映画「12か月の未来図」のオリビエ・アヤシュ・ビダル監督 「先生は子供たちに寛容な気持ちで」

映画「12か月の未来図」のオリビエ・アヤシュ・ビダル監督 「先生は子供たちに寛容な気持ちで」

「堅物だった先生が自分を開いていく過程を見てほしい」と語るオリビエ・アヤシュ・ビダル監督

 この春、新たな気持ちで学校の門をくぐる生徒や先生が多いだろう。公開中の仏映画「12か月の未来図」は、名門エリート高校から郊外の貧困地区にある中学校に赴任した教師が生徒たちと触れ合いながら自らも成長していく物語。来日したオリビエ・アヤシュ・ビダル監督(49)は、リアルな教育現場を描くために中学校に2年間通い本作を完成させた。

 主人公は国語教師フランソワ(ドゥニ・ポダリデス)。1年間限定で赴任した中学校には移民が多く、生徒の名前を覚えるのにも一苦労だ。オリビエ監督は「この映画の視点は教師側にある」と強調する。フォトジャーナリスト出身でこれが長編映画デビュー作。「フランスでは鑑賞した教師から『鏡に映った自分を見ているようだった』と評された。2年間密着させてもらったおかげだ」とほほえむ。

 通った中学校では校長が「現実を見てください」と協力してくれた。「フランソワという先生がいて、生徒との接し方、教え方に感心したので主人公のモデルにした。生徒に本当に好かれていた」。映画では学習意欲がなかった生徒たちが、仏の小説家ビクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」に知的好奇心を呼び覚まされる。

 「エリート校の生徒はもともと学習意欲があるので知識を伝達すればいい。学習意欲のない子供たちにいかにして興味をもたせるか。日本の先生には冷静に忍耐強く、寛容な気持ちで子供たちに接してほしいですね」

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