上原ひろみ、10年ぶりソロ・アルバム 「ピアノ奏者としての記録」

上原ひろみ、10年ぶりソロ・アルバム 「ピアノ奏者としての記録」

新作は米映画監督ジョージ・ルーカスが設立したスタジオに招かれて録音した。「体育館みたいに広かった」と話す上原ひろみさん=東京都港区

 ジャズピアノ奏者の上原ひろみ(40)が、独奏だけを集めた作品を10年ぶりに録音した。18日発売のアルバム「スペクトラム」。一人きりでの演奏は、「自分というピアノ奏者の記録」だと話す彼女の、この10年の“進化”がとらえられている。(石井健)

 「独奏だと、ピアノのすべての音が聞こえます。ピアノ奏者としての自分を記録するため、10年に1作は独奏集を作ろうと決めていました」

 その言葉通り、新作は平成21年の「プレイス・トゥ・ビー」以来10年ぶりの独奏集となる。この間、上原は米ベースの巨人、スタンリー・クラークのバンドに参加するなど国際的な活動を繰り広げ、「気づいたら10年たっていました」。

 上原は15年にデビュー。力強く、スピード感あふれる指の運びと多彩なリズム感覚で、ジャズという分野を飛び越え、たちまち世界規模の人気演奏家に。もっとも本人は、「楽屋が個室になって、食事を出してもらえるようになった」こと以外、16年間で変わったものなどないと笑う。

 それでも、「演奏の音色は、年々多彩になっている」という。音色とは「音がまとう雰囲気」。だから、色が並ぶ様子を意味する言葉をタイトルとしてアルバムに冠した。

 もう一つ変わらないことがあるという。「今もピアノを弾くのが本当に楽しい。これ以上楽しいものはないです」

 11月17日のサントリーホール(東京都港区)を皮切りに全国22カ所で、独奏による公演を行う。

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 ■日本ジャズ界、活躍する女性演奏家たち

 日本のジャズ界は、上原の他にも多くの女性演奏家が活躍している。ピアノ奏者の山中千尋(ちひろ)(44)は新アルバム「プリマ・デル・トラモント」をひっさげて、スペイン、中国、日本と演奏旅行で飛び回る。

 新作の題名は、伊語で「新しい明日を希望をもって迎えよう」といった意味。大好きな米ブルーノート・レコードの創立80周年と敬愛する仏ピアノ奏者、ミシェル・ペトルチアーニの没後20周年をテーマに選曲。「令和を迎えて一区切りと言いますか、好きなものを題材に、原点に立ち返って演奏しました」と話す。山中は17年の世界デビュー前、13年にいわゆるインディーズでデビューしていた。その18年前と同様、ピアノトリオとして直球勝負の演奏をしたという。

 山中も上原と同じことを口にする。「私の基本はピアノを弾くこと。そして、弾くことが楽しい」

 10月13、14日はブルーノート東京(東京都港区)に出演する。

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 村田中は、トランペット奏者、村田千紘(32)とピアノ奏者、田中菜緒子(34)がデュオで活動する際に名乗っているチーム名だ。アルバム「スクール・オブ・ジャズ」を作った。ゆったりと美しい演奏が聴ける癒やしの作品だ。

 「ドレス姿よりもこちらのほうが、ふだんの私たちに近いかな」(田中)と、ジャケット写真の撮影に際し、おそろいのピンクのジャージーの衣装を作った。「私たちの音楽を、若い人たちにも聴いてほしい」(村田)という願いを込めたという。9月27日に六本木アルフィー(東京都港区)に出演する。

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