【エンタなう】高校の旧友が母校で行う不思議な“同葬会” 「葬式の名人」

 ノーベル文学賞受賞作家、川端康成が少年時代の思い出を描いた作品群がモチーフの映画「葬式の名人」。高校卒業から10年たったある日、突然逝ってしまったクラスメートを送るため、友人たちが母校に集い奇妙な“同葬会”が始まる。

 舞台は大阪府立茨木高校。川端や大宅壮一らを輩出した名門で、自由闊達な校風が後輩に引き継がれている。

 木造アパートで幼い息子と暮らすシングルマザーの雪子(前田敦子)。そこに、高校時代の同級生・吉田(白州迅)の訃報が届く。野球部で吉田とバッテリーを組んでいた豊川(高良健吾)ら旧友が遺体の安置所に集まった。進学校を卒業して、それぞれの職に就いているが、町工場で働く雪子は肩身が狭かった。

 高校時代にピッチャーだった吉田は肩を故障して地方大会を棄権、その無念を知る豊川が「吉田をもう一度、茨高(いばこう)に連れて行ってやりたい」と提案。棺をかついで市内を練り歩き、ひょんなことから母校で通夜をするハメになる。

 青春群像劇にホラーやファンタジーが入り交じり、川端的な魔界ワールドも登場。本作が2作目となる樋口尚文監督が敬愛する大林宣彦作品「HOUSE ハウス」をほうふつさせる場面も。

 初のママ役の敦ちゃんは28歳に見えない若さ。制服姿の過去シーンも違和感ないが、関西弁で気丈にふるまう肝のすわり方には女優としての貫禄が出てきた。

 大阪で先行上映中。20日から全国公開。(中本裕己)

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