日テレがディズニーと組んで「金田一少年の事件簿」を世界配信 手放しでは喜べない事情も

日テレがディズニーと組んで「金田一少年の事件簿」を世界配信 手放しでは喜べない事情も

「金田一少年の事件簿」公式サイトより

 4月24日、なにわ男子の道枝駿佑(19)が主演する「金田一少年の事件簿」(日本テレビ)がスタートした。それと同時に、定額制動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」でも配信されていることをご存知だろうか。日テレ制作の連ドラがディズニープラスで配信されるのは初めて。もっとも、同じようにTVerとHuluでも配信されている。そんなに配信先を増やしてどうするの?という声も。

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 金田一少年こと金田一一を演じるのは道枝が5代目。1995年の放送開始以来、ジャニーズの歴代アイドルが主演を引き継いできた。ちなみに、初代はKinKi Kidsの堂本剛(43)、2代目が嵐の松本潤(38)、3代目がKAT-TUNの亀梨和也(36)、4代目がHey! Say! JUMPの山田涼介(28)である。

 定額料金でディズニーアニメはもちろん、ピクサー、マーベル、「スター・ウォーズ」まで見放題のディズニープラス。さらにジャニーズまで見られるとあっては、ファンにはお得感がいっぱいかもしれない。ただ、同様に定額有料配信のHuluにとっては、客を取られかねない迷惑な話ではないだろうか。その親会社である日テレにとっても……。日テレ関係者は言う。

「日テレは14年にHuluを買収し、グループ会社として傘下に収めました。その後、地上波放送で積極的にPRし、日テレのバラエティ番組やドラマなど多くのコンテンツを配信してきましたが、最近は加入者が伸び悩んでいました。そこで、国内のみならず海外でも視聴できる配信サービスとの提携を始めたのです。『金田一少年の事件簿』も英語タイトルは『The Files of Young Kindaichi』といった具合です」

 もっとも、この動きは日テレだけではないというのは放送記者だ。


■TBSは新会社設立


「TBSは自ら出資している有料配信サービス『Paravi』があるものの、昨年、『日本沈没〜希望のひと〜』など新作3本をNetflixで配信すると発表しました。また、昨年10月に日本のドラマやアニメを世界配信する方針を固めたばかりのディズニープラスでは、TBSの『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』を配信。今期の二宮和也が主演する『マイファミリー』もディズニープラスで配信されています。TBSは海外戦略を担当する新たな子会社を稼働させると発表しており、本格的に世界配信をやっていこうとしています」

 こちらも「Paravi」にとっては迷惑な話だろう。ところが、そうも言っていられないという。

「『Paravi』は世界的なコンテンツを持っているわけではありませんからね。来年には宮藤官九郎と大石静が共同執筆し、松坂桃李、仲里依紗、錦戸亮らが出演する『離婚しようよ』をTBSが制作し、Netflixで全世界同時配信されるそうです。地上波での放送予定は今のところありません。海外の大手配信サービスと独占契約することで、制作費を確保できるというメリットがあると言われています」


■地上波離れに拍車も


 前出の日テレ関係者が言う。

「日テレは地上波放送の年間視聴率三冠王を11年連続で獲得してきました。その一方で、HuluやTVerの配信にも力を入れてきました。これらは地上波放送からのテレビ離れを助長してしまったかもしれません。視聴者のテレビ離れは、スポンサー離れによる減収減益となって跳ね返りました。そうした中、唯一、コンテンツビジネス展開で増収増益を見込めるのが、ドラマの海外配信でした。かつての海外への番組販売のように、国ごとに個別に売るのではなく、配信サービスと協業することで効率的に世界に配信できます。そのため、収益が見込める配信サービスへ積極的にドラマコンテンツを提供していこうとしているのです」

 日テレの杉山美邦社長は、昨年11月の定例会見で「海外市場はわれわれにとっても開拓するべき大きなマーケット」と語っていた。

 なんだか地上波の視聴者は置いてきぼりにされそうだ。

「日テレの番組がディズニープラスで配信されるのは『金田一少年の事件簿』が初めてとなりますが、昨年10月からNetflixでドラマやバラエティなど30作品の配信を始めています。配信サービスが伸びれば、必然的にテレビのリアル視聴率は下がります。そのため、今回のディズニープラスでの配信に賛成しないテレビマンも少なくありません。目先の利益を優先した結果、ますます地上波離れに拍車がかかりかねません」

デイリー新潮編集部

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