「絶対に笑ってはいけない」中止の全内幕 名指しされた“石橋を叩いても渡らない人”

「絶対に笑ってはいけない」中止の全内幕 名指しされた“石橋を叩いても渡らない人”

ダウンタウンの2人

 日本テレビは年末の風物詩「絶対に笑ってはいけない」シリーズを今年は放送しないことを決定した。BPO(放送倫理・番組向上機構)が“痛みを伴う笑い”について審議することを発表して以来、「笑ってはいけない」もその対象になるのではないかと言われていた。しかし、実際の審議は、まだ行われていないというのにだ。いったい、なぜ中止が決まったのか。

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 BPOの放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)が、「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」を審議対象としたのは8月24日のことだった。

 デイリー新潮は「『浜ちゃん』大ピンチ? BPOが“痛みを伴う笑い”を審議でバラエティー番組に激震」(9月4日配信)で、バラエティ番組の“罰ゲーム”や“ドッキリ”“ツッコミ”も危ないこと、それらは青少年委員会の設立当時からの標的だったことを報じた。ダウンタウンの番組そのものが危ないと報じたメディアも多い。

 これに対し当の松本人志は、9月5日放送の「ワイドナショー」(フジテレビ)でこう発言している。

松本:僕なんか腹が立つのは、ネットニュースで「ダウンタウンの番組はどうなるのか」と対立を煽ること。BPO対ダウンタウンみたいにね。僕はどちらかと言うと、BPO側だからね。年末の番組とか、むしろやめたい。

 笑いに転化してみせた。そもそも青少年委員会は「個別の番組を対象とするものではない」と言っており、9月末の審議にすら入っていない。

 にもかかわらず、日テレは松本の発言を真に受けたのか、今年の「笑ってはいけない」の中止を決定した、と同局の関係者は言うのだ。


■標的はドッキリ企画?


「業界では、審議対象となった番組は『芸能人が考えた!ドッキリGP』ではないかと言われています。BPOが発表した視聴者からの意見として、《ドッキリ企画で、芸人に催眠術をかけて記憶を消し、何度も同じドッキリを仕掛けて皆で大笑いしていた。人の記憶を操作するなど倫理的に許されない。子どもに悪影響を与える》というものがありましたが、この企画は『ドッキリGP』ですからね。また、最近はSNSでも、ニホンザルを使ったドッキリに対し、動物虐待ではないかという声も出ていますからね」

《仕掛け人であるマネージャーがターゲットであるタレントに対して本人を侮辱する暴言を浴びせて怒らせる、というドッキリに非常に不快感を抱いた。激昂したターゲットが仕掛け人に手をあげる寸前だった。傷害事件になりかねない。制作者や放送局の常識を疑う》という声もあった。

「それはTBSの『水曜日のダウンタウン』です。7月21日の放送では、つまみ枝豆さんをガチギレさせて話題になりましたが、その放送に対しての意見だったのかもしれません。いずれにしても『笑ってはいけない』ではなかった。それでも中止を決定したのは、社長の意向と言われています」


■現場を知らぬ慎重派


 6月29日、日テレの新社長に杉山美邦氏が就任した。

「前任の小杉善信氏は叩き上げで、バラエティの現場も経験した社長でしたから、『24時間テレビ』は“どういう形になろうが必ずやる!”と宣言したり、“コロナ禍だからこそ『24時間テレビ』や『絶対に笑ってはいけない』を放送すべき”と言うなど、根っからのテレビマンでした。対して杉山社長は、読売新聞からの出向組です。テレビ局の現場や制作などをよく知りませんし、石橋を叩いて渡らない慎重派タイプと聞きます。今回、BPOの審議入りの事例を重く受け止め、自局の『笑ってはいけない』シリーズの中止を決断したようです」

 現場からは不満の声が上がりそうだが。

「社長の決定ですし、もしかすると『笑ってはいけない』以外のバラエティ番組にもメスが入る可能性だってあります。確かに『笑ってはいけない』シリーズは罰ゲームが目玉でしたし、そもそも『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の罰ゲームとして始まった番組ですからね。NHKの『紅白歌合戦』のウラで、松ちゃんや浜ちゃんがケツバットされるのを家族で笑いながら年越しできる面白い番組だったのですが、とても残念です。松本さんはこの決定をどう考えているんでしょうか」

 前述した「ワイドナショー」で、BPOに対する松本の発言は以下のように続いた。

松本:ギリギリのルールを攻めて面白くしたい。でも、ルールが変わっていく。第3のビールみたいに、発泡酒ですよと。願いが叶うなら、僕をBPOに入れていただきたい。僕はいいんですよ。もう数年で辞めるんで、いや、本当に、本当に……。

デイリー新潮取材班

2021年9月21日 掲載

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