伊藤かずえの30年モノ「シーマ」を日産がレストア 本人が語っていた“シーマ愛”

伊藤かずえの30年モノ「シーマ」を日産がレストア 本人が語っていた“シーマ愛”

伊藤かずえと愛車「シーマ」

 3月17日、日産自動車は、女優の伊藤かずえ(54)の愛車「シーマ」のレストアを申し入れたと発表した。シーマといえば、1988年に発売されたバブルを象徴する高級車である。彼女のシーマも購入から31年目を迎え、走行距離は26万キロを突破している。その修理、復元をなぜ、今ごろメーカー側から申し入れることになったのか?

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 実は「週刊新潮」(16年11月24日号)では、「有名人の自慢の愛車たち」と題したグラビアページで、伊藤のシーマを紹介している。まずはその記事をご覧いただこう。


■5年前の記事


《バブル全盛期を象徴する高級車、日産の初代シーマを、伊藤かずえさんが購入したのは24歳のとき。25年間乗り続けた現在、走行距離は25万キロ以上に達する。

「19歳で免許を取った時から、運転は好きです。父が日産の社員だったので、車といえば日産。初めて自分で買ったのも、日産のエクサというスポーツカーです。車検ごとに乗り換えて、ローレルの次に出会ったのが、このシーマ。ちょっと大きいかなと思ったんですけど、乗り心地がすっごい良くて。瞬発力が高くてアクセルを踏んだ瞬間、後ろがズンッと下がるのが一番好きですね。ほかに乗りたい車がないし、一目惚れでここまで来ました」

 今も日常的に使っているものの、「年代物」ゆえのトラブルも。

「10万キロを超えた頃に、3回エンストしてエンジンを交換。エアサスも2回換えてます。去年はエアコンが壊れて結局、特注で作りました。異常があるとすぐわかりますね。今度故障したら、レストアしてもらおうと思いますが、どれだけお金かかるかなぁ。天井以外の塗装は、父と一緒にセルフでしてます。斑(まだら)になるし時間もかかるんですけどね。最近は近所を走る程度で遠くには行かず、制限速度も守る超安全運転。あと何万キロと決めずに、できるだけ乗り続けたいです」

 オーナーにこれだけ大切にされている、幸せな車である。》


■SNSが日産を動かした


 初代シーマ(FPY31型・セドリックシーマ/グロリアシーマ)は、日産の高級セダンのセドリックとグロリアの上級バージョンとして88年に発売された。“シーマ現象”と呼ばれるほどの人気車となった。ちなみに伊藤の愛車はセドリックシーマで、V型6気筒3リッターのVG30DET型ターボエンジン(最高出力255馬力=187kW)、当時最新の電子制御エアサスペンションを搭載した最上級グレード「タイプIIリミテッド」(新車価格436万5000円)である。

 当時の記事は、モノクロ写真での掲載だった。ご興味のある方はデイリー新潮のカラー写真でご覧いただきたい。ボディの塗装はクリア塗装が剥げたのか、はたまたクリアの上から“セルフ”で塗ったためなのか、ザラザラ感が見て取れる。“CIMA”のロゴ周りもちょっと酷い……。内装は25年モノとは思えないほど綺麗に使用されてきたものの、やはりそれなりのヘタリが見受けられる状態だった。

 さらに5年が経ち、彼女のシーマ歴は30年に達した。昨年10月3日の1年点検の際、彼女はSNSに以下のような書き込みをした。

《シーマに乗り始めて今月で30年/今日一年点検してもらったら日産スタッフの方におめでとうございますとお花を頂きました。ありがとうございます》

 1台のシーマに30年乗り続けている、ということがネットニュースになり、昨年10月19日には「とくダネ!」(フジテレビ)でも紹介された。また12月10日には、19歳になる彼女の娘がこのシーマに初心者マークを付けて運転する動画がSNSで公開され、同月27日には走行距離が26万6000キロを突破したことも投稿された。話題が話題を呼んで、どういうわけか製造元の日産にコメントが寄せられるようになったのだ。日産は以下のようなコメントを発表している。

《2020年10月に、伊藤さんの愛車「シーマ」の一年点検の際のSNSへの投稿がきっかけとなり、伊藤さんが30年以上に亘り、この「シーマ」を愛車として大切にされていることが、SNSやメディアで大変話題となりました。この投稿等をご覧になった方から「やっちゃえ、日産!」「日産はレストアを検討して!」といった多くのコメントをいただきました。日産社内でも何かできないのかとの声も上がり、有志によるチームが立ち上がり、伊藤さんへの「日産からの感謝の想い」をレストアという形でお応えする取り組みが開始しました。》(3月17日付 日産自動車)

 日産も「やっちゃえ、日産!」と言われたら、やらないわけにはいかなかったに違いない。この日のうちに、「伊藤かずえさん」「レストア」がツイッターの注目ワードとしてトレンド入りし、日産も大いに株を上げた。

 これに対し、オーナーである伊藤はこう発表した。

《愛車シーマ、日産がレストアしてくれることになったのは、TwitterやInstagram、ブログなどで皆さんが日産にレストアをお願いしてくれたお陰です。本当にありがとうございます》

 なお、日産は伊藤のシーマを半年かけてレストアし、その状況は日産公式Twitterなどで発表していくという。

 自動車メーカーが次々と電気化の方針を打ち出す中、内燃機関を愛するカーマニアたち、ネットユーザーたちが、V型6気筒3リッターの初代シーマに30年以上乗り続けた伊藤を応援し、大メーカーを動かした。ちょっといい話だ。

デイリー新潮取材班

2021年3月26日 掲載

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