大林監督が遺作で取り上げた悲劇のタカラジェンヌ・園井恵子の写真展開催

大林監督が遺作で取り上げた悲劇のタカラジェンヌ・園井恵子の写真展開催

園井恵子が1942年に主演した宝塚歌劇「ピノチオ」の直筆サイン入りブロマイド

 4月に亡くなった大林宣彦監督の遺作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」が11日、兵庫県宝塚市の映画館シネ・ピピアで上映されるのに合わせて、同作で女優常盤貴子(48)が演じた悲劇のタカラジェンヌ・園井恵子の写真展が同劇場で24日まで開催される。物語は、過去にタイムスリップした現代の若者が原爆投下前夜の広島で園井が所属する移動劇団「桜隊」と出会い、桜隊を救おうと奔走する。

 園井は1942年に宝塚を退団後、映画「無法松の一生」にヒロイン役で出演するなど活躍したが45年、慰問公演のため訪れた広島で被爆し、32歳で亡くなった。昨年、歴代のスターやスタッフを顕彰する「宝塚歌劇の殿堂」に新たに加わっただけでなく、先月は幼少期を過ごした岩手県のIGRいわて銀河鉄道・岩手川口駅前に夢を追って旅立った場所として「園井恵子花のみち」が整備された。阪急宝塚駅から大劇場へ向かう「花のみち」をイメージしてのもので、各所で再評価が進んでいる。

 総数20点を展示する写真展を企画した益田裕文氏は「ドラマチックで悲劇的な人生を歩まれた方。岩手では愛され続けている存在で、大林監督作品に通じる戦争の無意味さを感じてもらえたら」と語った。

 大林監督は今作が「あの、夏の日〜とんでろ じいちゃん〜」以来20年ぶりの故郷・広島県尾道市での撮影だった。「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」は尾道三部作として知られる。「海辺の―」の上映が続く尾道の映画館シネマ尾道でも来場した2015年当時のサインや写真が掲げられ、新型コロナウイルスによる営業自粛明けから継続する大林作品の追悼特集を不定期ながら継続していくという。

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