とろサーモン「久保田」VS.「オール巨人」 4年前の騒動が再び? 今後の展開を読む

とろサーモン「久保田」VS.「オール巨人」 4年前の騒動が再び? 今後の展開を読む

とろサーモン・久保田かずのぶ

 とろサーモンの久保田かずのぶ(42)が再びネット上で注目されている。自身のYouTubeチャンネルで、吉本興業の大先輩であるオール巨人(70)に苦言を呈したのだ。久保田といえば、2018年に大御所・上沼恵美子(67)にインスタライブで暴言を吐き、謝罪に追い込まれた。第2の騒動となるのだろうか。

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 5月29日に「It's a shame.」というタイトルで配信された、YouTubeチャンネル「もう久保田が言うてるから仕方ないやん〆」でのことだった。

久保田:正直、今回これ読んで、前まで好きだったんですけど、嫌いになりましたね……。

 7軒の書店を探して買い求めたという、オール巨人の新著「漫才論 僕が出会った素晴らしき芸人たち」(ヨシモトブックス)の感想である。

久保田:読んでいったら出てきたんです、僕らの話が。もー、ありがたいんですけど、こう書いてるんですね。

――と、書籍を読み上げる。2017年、とろサーモンが優勝したM-1グランプリの話である。原文から引用しよう。

《実際にはとろサーモンが王者になった二〇一七年は、僕は和牛が優勝だったと思っています。だから最終決戦で、和牛に投票しました。》

久保田:いや、全然いいんですけど、今また言うことかなって……続けますね。


■SNSは久保田に同情


《というのも、その前年は審査員が五人で、僕を含めた当時のメンバーが「五人だと一人ひとりも票が重い。審査員を増やしてくれ」と訴えたんです。それで二〇一七年は七人に増えた。/このとき、新しく入った審査員二人がとろサーモンに入れたんですよね。そして、レギュラー審査員を務めていたうちの三人――つまり僕と上沼さんと松本君は、和牛を選んだ。ゆえに彼らは、名誉ある敗退とも言われていました。》

久保田:って、書いてるんですけど……。「名誉ある敗退」って、僕らは何なんですかね。恥辱の敗退ってことですね。

 そして「愚痴とか愚問とか審査員に対する暴言とかじゃないんです」として、冒頭の「嫌いになりました」に続くのである。ネット上では、久保田に同情する声が少なくない。Twitterの投稿を見てみよう。

《とろサーモン久保田さんについては、上沼恵美子さんのことを酔った勢いで暴言吐いた時は大嫌いになったけど、今回はシラフで論理立てて勇気ある発言だと思った。ちょっと好きになった。巨人さんも別に嫌いじゃないけど、まあ確かにこれに関しては違うんじゃないかな》

《とろサーモン久保田さんはキャラ的にあんまり好きではないけど、この記事には賛同するな。巨人さんも今更そんなこと言わなくてもと思いますね。きっと巨人さんは久保田さんのことをあんまり好きやないんでしょうね。》

《これ巨人師匠の言い方が良くないよね 『和牛が優勝だと思ってる』が要らない というより、今でも審査に納得出来ないのか寧ろ誇張してる気がする》


■M-1直後から言っていたこと


 テレビ業界では今回の発言をどう受け止めているだろうか。民放ディレクターに聞いた。

「業界では、上沼さんへの暴言をきっかけに、久保田がテレビ出演を控えた時期があるだけに、“第2ラウンド”を危惧する声も出ています。とはいえ、上沼さんへの暴言は、ライブ配信されていることを知らずに喋ってしまったこと。それに対し今回は、正面から巨人師匠に苦言を呈しているので、状況が違います」

 久保田の主張をどう思うか。

「ひとつ疑問なのは、巨人師匠の文章は以前に読んだ覚えがあるんですよ。師匠が連載している『週刊プレイボーイ』のコラムだったと思います」

 巨人師匠は「週プレ」で、「オール巨人の劇場漫才師の流儀」という連載を持っている。17年のM-1直後には、「M-1グランプリ後日談」(18年1月8日号)のお題で、こう記していた。

《今年は昨年の5人の審査員に加えて、渡辺(正行)君と、春風亭小朝さんが加わって、計7人でジャッジしました。5人だとひとりひとりの審査の比重が大きいので、増やしていただくようにお願いをして、今回は7人になったんですが、結果的に昨年の5人だったら優勝は和牛だったんですね。》

