六角精児が早期退職の主人公 「くらやみ祭の小川さん」25日公開

六角精児が早期退職の主人公 「くらやみ祭の小川さん」25日公開

クライマックスで神輿を担ぐ主人公(六角精児、左から3人目)=「くらやみ祭の小川さん」から

 1900年ほど前に創建され、東京都府中市宮町に鎮座する大国魂神社の例大祭「くらやみ祭」を題材にした映画「くらやみ祭の小川さん」(浅野晋康監督、六角精児主演)が、25日からTOHOシネマズ府中などで全国順次公開される。製作に同神社が全面的に協力したほか、みこしの担ぎ手、エキストラも府中市民らが務め、「メイド・イン・府中」の映画となっている。

 府中市に住む56歳の小川秀治(六角)は、思いがけず会社を早期退職することに。第2の人生にいろいろチャレンジするがうまくいかず、ひょんなことから、くらやみ祭を手伝うことになる。認知症の母(水野久美)、バツイチ子連れの長女(佐津川愛美)ら家族の問題も抱えつつ、秀治は祭りへ奮起していく…。

 くらやみ祭は毎年4月30日〜5月6日に行われ、期間中は70万以上の人でにぎわう。「人々が神様を見てはいけないから」と、日が暮れてからみこしが運ばれることなどから、この名が付いたとされる。

 同神社権宮司の猿渡惇さんによると、映画製作のきっかけは、この祭りが「バトルロワイヤル」「佐賀のがばいばあちゃん」などを手掛けたプロデューサー、竹本克明さんの目に留まったことだった。平成27年に突然神社に来て「映画を作りませんか?」と言われた猿渡さんは、「いいんじゃないですか」と軽い気持ちで答えたが、その後、竹本さんは協賛金集めのため市内の企業などに飛び込み営業を始めたという。

 3年ほど市内を回り続けた竹本さんの熱意に押され、製作実行委員会が平成30年7月に発足。同年8月に六角、妻役の高島礼子ら配役が決まり、9月に市内で撮影が行われた。エキストラも市民ら約800人が参加。クライマックスの祭りのシーンは、実際にみこしを担いでいる100人以上が協力した。

 みこしは「本物」を使ったが、撮影日はあいにくの雨予報。屋外でぬらすわけにはいかず、急遽代わりの撮影場所に同市日吉町の東京競馬場を選び、撮影前日に直談判して何とか無事に撮影できたという。

 協賛金が目標の5200万円に到達したのは今年4月末。バタバタ続きだったが、猿渡さんは「いい映画ができた。お祭りを通じて元気になれる。自分に自信をなくしている人に見てほしい」と太鼓判を押す。

 今月10日に同神社で行われた完成報告で、竹本さんは「府中の街を歩きながら映画を作ろうと思い、皆さんの協力をいただき映画が誕生した。府中の皆さんに恩返しをしていけたら」とあいさつした。公式サイトでは市内のロケ地マップも公開している。(吉沢智美)

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