来日ローマ教皇に「主戦場」騒動を告発 被害者・藤岡氏が嘆願する“ご指導”

 ローマ・カトリック教会の頂点に立つ教皇(法王)フランシスコ(82)の日本滞在(23〜26日)に合わせ、あの映画騒動の被害を訴える当事者が動いた。

 教皇は24日、被爆地の長崎・広島を訪れ演説し「核兵器のない世界を実現することは可能であり必要不可欠なことだと確信している」と述べ、世界各国の指導者に対応を迫った。25日には東京で東日本大震災の被災者や東京電力福島第1原発事故の避難者と交流する。

 その教皇に手紙を出したことを明かしたのが教育研究者の藤岡信勝氏だ。本紙既報通り、上智大学大学院生だったミキ・デザキ監督による慰安婦をテーマにしたドキュメンタリー映画「主戦場」に「だまされて出演させられた」として、藤岡氏は上映中止を求めて提訴している。

 そもそもデザキ氏が「卒業制作」として保守系論客の藤岡氏にインタビュー依頼してきたが、藤岡氏は「善意で無償協力したが“歴史修正主義者”などのレッテル貼りと一方的な攻撃、切り取り、ねじ曲げを行ったうえで、商業映画として公開した。それを主導したのは指導教官。上智大学の研究倫理規定に反している」と語る。

 上智大学はカトリック精神を建学の礎として創立され、教皇が元首であるバチカンと日本を結ぶ特別な大学。だからこそ、かつての教皇ヨハネ・パウロ2世もフランシスコも同大を訪問。

 藤岡氏は教皇への手紙の内容について「書簡ではまず、被爆後の長崎で米兵が撮った『焼き場に立つ少年』の写真を、教皇が戦争の悲惨さと平和の大切さを教える教材として信徒に普及するように求めたことへの感謝を表し、日本の教育者としてこの課題に取り組む決意を述べています。次に、上智大学が日本社会において果たしてきた大きな役割について見解を述べつつ、それを裏切るように、同大の教授、大学院生が引き起こした研究倫理にもとる不正事件について被害者の立場から訴え、教皇としてご指導をいただくよう嘆願しました」と話した。

関連記事(外部サイト)