【クリップボード】米ヘアメーク界 「無冠の女王」

 米映画、テレビ界で活躍するヘアメーキャップアーティスト、徳永優子が来日した。9月に米テレビ界最高の栄誉であるエミー賞の受賞を惜しくも逃した。候補に挙がったのは実に4回目。「次のチャンスに挑めということでしょう」と“無冠の女王”は前向きだ。

 神戸市出身の徳永は、16歳から京都で和装を学び、着付け、ヘアメークなどをトータルに手がける「和装スタイリスト」として国内で活躍した。離婚を機に2人の娘を米国で育てたいと2001年に渡米。たまたま、古美術品店で形の崩れた文金高島田のかつらが売られているのを見つけ、修繕を申し出て道が開けた。

 「ヘアメークの腕のいい日本人を見つけた」。古美術品を小道具として映画業界に売っていた店主が連絡したのが、戦前戦後の京都の花街が舞台の映画「SAYURI」(05年)に取りかかっていたロブ・マーシャル監督だった。

 飛び込んだハリウッドは苛烈な競争社会だったが、意地悪をされても「ハリウッドが私の才能に嫉妬している証拠」と受け流し、頭角を現した。「タフでなければ、ハリウッドでは通用しません」と断言するが、2年前から年の半分は日本に滞在し、日本の若い人材の米国進出を手助けする事業などを始めた。切り開いた道のたすきを、次の世代に渡そうとしている。

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