最強のママタレ「仲里依紗」 YouTubeで見せるタブーなき私生活の中身

最強のママタレ「仲里依紗」 YouTubeで見せるタブーなき私生活の中身

仲里依紗

 最も成功しているママタレは誰か? それは仲里依紗(31)だと芸能界内では言われている。本業の女優として売れている上、母親の立場を買われて複数のCMに登場し、YouTuberとしても成功を収めているからだ。

 ママタレとは育児をしながら活動し、なおかつママの立場が仕事に生きている芸能人のこと。この言葉が生まれてから約10年が過ぎた。

 ママタレというと、バラエティ番組に母親の立場で登場する辻希美(34)や藤本美貴(36)、小倉優子(37)を思い浮かべがちだが、芸能関係者らが「最も成功している」「最強のママタレ」と口を揃えるのは仲里依紗である。

 確かに女優としてほぼ切れ目なくドラマに出演している。さらに3社のCMに登場。うち2社はママの立場を買われたものだ。

 YouTuberとしてもチャンネル登録者数が147万人に達している。ディズニー公式YouTubeの約150万人に迫る数字だ。仲の動画には時に7歳になる長男も黒眼鏡をかけて登場し、母子愛を見せている。

 仲がYouTubeを始めたのは昨年4月のこと。現在は水曜日と土曜日に新しい動画をアップしている。

 仲の動画の再生回数は1件につき約65万回から100万回以上。そのデータから推算すると、YouTubeでの収入は少なくとも年間3000万円前後に達している。

 主演ドラマに出演した際のギャラは1話に付き100万円から300万円程度だから、年間3000万円は大きい。わけても最近はドラマのギャラが抑えられているから、ほかの女優たちにはうらやましいだろう。

 なぜ、仲の動画が人気を博しているかというと、単純に愉快なものばかりだからだ。女優のタブーに挑戦しているものも少なくない。

 8月18日にアップした「カバンの中身をマジの抜き打ちでやったら地獄すぎて化石出てきた」と題する動画では普段使っているトートバッグの中身をさらした。仲が「できたてホヤホヤの汚いバック」「抜き打ちなのでグッチャグチャです」と断った後、公開が始まった。

 出てきたのはパン2袋(うち1袋は正味期限切れ)、1週間間くらいそのままのタオル、飲みかけの炭酸水、タクシーの領収書2枚、目薬、パフュームなど。幸運を呼ぶと言われている金ピカの財布も出てきたが、「(これを持ってから)何か変わったかというと、ほぼない」そうだ。

 後ろめたいものは入ってなかったものの、夢を売るのも仕事である女優としては大胆な行為だった。

 2つあったパンのうち、賞味期限切れのほうは仲が買ったもので、マネージャーが購入したものは新しかった。これを仲はどちらも食べると宣言した。

「パンはカビが生えるまでは大丈夫だろうという感覚の持ち主なので」「冷凍すればたぶん一生大丈夫」(仲)。フードロスに反対する精神は見上げたものだが、マネをするのは危険だろう。なにより、賞味期限切れのパンを食べると口にする女優はほかにいないはずだ。

 8月14日にアップされた動画の題名は「ノーカット動画で風呂入ったらカオスすぎてチャンネル登録解除されそう泣いたあまりにもやばかったら消したい動画ナンバーワン」。なにやら艶めかしい題名だが、仲の肌が映ったわけではない。

 仕事後の未明に帰宅した仲が、入浴スピードの世界最短記録を目指したもの。ところが新記録とは到底思えない約10分という平凡なタイムが出てしまい、おまけにその間は浴室の壁など無機質な映像と仲の声しか流れなかった。

「10分って凄く遅くない? しかも、みんなこれをずっと見させられていたということ?」(仲)

