東映・多田社長 相次ぐ作品公開自粛ムードに一石投じる「疑問を持っていた」

東映・多田社長 相次ぐ作品公開自粛ムードに一石投じる「疑問を持っていた」

会見する東映の多田社長(左)と白石和彌監督

 東映は20日、都内で会見し、麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧こと瀧正則容疑者(51)が出演する映画「麻雀放浪記2020」を予定通り、ノーカットで4月5日から公開すると発表した。

 多田憲之社長(69)は「容疑が事実であれば決して許されることではないし、大変憤りを感じています」と非難しつつも、作品は別物であるとの考えを表明。

 公開の延期、編集などさまざまな議論があったことを認めた上で、配給元としての判断で公開を決めた。

 瀧容疑者の出演は劇場ポスターやテロップで告知し、前売り券購入者は払い戻しも対応する。
 
 芸能界では、2月にも俳優の新井浩文(40=本名・朴慶培=パク・キョンベ)被告が派遣型マッサージ店の女性従業員への強制性交で逮捕され、主演映画「善悪の屑」が公開中止となった。

 だが、このような傾向に、多田社長は「ちょっといき過ぎだな」との印象を抱いたという。

「みんなで総力を挙げて作ったものをボツにしていいのか、ということに対しては大変はなはだ疑問を持っていた。ただ(不祥事が)東映にあるとは思っていなかった。一瞬、当事者になったときに私自身も悩みました。それでも映画会社の責任として公開したいな、ということを社員に伝えて、やりましょうとなった」と話し、賛否両論が起こることは承知の上で、理解を求めた。

 一方、白石和彌監督(44)も、映画の編集は希望せず「個人が犯した罪と作品そのものには罪はないんじゃないか」と訴えた。

「一様に社会の流れの中で決まっているかのように、何かフタをしてしまうようなことは良くないんじゃないかな。上映できないというのが、あくまでも特例であってほしいなというのは作り手としての願い」

 白石監督は犯罪者の過去作についても「すべて選択の余地がないようにするのは、さすがにどうなんだろうと思いました。ユーザーの方、お客様に判断を委ねるべき。文化にとっての損失。ガイドラインなりを作るべきかなと個人的には思う」との見解を示した。

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