【シネマプレビュー】葬式の名人

 大阪府茨木市が昨年、市制70周年を迎えたのを記念して作られた。3〜18歳を同市で過ごしたノーベル賞作家、川端康成の同名短編など複数の作品の要素を巧みに盛り込んだ。

 その結果、葬儀の席で旧友たちが亡き友を語らうという比較的凡庸な骨格の物語に、遺体を納めた棺を母校に担ぎ込んで起こる騒動という味付けが加わり、軽快でシュール、奇妙で独特の作品に仕上がった。ただ、川端文学に精通していないと理解しづらいという代償も支払った。

 主役の前田敦子の多彩な表情がよい。高良(こうら)健吾、白洲迅、中西美帆らも軽妙。

 20日から東京・新宿バルト9、大阪・梅田ブルク7などで全国順次公開。1時間39分。(健)

 ★★★☆(★5傑作 4見応え十分 3楽しめる 2惜しい 1がっかり ☆は半分)

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