「名誉ある敗退」という言葉こそないものの、内容はほぼ同じだ。


■巨人師匠の気遣い


「巨人師匠の本は、この連載をまとめたものかと思っていたのですが、どうやら焼き直しのようですね。もっとも、久保田があれほど怒っているのは、師匠がM-1直後にも書いていたことを知らなかったからでしょう」

 同じ吉本で大先輩の師匠の連載である。ましてや漫才師、芸人にとってタメになりそうな話題の連載なのだ。

「芸人仲間から、『お前、書かれてたぞ』なんて話題が出てもおかしくないと思いますけどね。しかもこの連載では、久保田の話がたびたび出てきました」

 18年5月28日号では「とろサーモン久保田君のその後」として、

《昨年のM-1チャンピオンのとろサーモンが、その後、どうスターダムにのし上がっていくかに僕はずっと注目していました。もちろん、漫才が面白くて優勝したのでそこをさらに伸ばすのが仕事ですが、仕事の幅という意味ではそれだけではなかなか広がってはいきません。/ボケの久保田君は、過去のM-1チャンピオンの中でもかなりキャラが濃いほうです。今や“クズ芸人”なんて呼ばれ方が定着していて、これは本人も納得しているようですが(笑)、もちろん、作っている部分もあるのでしょう。》

 かなり気にかけているようだ。

《久保田君のようにクズ芸人のイメージが先行してしまうと、テレビ局やCMも起用法が難しいというか限定的になります。なのでそこは作戦が必要でしょう。(中略)思った以上に順応性がある、器用な男なだけに、今後、彼がどう変わっていくのかすごく楽しみです。》


■「いつか日の目を見る」


 とろサーモンは期待されていたようなのだ。さらに、上沼騒動の直後(19年3月4日号)には、芸人の名は出さずにこう書いている。

《出場者が審査員批判するのは、僕はあかんと思います。大会に出るということは「審査は審査員に任せます」ということが大原則ですから。(中略)長い芸人人生、審査員との相性でコンテストに落選することもあるでしょう。でも、本当におもろいんやったら、黙っといたらええんよ。いつか日の目を見るから。そして「どうや!」って、審査員を見返せばいいんです。》

 民放ディレクターが言う。

「さすが巨人師匠はよく見ていると思います。久保田は上沼さんの件で、各局から“使いづらい芸人”として番組に呼びにくい期間がありました。1年ほどして、禊も済んだということで、活動も増え始めました。今は“クズ芸人”“お騒がせ芸人”“デンジャラス芸人”といったキャラで、バラエティスタッフの間では人気が出ています。放送コードギリギリの暴言、炎上ネタや毒舌など、バラエティ界では“必要悪”の芸人として評価されています」

 5月22日には「ワイドナショー」(フジテレビ)に出演し、話題となっていた。

「上沼さんの騒動で、間に入って謝罪したのが松本人志さんだと言われています。そういえば、かつてはダウンタウンも、大先輩の横山やすしさんにテレビで漫才を酷評されたことがありました」


■ダウンタウンは売れるまで耐えた


 1982年に「ザ・テレビ演芸」(テレビ朝日)にダウンタウン(当時はライト兄弟)が出場し、家庭内暴力をテーマにしたネタを披露した直後のことだ。

やすし:漫才やから何を喋ってもええねんけども、笑いの中には良質の笑いと悪質な笑いがあるわけや! あんたら2人は悪質な笑いやねん。テレビに出てきてやるような漫才ちゃうやんか!

「彼らがこの話を誇張して、笑いを取るようになったのは、売れてからです。巨人師匠の著書にも、やすしさんに共通する漫才論が出てきます。『NGなネタをしていないか』がM-1の審査基準のひとつになっていると。確かに今さら、5年も昔の話を持ち出すことはないとは思いますが」

 巨人師匠は、芸人界では武闘派という声も根強い。今後2人の関係はどうなるのだろう。

「巨人師匠は紫綬褒章も受賞していますからね。叩きのめすことはないでしょうし、上沼さんのように取り合わないかもしれません」

 久保田は「会って話がしたい」とも言っている。

「上沼さんの時のように、誰かが間に入るかもしれません。吉本興業が間に入って、2人に話し合いの場を設ける可能性もある。ディベートも持ち味である久保田が、本心をぶつけるかもしれません。巨人師匠は謝るところは謝りつつも、久保田に説教することは間違いないと思います」

 言うまでもないが、2人とも芸人同士である。

「巨人師匠の新刊が話題になるための仕掛けでした、なんてネタならいいんですけどね」

デイリー新潮編集部

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