梶芽衣子 渡哲也さんと愚痴った帰り道…それでも「2人とも50年以上やったの」

梶芽衣子 渡哲也さんと愚痴った帰り道…それでも「2人とも50年以上やったの」

<毎日映画コンクール表彰式>田中絹代賞を受賞した梶芽衣子(撮影・久冨木 修)

 「第75回毎日映画コンクール」の表彰式が17日、東京・目黒区のめぐろパーシモンホール(大ホール)で行われ、女優・梶芽衣子(73)が田中絹代賞を受賞した喜びを語った。

 「罪の声」で、星野源が演じたテーラーの過去ある母親を熱演したことが評価されての受賞。日本映画界を代表する大女優の名を冠した賞に、「これほど光栄に思えた賞はございません」と言い切った。

 演技や歌に興味があったわけではなく、スカウトされて入ったという芸能界。「何もできない、分からないで、あっという間に1年が終わった」、「毎日、『ああ、やめたいやめたい』と思っていた」という後ろ向きな駆け出し時代を振り返った。そんな時、映画館で見たのが田中絹代さんの映画「流れる」(56年)だった。自然でリアリティーあふれる演技に感動して、女優を生業としていきたい気持ちが開眼。「あの映画がなかったら、こうしてここにいないと思います」と、天国の田中さんに感謝を語った。

 昨年、死去した俳優・渡哲也さんとは同期デビュー。渡さんとは、撮影所の帰り道で忘れられない思い出があるという。「2人で歩いていると、後ろからスターの車がブアーっと来る。そのたびにほこりをかぶる。『今度ベンツよ、リンカーンよ』って。『ねえ、ああいう車に乗れるまでやる?』って聞いたら、(渡さんが)『男子、一生の仕事にあらず』って。『私も明日にでもやめたい』って言っていて…2人とも50年以上やったの」と笑わせていた。

 女優生活56年目ながら、「56年やってきても、本当の意味での達成感がない。これが私をここまで頑張らせる理由だと思った」と、道半ばであることを強調。「元気で死にたい。欲しいものといったら、元気しかない。この歳になったら分かる」と報道陣に語りかけていた。

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