カンヌ映画祭に排除された「ネット配信作品」の将来

 世界3大映画祭の一つ「第72回カンヌ国際映画祭」(14〜25日=現地時間、フランス・カンヌ)の開幕まで1週間に迫った。昨年は、是枝裕和監督の「万引き家族」が最高賞に当たるパルムドールに輝いたが、今年はコンペティション部門にノミネートされた邦画はゼロ。そのため日本での注目度はイマイチだが、カンヌでも目下の関心事は賞レースではないという。

「動画配信サービスのネットフリックス問題の方が注目度が高い。2017年に審査委員長を務めたペドロ・アルモドバル監督が『劇場公開されない映画は受賞するべきではない!』と発言し、カンヌ映画祭でネットフリックスの映画は排除されました。ところがネットフリックスには、もはや無視できないほどの勢いがあり、議論を呼んでいるんです」と話すのは映画関係者だ。

 こうした経緯でネットフリックスの作品はカンヌから排除されたが、同じく世界3大映画祭に数えられるベネチア国際映画祭は出品を認めた。すると昨年、アルフォンソ・キュアロン監督の「ROMA/ローマ」がベネチアの最高賞である金獅子賞を受賞。さらに今年2月には、米アカデミー賞3冠までかっさらってしまったから大変だ。

「カンヌの関係者が歯ぎしりしたのは言うまでもありません」(同)

 すでにコーエン兄弟やスティーブン・ソダーバーグ監督は、ネットフリックスに参入済み。あのマーティン・スコセッシ監督の大作も控えているという。

 映画関係者は「クリエーターは金さえ出してくれればいいですからね。となると、資金が豊富なネットフリックスから良作がどんどん生まれるのは間違いない。今後は映画館よりも、スマホやタブレットで映画を見る方が当たり前になってくるしね」と指摘する。カンヌでも、ネットフリックスの作品を解禁せざるを得ない時が、近いうちにやってきそうだ。

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