BSフジ、ネットで番組の同時配信に乗り出す 権利処理など課題検証で知見蓄積

記事まとめ

  • BSフジがネットで番組の同時配信に乗り出す背景に、放送と通信の融合が挙げられる
  • 同時配信の課題として技術的問題のほか、著作物の2次利用の権利処理が必要となる
  • キー局の同時配信で地方の系列局の視聴率が下がり、広告収入減少につながる恐れもある

CM契約、権利処理…課題検証で知見蓄積 番組のネット同時配信

 BSフジがインターネットで番組の同時配信に乗り出す背景として、急速に進む放送と通信の融合が挙げられる。技術的問題や権利処理に加え、CM契約など民放特有の課題についても検証し、今後の同時配信の拡大に備えて知見を蓄積するのが狙いだ。

 番組を同時配信する課題としては、安定して届けるための技術的問題のほか、同時配信が著作物の2次利用に当たるため、出演者らの許諾を得る権利処理が必要となる。権利処理ができない場合、許諾の得られている別の番組に差し替えて配信することになる。

 また、スポンサーとのCM契約はテレビ放送を前提としている。BSフジは今回、スポンサーから追加の広告料を取るが、キー局などで同時配信が拡大した場合の契約議論は深まっていないほか、キー局の同時配信で地方の系列局の視聴率が下がり、広告収入の減少につながる恐れもある。

 ただ、BSは地上波と異なり、もともと全国放送のため系列局への影響も小さいことから、BSフジは今回の取り組みで、権利処理やCM契約などについての知見を蓄積する方針だ。

 民放キー局はこれまで、技術的検証のため合同で同時配信を試みるなどしているが、24時間の常時同時配信は「事業性の観点から乗り出す考えは現時点ではない」(キー局幹部)のが実情だ。ただ、NHKの常時同時配信は平成31年度中にも始まる見込みで、そうした動向もにらみながら、民放各局は同時配信拡大への備えを進めるとみられる。

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