日テレ「悪女」に敗れたフジ「ナンバMG5」 “新戦略”失敗で早くも出始めた悪影響とは

日テレ「悪女」に敗れたフジ「ナンバMG5」 “新戦略”失敗で早くも出始めた悪影響とは

「ナンバMG5」オフィシャルサイトより

 フジテレビの水曜夜10時のドラマ「ナンバMG5」が苦戦を強いられている。6年ぶりに復活させたドラマ枠で、フジとすればどうしても成功させたかったはずだが、想定外の低視聴率が続いているのだ。結果、出演者側からクレームが来ているそうで……。

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 フジ制作のドラマ枠は、月曜夜9時の“月9”と、木曜夜10時の“木曜劇場”の2つだったが、近ごろの好調を受けて、水曜夜10時のドラマ枠を6年ぶりに復活させた。デイリー新潮でも「フジテレビ 春から水曜22時で日テレとドラマ対決 Aクラス入りを目指す社長への期待」(21年12月19日配信)で報じた。

 その第1弾となる「ナンバMG5」は、人気俳優の間宮祥太朗を主演に迎えた。筋金入りのヤンキー一家に育ち、順調にヤンキー道を極めていたが、高校入学を機に“普通の青春”を目指すが、しがらみから抜け出せず……というヤンキードラマだ。

 だが、初回視聴率は6・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯:以下同)、その後も4・9%、5・3%、4・8%と、決して良くはない。

 ちなみに同じ時間帯の日テレ“水曜ドラマ”は、今田美桜が主演の「悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜」で、こちらも初回視聴率8・5%を皮切りに毎回数字を下げて、5月11日の放送は7・2%に。ドラマに詳しい民放ディレクターは言う。

「どちらも2桁にはほど遠く、決してハイレベルな闘いとは言えませんが、『ナンバMG5』の出演者側から不満の声が噴出しているそうです」

 視聴率で「悪女」に負けているからだろうか。


■映画化の誘い文句


「実は、間宮を主演に迎えるにあたり、フジテレビは“映画化”というニンジンをぶら下げてプレゼンしたそうなんです。新しいドラマ枠はキャスティングしにくいため、間宮のみならず他の出演者も、今後の映画化をチラつかせてオファーしたといいます」

「ナンバMG5」は、視聴者の評判は決して悪くはない。SNSには映画化を望む声もある。何より、ヤンキー一家の愛犬“松”が可愛い……。

「4〜5%の視聴率で映画化に踏み切れるほど、この世界は甘くはありません。映画は何がヒットするか分からないため、ギャンブル性が高いと言われますが、テレビ局が制作する作品は違います。地上波のテレビドラマを映画化するのは、高視聴率を獲得したドラマばかりです。低視聴率のドラマを映画化したところで、製作費が回収できる可能性は低いからです」

 フジには実写邦画の歴代興行収入第1位を誇る「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(03年、主演:織田裕二)がある。


■勝利の方程式


「後にフジテレビの社長となる亀山千広さんがプロデューサーを務めたドラマ『踊る大捜査線』の映画化でした。亀山さんが何本も映画をヒットさせたことで道筋ができ、最近でも山下智久と新垣結衣の『劇場版コード・ブルー ―ドクターヘリ緊急救命―』や窪田正孝の『劇場版ラジエーションハウス』、長澤まさみの『コンフィデンスマンJP』シリーズといった勝利の方程式がある。今年9月公開予定の福山雅治・主演『沈黙のパレード』だって、元々は07年に放送されたドラマ『ガリレオ』シリーズの映画化第3弾です。これを見ても分かる通り、ヒットしたドラマであるかどうかが重視されるのです」

 結局、「ナンバMG5」の映画化の話は立ち消え状態だという。

「映画化の可能性ありという話があったから、新しいドラマ枠でも仕事を受けたという事務所も少なくないようです。初めてのドラマ枠でコケたら俳優の名に傷が付くという不安がある一方で、映画化されればギャラも跳ね上がりますからね。『映画化の話はどうなるんだ!』という声は、主演以外のマネージャーから出ているそうです」

 実際、前例もあったため、余計に揉めているようだ。


■白紙化の前例


「15年にフジ系で放送された関テレ制作の消防団を題材にしたドラマ『HEAT』は、初回放送前に異例の映画化発表を行いました。しかし、平均4・1%という低視聴率だったため、ドラマ終了後に映画化が白紙になったことを関テレの社長が発表。この一件以来、大げさに映画化を発表しないことになりましたが、ドラマプロデューサーが主演をキャスティングするために“映画化”も併せてプレゼンすることは少なくありません。『ナンバMG5』も4%台を出しているので、映画化などと言っている場合ではないのでしょう」

 さらに問題なのは、今後の水曜夜10時のドラマ枠だという。

「俳優の所属事務所も、人気のドラマ枠であれば出演させたいが、数字の取りにくい枠には出演させたがりません。ましてや初っぱなで低視聴率を出してしまった新しいドラマ枠ですから、なおさら不利になります。早くも今年10月や来年1月スタートのキャスティングが難航していると聞きます」

デイリー新潮編集部

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