櫻坂46 新センター「田村保乃」の素顔 けやき坂46の三次オーディションを欠席したワケ

櫻坂46 新センター「田村保乃」の素顔 けやき坂46の三次オーディションを欠席したワケ

田村保乃

 櫻坂46の約6ケ月ぶりとなる新曲『流れ弾』は、10月19日付オリコン週間シングルランキングで初週推定売り上げ37万6000枚を記録し、初登場1位を獲得した。「欅坂46」からの改名後に発売した1stシングルから、3作連続で週間1位を達成したことになる。また、Billboard JAPAN総合ソング・チャート“JAPAN HOT 100”の記録では、初週売り上げ40万7334枚で、こちらも初登場1位となった。

 注目は新センターに抜擢された2期生の田村保乃である。センター起用が決まった直後に発売された1st写真集『一歩目』は週間売り上げ5万部を超えと、オリコン週間BOOKランキングとジャンル別“写真集”部門でともに1位を記録した。今、グループ内で最も“乗りに乗っている”メンバーだ。

 生年月日は1998年10月21日生まれの現在23歳。出身地は大阪府で身長は163センチ、血液型はA型で、メンバーやファンからは“ほの”や“ほのす”、“ほにょ”などのニックネームで呼ばれている。この“ほの”という名前だが、実は他に“このみ”という候補があった。母親のお腹の中にいたとき、「ほの」と呼びかけたらお腹を蹴ったので“保乃”になったという。

 彼女を語るうえで欠かせないのが運動神経の良さである。6歳でバレーボールクラブに入会し、歴はざっと15年。特に高校では強豪校に進学し、朝の5時に起きて夜の10時に帰ってくるというバレー漬けの日々を送っていた。大学もスポーツ推薦で入学したというから、その実力のほどが知れるというものだ。

 そしてバレーと同じくらいハマったものがアイドルだった。小学4年生のとき、当時トップアイドルだったAKB48の前田敦子に夢中になり、部活が休みの日にライブや握手会に参加するように。高校3年生のときに、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で欅坂46のデビュー曲『サイレントマジョリティー』のパフォーマンスを観たことで、今までのアイドルからは経験したことのない衝撃を受けたという。

 ちょうどそのころ、自分の実力ではバレーで上のレベルで活躍することは難しいことを悟った。結局、保育士の資格も目指せる大学に進学した。そして2018年の夏、坂道合同オーディションが開催されることに。現役メンバーに会えるという軽い気持ちで事前のセミナーに参加したところ、なんと書類審査免除の“1次審査シード権”を獲得してしまった。これをきっかけにアイドルになることを真剣に考え始め、オーディションに挑戦していくことを決意。見事合格したのである。坂道3グループ合同で開催されたこのオーディションは、13万人近い応募者があったが、合格者はわずか39名だった。まさに“選ばれし人”なのだ。


■異例の抜擢


 同年11月29日には2期生として欅坂46への配属が決定したのだが、ここでいかに彼女が運営サイドから期待されていたかが分かるエピソードがある。直後の12月4日夜に同じ2期生3人と『うたコン』(NHK総合)の生放送に出演し、1期生とともにパフォーマンスしたのだ。このときグループに配属された2期生は全員で9人。しかもこれまでは“お見立て会”というファンへのお披露目イベントを経てからテレビ番組に出演……という流れが一般的だったから、いかに異例かがお分かりになるだろう。テレビを見ていたら、知らないメンバーが3人いる! と驚いたファンもいたほどだった。

 さらに彼女にとって大きかったのは、翌年に開催された欅坂46『夏の全国アリーナツアー2019』東京ドーム公演のアンコールと同年の『NHK紅白歌合戦』で披露された『不協和音』である。グループの代表的楽曲ともいえるこの曲でファンの注目を集めたのが、卒業した長濱ねるが担当していた「僕は嫌だ!」の2番パート。その重要ポジションを引き継いだのが田村保乃だったのだ。

 前者のリハーサルでは初めてこの曲を踊ったときには、ステージに立つことすらためらったという。だが、覚悟を決め一心不乱に全力パフォーマンス。終わってみたらまったく何も覚えていなかった、そうだ。そして『紅白』でも大舞台という重圧に負けることなく堂々とやりきった。この瞬間、グループの未来のセンターがはっきりと“見えた”のである。


■意外な素顔


 前述したように体育会系だったため、バリバリの熱血少女と思われる人もいるかもしれない。だが、その素顔は実に女の子らしいのである。冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系・毎週日曜24:35〜・以下、『そこさく』と略)の“モテメンバーグランプリ”という企画で“彼女にしたいメンバー”第1位に選ばれていた。選出理由も「女の子がいっぱい詰まった感じで可愛いから」や「とにかく可愛いです。あの笑顔にやられない人はいないと思う」など、とにかくベタ誉めの嵐であった。なかでも笑ったときにできる右頬のえくぼが魅力的で、他の番組でもほぼ100%笑っているのが実に印象的だ。彼女の笑顔を観るこちら側も「ああ、なんかいいなぁ」と思ってしまうのである。

 自分を飾らないところも彼女の魅力の一つだろう。『そこさく』の前身番組である『欅って、書けない?』初登場時に「私、バカでお勉強が苦手」発言が飛び出したのがその際たるもの。ここまで堂々と言われるとある種、気持ちがいい。

 初めて受けたオーディションの話も面白い。実は坂道合同の前にけやき坂46(現在の日向坂46)のオーディションを受けており、二次審査まで合格していた。ところが、なんと合格通知に気づかず、三次審査を受けられず。もし受けていたら合格していた可能性がかなり高かったと思われる。グループの歴史は変わっていたかもしれない。

 このように純粋、純朴、素朴、そして天然な子だが、この“可愛らしさ”と“純粋さ”に目をつけたテレビ番組があった。テレビ朝日系で土曜の夜に放送中の人気バラエティ『あざとくて何が悪いの?』である。同番組内の連続ドラマ企画“あざと連ドラ”に出演したのだ。今年7月の放送で“あざと小ボケ女子”の役で初出演を果たしたのだが、可愛さのなかにも不安げな表情を浮かべる絶妙な演技を披露し、スタジオ中が絶賛の嵐だった。このときの演技が評価され、同番組のミニドラマ第3弾となる『あざとくないと恋はできない?』ではヒロインを務めることになる。MC陣の一人である田中みな実が初登場時に「この子、可愛いね」とベタほめしたことが影響したのかもしれない。田中は今、女性芸能人の中で最も女子ウケが高いとされている一人。その彼女にハマったことで、田村にも女性視聴者の注目が集まることは確実だといえよう。

 こうして乗りに乗った状況で田村保乃は初のセンターに抜擢された。その楽曲『流れ弾』は疾走感のあるリズムとラップのような韻を踏んだ歌詞が特徴的だ。自分には何の非もないのに知らないところで悪者になっているという“理不尽”な内容だが、最後には“愛”を訴えるメッセージが発せられている。1stと2ndの曲でセンターを務めた森田ひかるは20歳だから、田村は3歳年上になる。この曲の世界観をセンターで表現するためには“大人っぽい”雰囲気・空気感がどうしても必要だったと思われる。

 欅坂46から櫻坂46に改名したことで、クールさに“女性らしさ”も加わったグループを目指していく。“桜”ではなく“櫻”の字が使われているのも日本古来の奥ゆかしさや女性らしい凛としたイメージを持たせるため。その象徴となるのが他ならぬ新センター・田村保乃なのである。

上杉純也

デイリー新潮編集部

2021年11月16日 掲載

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