【織田哲郎 あれからこれから Vol.30】音楽家として盛り上げてくれた『シーズン・イン・ザ・サン』

【織田哲郎 あれからこれから Vol.30】音楽家として盛り上げてくれた『シーズン・イン・ザ・サン』

TUBE(1989年6月撮影)

 1985年にTUBEがデビューしました(デビュー時はThe TUBEです)。彼らは私がやっていたWHYや9th IMAGEの曲をアマチュアの頃からコピーしてくれていて、ライブにも遊びに来てくれたのをよく覚えています。デビューしてからもアルバムでWHYや9th IMAGEの曲をレコーディングしてくれました。

 彼らの3枚目のシングル制作にあたり、長戸大幸さんから曲の依頼が来ました。「ビールのCMで使われることはもう決まっている」というのです。彼らのイメージキーワードは“夏”“湘南”、そして今回は“ビール”。煮詰まりながらもなんとか最後にやっと「これだ!」というものができました。

 ところで私は、高校の頃からみんなで海に行くといった、今でいう“陽キャ”な遊び方をする仲間なんていませんでした。19歳からは仕事として音楽を作り始め、海に遊びに行くヒマもカネもない日々でした。なので「男女大勢で海に遊びに行って、浜辺でビーチボールでキャッキャ言いながら遊んでみたかったぞこの野郎!」「この曲にあわせて、陽キャどもみんなで夏に浜辺で盛り上がりやがれコンチクショー!」といった怨念がこもった曲だ、と取材では半分冗談で言っていたものです。何しろ、この当時もひたすら毎日薄暗いスタジオでレコーディングをしているか、ライブハウスでライブをしているかの日々でしたから。

 こうして作った曲を私が編曲とコーラスも担当し、86年4月にリリースされたのが『シーズン・イン・ザ・サン』です。うれしいことにとても長く愛される作品になり、TUBEにとっても私にとっても大きな飛躍のきっかけとなりました。

 さらに私が85年にリリースした『NIGHT WAVES』というアルバムの1曲を、近藤真彦くんが気に入ってずっとライブで歌ってくれていました。それがとても評判が良いので、シングルカットしたいとの話をいただいたのです。そこで急遽、当時私のライブをやっていたバンドで、ライブバージョンのアレンジのままレコーディングしました。それが86年9月にリリースされた『BABY ROSE』です。数年前、近藤くんのライブに招待していただいた際、一番盛り上がる場面で歌ってくれ、とてもうれしかったです。

 こうして86年は『シーズン・イン・ザ・サン』『BABY ROSE』のおかげで、音楽家としてかなり注目されるようになりました。

 ■織田哲郎(おだ・てつろう) シンガーソングライター、作曲家、プロデューサー。1958年3月11日生まれ。東京都出身。現在「オダテツ3分トーキング」をYouTubeで配信中(毎週土曜日更新)。

 9月6日に東京「赤羽ReNY alpha」にROLL−B DINOSAUR(ダイアモンド☆ユカイ、織田哲郎、CHERRY、ASAKI、JOE)で出演。

 「織田哲郎ライブ・ツアー2019」は10月19日(土)=大阪・BIG CAT▽20日(日)=名古屋・ReNY limited▽25日(金)=東京・日本橋三井ホールで開催する。

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