。もちろん内容はフェイクだから、本当の“今”ではない。しかしどこかで、それっぽい、現実くささをにおわせている。

 11日のテーマは「宇宙移民」。グリーゼ星人を移民として受け入れるようになって20年がたった東京の実情を描き出す。

 現実の世界は実際に移民問題で揺れている。日本でも移民ではないが、中国人や韓国人だけでなく、さまざまな国から訪れた外国人が至るところで働いている。もはや移民問題は切実なところまで迫っているのだ。

 番組ではグリーゼ星人の立場から、さまざまな問題を追っていく。

 高校生の移民2世は将来のために整形したいと訴える。グリーゼ星人は緑色の皮膚をもち、額には大きな角が生えている。それを地球人(東京人)と同じにしたいと願っているのだ。そうすればバイトの時給も数段上がるからだ。

 日本人女性と交際するグリーゼ星人が介護の現場で働くが、結婚には彼女の両親が反対するという高いハードルがそびえている。うまく日本語が覚えられずにホームレスになったグリーゼ星人もいる。

 これをフェイクだと思って見るのか、はたまた今の東京に突きつけられた現実と受け止めるのか。

 フジテレビではかつて『放送禁止』という秀逸なモキュメンタリーがあった。いまや、こうした作りの番組は地上波では難しいのかもしれない。

 ちなみに18日は、東京の公式書類の記入例にある名前「東京太郎」の今に迫っている。こちらもなるほどの内容だ。(F)

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