イジメっ子「小山田圭吾」の謝罪に不可解な点 当時の学校運営に不満だったという証言

いじめ問題の小山田圭吾がツイッターで謝罪も不可解な点 学校運営に不満か

記事まとめ

  • 東京オリンピックの開閉会式の楽曲を担当する小山田圭吾が過去にイジメをしていた問題
  • 小山田はイジメの事実を認めツイッターで謝罪したが、雑誌側の捏造があることを示唆も
  • 母校の要職者は小山田が学園の運営に不満を抱いていたようだと証言したという

イジメっ子「小山田圭吾」の謝罪に不可解な点 当時の学校運営に不満だったという証言

イジメっ子「小山田圭吾」の謝罪に不可解な点 当時の学校運営に不満だったという証言

小山田圭吾

 東京オリンピックの開閉会式の楽曲を担当する小山田圭吾(52)が、小中高生時代に障がいのある同級生らに対してイジメを繰り返していたことが取り沙汰され、SNS上では五輪への関与の見直しを求める世論が高まっている。一方、小山田は7月16日夕になってツイッターに謝罪文を掲載したものの、五輪の音楽担当は留任するとした。問題は大きくなるばかりだが、組織委員会が対応する気配はない。この五輪のコンセプトの1つは「多様性と調和」であるものの、それはお題目に過ぎないようだ。

 小山田はツイッターでイジメを認めた。

「非難されることは当然であると真摯に受け止めております」(コーネリアスのツイッターより)

 小山田が高校を卒業してから34年が過ぎているが、未だ謝罪していなかった。

「私が傷付けてしまったご本人に対しましては、大変今更ではありますが、連絡を取れる手段を探し、受け入れてもらえるのであれば、直接謝罪をしたいと思っております」(同ツイッターより)

 ツイッターによる小山田の発言には不可解な点もある。イジメの事実は、小山田本人が「ロッキング・オン・ジャパン」(1994年1月号)と「クイック・ジャパン」(1995年3号)のインタビューで自ら語ったはずなのに、雑誌側の捏造があることをほのめかしている。

「記事の内容につきましては、発売前の原稿確認ができなかったこともあり、事実と異なる内容も多く記載されておりますが、学生当時、私の発言や行為によってクラスメイトを傷付けたことは間違いなく、その自覚もあったため、自己責任であると感じ、誤った内容や誇張への指摘をせず、当時はそのまま静観するという判断に至っておりました」(同・ツイッターより)

 つまり、イジメ自体を行っていたのは事実だから、雑誌側に捏造された部分も受け入れたと言いたいらしい。なぜ、誤った記述を受け入れたのか。しかも自分の名誉に関わる話である。本来は訂正させるのは、当然の権利だ。今になってこう発言するのは、雑誌のせいにするのが火消しには一番だと考えたのではないか。

 小山田のイジメが物議を醸し始めたのは7月14日。小山田が開閉式の楽曲を担当することが発表された直後から、「ロッキング・オン・ジャパン」と「クイック・ジャパン」のインタビューがSNSで拡散された。小山田の起用が相応しくないと考えた人たちが広めたのだ。これを見た人たちから「五輪に携わるのはおかしい」という声が次々と上がった。

 声の高まりを受け、デイリー新潮はイジメの現場である母校を取材したところ、要職者が「事実関係を調べ、対処しなくてはならないと思います」と沈痛な声で語った。

 片や東京都オリンピック・パラリンピック準備局は「(小山田が関係する)開会式は組織委員会の管轄ですから」と、どこ吹く風。その組織委は見解すら出していない。

 組織委はこの問題を無視している形なので、五輪に携わるかどうかは小山田の考え次第。結局、五輪からは離れないと声明した。

「熟考した結果、自分の音楽が何か少しでもお力になれるのであればという思いから、ご依頼を受けるに至りました」(同ツイッター)


■イジメの内容は


 では、小山田のイジメとはどんなものだったのか。本人のインタビューによると、イジメは小学校から高校までずっと行っていた。小山田が通っていたのは自由な校風で知られる私立の小中高一貫校である。

「全裸にしてグルグルにひもを巻いてオナニーさしてさ。ウンコ喰わしたりさ。ウンコ喰わした上にバックドロップしたりさ」(「ロッキング・オン・ジャパン」)

