「決算!忠臣蔵」内蔵助役・堤真一 田舎侍の仇討ち小気味よく

「決算!忠臣蔵」内蔵助役・堤真一 田舎侍の仇討ち小気味よく

「脚本が面白かったので出演を決めた」と話す大石内蔵助役の堤真一(寺河内美奈撮影)

 亡き主君の無念を晴らすため、仇討(あだう)ちを果たす赤穂浪士四十七士を描いた「忠臣蔵」。人形浄瑠璃や歌舞伎のほか、これまで300を超えるドラマや映画で映像化されてきた。本作はこれまでの「忠臣蔵」とは違い、赤穂藩筆頭家老、大石内蔵助(おおいし・くらのすけ)が実際に残した決算書を基に討ち入り計画を描いているのが特徴。内蔵助を演じた俳優の堤真一(55)が作品の見どころを語った。(水沼啓子)

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 原作は、山本博文・東大教授による「『忠臣蔵』の決算書」(新潮新書刊)。中村義洋監督が、人物に焦点をあて脚本を手掛けた。「赤穂浪士たちは世間ではヒーロー的な扱いを受けているが、実際はやむにやまれずというか、追い詰められて討ち入ったのではないか。悲惨に描くというよりは、小気味よく描かれている」という。

 兵庫・西宮出身ということもあり、関西弁はお手の物。「怒って返す言葉が『なんでだ』ではなく、『なんでやねん』だと、それだけで何となくコメディーっぽく聞こえるあたりが脚本の妙」と話す。

 内蔵助を支える貧乏な勘定方(経理担当)の矢頭長助(やとう・ちょうすけ)を、時代劇初挑戦のお笑いタレント、岡村隆史(49)がシリアスに演じている。普段の芸能活動ではボケ役だが、劇中では「そんな予算、ありまへんで」と冷たく突き放すツッコミ役に徹していた。「撮影時から抑えた感じですてきだった。脚本のイメージ通りに演じていた」と、岡村の演技を評価した。

 作品について堤は、「正義感に燃えたすごい屈強の武士たちというよりは、田舎の素朴な武士たちが殿様の不祥事のために仇討ちをする物語」と説明。「今までのイメージとは違う忠臣蔵が見られる」と薦めた。

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 22日から東京・丸の内ピカデリー、大阪ステーションシティシネマなどで全国公開。2時間5分。

                

 【あらすじ】300年ほど前、江戸城松の廊下で赤穂藩藩主、浅野内匠頭(あさの・たくみのかみ)が吉良上野介(きら・こうずけのすけ)に斬りかかった。当時の“喧嘩(けんか)両成敗”という法原則に反し、幕府は赤穂藩のお取り潰しと内匠頭の即日切腹の命を下す一方、吉良へのおとがめはなし。赤穂浪士たちは吉良への仇討ちを計画するが、それには大金が必要だ。かき集めた金は800両(9500万円相当)。果たして予算内で討ち入りを決行できるのか…。

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【プロフィル】堤真一

 つつみ・しんいち 昭和39年、兵庫県西宮市出身。「ALWAYS 三丁目の夕日」(平成17年)で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を、「クライマーズ・ハイ」(20年)で同賞優秀主演男優賞を受賞するなど、国内の映画賞を数多く受賞している実力派俳優。

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