 落ち込んだ仲。だから題名が「(動画が面白くならず)チャンネル登録解除されそう泣いた」なのである。

 宮迫博之(51)のようにテレビに活躍の場がなくなったのでYouTubeに活路を求めるという芸能人は数多い。すると、プロのYouTuberに対抗するため、編集や撮影方法などのテクニックを磨く。

 半面、仲のように売れっ子の女優がYouTubeに本格的に進出する例はまだ少ない。にもかかわらず、仲のテクニックは手慣れたものである。

 YouTubeを始めたのは本人の意思だった。体重や生理前の憂鬱まで正直に明かしたので、視聴者は親近感を抱いたようで、たちまち人気YouTuberになった。今も登録者数は増え続けている。特徴は同性の支持が厚いことだ。

 2013年4月に結婚した夫の中尾明慶(33)もYouTuberだ。やはり昨年4月に始めた。仲と中尾は「夫婦ゲンカはしたことがない」と公言し続けてきたが、同時期にYouTuberになったところにも夫婦仲の良さが表れている。ちなみに仲は動画内で中尾を「きつねさん」と呼び、長男のことは「トカゲくん」と称している。

 円満な2人は育児も家事も分担してやってきた。中尾が家計簿をつけるなどの経済面を担当する一方、炊事洗濯などは仲が中心になってやっている。夫婦仲の良さは人気ママタレになるための必須条件だ

 実際、離婚や別居で人気ママタレの座から滑り落ちたケースは少なくない。例えば2018年に歯科医の男性と再婚し、3児の母となった小倉優子(37)の場合、2019年に別居すると、妻の立場役で出演していた紳士服量販店「はるやま」のCMが終了した。

 仲の場合、円満夫婦だからこそ依頼があったと思われるCMが、花王ワイドハイターEXパワーと味の素コンソメのCM。前者のCMでは仲が溌剌と洗濯に臨み、後者のCMでは明るく料理に取り組んでいる。ママタレの勲章と呼べる仕事である。

 昨年は中尾と2人で地震保険とスケジュール管理アプリ・TimeTreeのCMに出ていた。どちらも夫婦役で登場した。説明するまでもなく、夫婦仲の良さが知られているからの起用だった。

 仲は現在、アドビの編集ソフト「Adobe Premiere Pro」のCMにも出ているが、これはYouTuberだからに違いない。役得だ。

 本業の女優業ではTBS「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」に出演中。主人公の医師・喜多見幸太(鈴木亮平、38)の元妻でやはり医師の高輪千晶役である。敵の多い喜多見を側面支援する一方、自分は敏腕の心臓外科医。おいしい役柄である。

 4月期はテレビ朝日「桜の塔」に出ていた。主人公の警察官僚・上條漣(玉木宏、41)の妻・優愛に扮した。上條の愛情に疑問を感じながら、それでも離れられない哀しい女性役である。やはり良い役だった。

 脇役とは無縁。それはデビュー当初から。デビュー映画がいきなり主演の「アイランド タイムズ」(2006年)。やはり主演した映画「純喫茶磯辺」(2008年)でヨコハマ映画祭最優秀新人賞などを得た。恵まれた道を歩み続けている女優なのである。知名度は2010年のリメイク版「時をかける少女」に主演し、決定的になった。

 生まれは長崎県。祖父がスウェーデン人でクオーターだ。中学生だった2004年、少女漫画雑誌のオーディションで特別賞を得たことから、上京して芸能界入りした。

 仲の最大の魅力は何かというと、それはカラリと陽性の気性だろう。演技力やルックスも見る側を引き付けるが、他を寄せ付けないのは底抜けの明るさだ。

 YouTubeでは高級ブランドのアウトレット品などを豪快に爆買いする一方、サーティーワンのバケツタイプのアイスを、容器を抱えてムシャムシャ食らう。

 長男・とかげくんとの触れ合いも気取りが感じられず、小気味よい。

 ママとしてはまだ若い仲。より強力なママタレに成長しそうだ。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

デイリー新潮取材班編集

2021年9月5日 掲載

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