「クイック・ジャパン」のインタビューによると、小学校の時には障がいのある同級生の体をガムテープで巻き、身動きが取れないようにして、段ボールに入れたという。

 同じ同級生のことは高校生時代にもイジメた。みんなでジャージを脱がせ、下半身を露出させた。

「女の子とか反応するじゃないですか。だから、みんなわざと脱がしてさ、廊下とか歩かせたりして」(「クイック・ジャパン」)

 中学の時の修学旅行では違う同級生を、留年した先輩と一緒にイジメている。この同級生にも障がいがあった。小山田は先輩と一緒になって同級生に自慰行為をさせている。

「クイック・ジャパン」にはほかにもこんな下りがある。

「掃除ロッカーの中に入れて、ふたを下にして倒すと出られないんですよ。すぐ泣いてうるさいから、みんなでロッカーをガンガン蹴飛ばした」

「マットの上からジャンピング・ニーパットやったりとかさー。あれはヤバいよね、きっとね」

 障がい者の容姿を侮蔑する発言や人種差別を助長しかねない発言もしている。

 小山田がイジメた同級生の1人は中学時代、自殺も考えたという。「クイック・ジャパン」が派遣したスタッフの取材に同級生の母親が答えた。


■学校運営に不満?


 識者はどう見るか。デイリー新潮の取材に上智大学文学部新聞学科教授・水島宏明氏はこう語った。

「五輪憲章に最も反する行為ですから、小山田氏の行為が事実なら、開会式への関与を見直さなくてはならないでしょう」

 五輪憲章はいかなる差別も禁じている。また水島教授は「小山田氏が関与するのは国際的に見ても恥ずかしいこと」と話す。

 脳科学者の茂木健一郎氏もツイッターで「これはキツい。外すしかないかも」発言。さらに、こう記している。

「小山田圭吾さんのこと、もしこの時点で(開会式の)音楽を変えるとか難しいとかいうことがあったら、やはりもはやご本人が出てきて会見なさって、あの時点の自分と今の自分は違う、深く反省して違った人間になっているということをおっしゃるしか、おさまり方はないように思う」(茂木氏のツイッター)

 だが、小山田の事務所の電話は留守電になったまま。デイリー新潮を含めたマスコミ各社の取材に応じなかった。そして突然、ツイッターで発信した。

 前出の母校の要職者は「どうやら小山田さんは学園の運営に不満を抱いていたようなんですよ……」と声を落とす。だからといってイジメは正当化できるものではない。

 小山田は「ロッキング・オン・ジャパン」と「クイック・ジャパン」の記述に事実と違う部分があるというのなら、それを指摘し、何が真実なのかを表明すべきではないか。小山田のイジメによって自殺を考えた人がいたり、人種差別を助長しかねない発言をしたりしていたら、水島教授の言葉どおり、国際的に恥をかく。

 組織委は小山田の起用理由を説明すべきだろう。小山田のイジメ問題を事前に認知していたら、それでも使いたかった理由を説明しなくてはならないはずだ。

 トラブル続きの五輪になった。

 まず2015年、新国立競技場の総工費が当初の約1625億円から約2520億円まで膨張していることが分かり、世論が猛反発。「誰のための五輪だ」という声が上がり始めた。

 結局、国は世論を抑えられないと判断し、ザハ・ハディド氏がデザインした競技場建設計画を白紙撤回した。代わりに隈研吾氏のデザインが採用されて、総工費は約1569億円に抑えられた。

 だが、同じ2015年、今度は大会エンブレムの盗用疑惑が持ち上がる。これも決まっていたデザインが白紙になる。

 2019年には桜田義孝・五輪パラリンピック担当相が辞任に追い込まれた。「(五輪憲章を)読んでいない」といった数々の無責任な発言が問題視された。

 2020年にはコロナ禍を理由に開催の1年延期が決定する。今年2月には組織委の森喜朗会長がJOC評議員会で「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」などと女性蔑視発言を行い、辞任に追い込まれた。

 さて、小山田の問題を組織委はどうするつもりか。「時間がない」では済まされないだろう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

デイリー新潮取材班編集

2021年7月17日 掲載

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